
FAKESPEARE☆フェイクスピア
ぷぷっ、“FAKESPEARE”(フェイクスピア)だって!
その舞台タイトルを見た瞬間からシェイクスピアファンとしては、これは是非観たいと思った野田秀樹率いる NODA・MAP の新作公演『FAKESPEARE(フェイクスピア)』を観に東京芸術劇場へ行ってきました。
会場に入るといつも関連グッズなどが販売されて賑わうコーナーが今回はパンフレットのみの販売(のようでした。サッと通り過ぎたので)。
(関連記事→ http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-2601.html )
そして入場時にどっさりもらうたくさんのお芝居の宣伝チラシも全く配布されず。
開演までの間にそれを見ながら先々どんな公演があるのかチェックするのが楽しみなのでちょっと残念と思っていたら、それは各席の肘掛につけられたQRコードをスマホで読み取って見ると。
これもコロナ感染予防対策のひとつかもしれませんが、そもそも毎度その大量のチラシは帰る際にはほとんどが捨てられていたので、資源の点から見てもペーパーレスで良いと思いました。
さて、今回のFake (フェイク) + Shakespeare(シェイクスピア) = FAKESPEARE(フェイクスピア)は観て納得!な深く、とてもおもしろい作品でした。
まずとにかく主演の高橋一生さんが素晴らしかった♡
(以下の画像はNODA・MAPオフィシャルサイトより)
TVドラマではすっかりお馴染みの人気俳優さんですが舞台で観るのは初めて。
お芝居好きなので色々観劇してますが、テレビと舞台で印象が全く違う俳優さんも多く、テレビの方がイイとかその逆の印象を受けることも少なくない中で、個人的には今回の高橋一生さんはテレビで拝見する以上にキラキラと眩しく素敵でした。
よく通る声は心地よく、頭身バランス抜群のスラリなスタイル、ありふれた言い方ですがオーラに包まれた存在感を放ちながら舞台を縦横無尽に駆け回る、その一挙手一投足に釘づけにされた約2時間5分(途中休憩なし)でした。
また、他の出演者も白石加代子、橋爪功、川平慈英、伊原剛志、前田敦子、村岡希美、そして野田秀樹らと、これまた豪華キャスト。
ネタバレなあらすじは割愛ですが、物語は幻想的シーンで幕が開き…と思ったらいきなり舞台は青森の恐山(おそれざん)。
そこに白石加代子さん演じる“イタコ”見習いの「皆来(みならい)アタイ」がインパクト大で登場し、面白ろおかしい語りでスタート。
イタコとは、古くから日本の北東北に存在する巫女職。
霊を自らの身体に招き入れ、憑依させ、死者に代わってその意思を語る秘術「口寄せ」の使い手。
そこでイタコ見習い(白石加代子)がアポイントをダブルブッキングしたことで出会うmono(高橋一生)と楽(橋爪功)。
国も時代も物語(作中人物)も超えた死者の霊が次々に降りてきて、ついには野田秀樹演じるシェイクスピアとフェイクスピア(2役)も登場して賑やかに引っかき回す、、と、いつも通りつかみから前半にかけては笑いの連続。
セリフの中にはいくつもシェイクスピア作品が引用され、更に現代社会への風刺、ウイットにも富んだセリフにうなづくこと度々。
そしてクライマックスはシリアスで深いところへ一気にさらわれるようなお芝居でした。
最初からmono(高橋一生)が大事に抱えていたボックスが日本で起こったあの大惨事に繋がるとは…なオチというかまとめ。
現代社会のSNSなどから広まる“フェイク”な「コトバ」の怖さ、いやSNSに限らず情報が多く、流れてくるニュースにでもなんでもフェイクが蔓延する世界であること、そんなフェイクだらけの世界で本物の「言葉」が持つ「強い力」について考えさせられる作品でした。
コロナ禍でこういったお芝居をすることが本当に大変になったと思いますが、改めて演劇の素晴らしさに触れ、フェイクな生き方はしたくない…!と思いながら久しぶりの東京芸術劇場を後にしました。
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パリの1枚。
パリ好き、パティスリー好きにはすぐにわかるであろうなショーケースの1枚は、「MICHALAK Paris」(ミシャラク)。
久しぶりに都内のお店に行こうかな♬
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