
ポーラ美術館☆フジタ "色彩への旅"
夏の緑を眺め、美味しい山の空気を吸い込みながらやってきたのは、数年ぶりの箱根。
目的地は『ポーラ美術館』。
以前からその存在は知っていたものの、訪れるのは初めて。
コロナになってから、こうして美術館を訪れるのは数回。
今年になってからは初めて?!
建物を囲む木々、緑の中にあるオブジェの様子に早くも気持ちが高まりました。
都内にも素敵な美術館は色々ありますが、こうした自然豊かなところで広々敷地の中に佇む美術館はまた佳いものです。
モダンで明るく開放感を感じる館内。
入館後、まず目指したのは今回の一番の目的でもある藤田嗣治の展覧会『フジタ 色彩への旅』展へ。
(関連記事→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/50.html )
会場は2フロアを使い、ゆったりと余裕のある展示で大変鑑賞しやすかったです。
その構成は、①パリとの出会い「素晴らしき乳白色」の誕生、②中南米への旅「色彩との邂逅」、③アジア旅行記 「 色彩による大画面の絵画へ」④ 心の旅ゆき「色彩からの啓示」の4部構成。
見覚えのある作品、過去の展覧会で出会った作品との再会以外に初めて観るものも色々でフジタファンとしては大いに満喫。
詳しくは、ポーラ美術館オフィシャルサイトの特設サイトを→https://www.polamuseum.or.jp/sp/foujita/
一部のコーナーに限り写真撮影可でした。
フジタの妻、君代さんが大事にしていたというロザリオ。
彼らがフランス・シャンパーニュ地方のランスの大聖堂で洗礼を受けたのが1959年10月14日。
フジタは、洗礼名に敬愛するレオナルド・ダ・ヴィンチのフランス語ネームLéonard(レオナール)を選びました。
君代さんは、Marie-Ange(マリー・アンジュ)という洗礼名に。
最後の展示コーナーの3分の2を占め、圧巻の様子で展示されていたのが「小さな職人たち」の作品群。
それは、フジタが1958年から約1年で手がけた15センチ四方のファイバーボードに描いた壁画。
それを115点描きだめ、パリ14区のカンパーニュ=プルミエール通り23番地の自宅の壁に飾っていたそう。
各パネルには職人の仕事や性格が寓意的に表現されています。
「作家は芸術家である前に職人でなければならない」とフジタは語ったそう。
その言葉は、私にはちょっと意外に感じました。
作家というプライド?があるほどに芸術家は職人ではないと言いそうなのにな〜と。
でもそんな下手なプライドこそ吹けば飛ぶようなものなのかも。
たくさんのパネルを前に「作家とは?アーティストとは…?」と考えてみたものの、門外漢な私にはわからじ。。
ただ鑑賞後に感じたのは、作品から感じられた純粋さから、いくつになっても人としての素直さを大事にニュートラルでありたい、そんな気持ちになりました。
とにかく久しぶりの美術館、久しぶりのフジタ作品に心満たされましたが、改めてフジタがたくさんの旅から多くの刺激を受けたように旅の良さ、大切さも感じられ、遠くに行けない今だからこそ 、あちこち一緒に旅した気分にもなれた展覧会でした。
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パリの1枚。
コロナ禍直前、パリを離れる前に訪れたのはオルセー美術館でした。
新シーズンはどんな展覧会があるのだろう…。観たいです。
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