Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

定番オーストリア料理にハマる☆

ついに登場?!

スキーブログ@オーストリアには欠かせない登場人物・フリードリヒさん(仮名)のお話を。

初めて会った(というか見かけた時)からインパクト大のドイツ人ムッシュです。

このシリーズに毎年おつきあいいただている方には、多分お馴染みのあの方(!)

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初耳な方もいらっしゃるかもなので簡単にお話しすると、フリードリヒさんはこのホテルに40年通うVIP中のVIP。

ここで1ヶ月半を過ごし、その後別のホテルに移って更に1ヶ月半、計3ヶ月のウインターシーズンを雪山ホテル暮らしをしているのだ。

1年のうち3ヶ月を雪山ホテル暮らし、数ヶ月をドイツの家で、残りはタックスヘブンな某国で過ごすという、なんとも贅沢ノマド生活なお金持ち。

そして子供嫌いで社交嫌い。

子供が近づくとシッシ!と追い払い、うるさい子供を野放しにする親には冷たい視線を容赦無く浴びせる。

その姿に最初は良い印象はありませんでした。

(滞在中のワインはオーストリア産しか飲まん!)

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でもとにかくホテルの最重要級ゲストなだけに、ホテルの皆さんは彼の一挙手一投足に敏感。

食事の時は、毎回大名行列か!?な様子でスタッフ達が挨拶にやって来る。

周りのゲストより遅めにテーブルについてオーダーしても、彼の料理は真っ先に運ばれてくる。

ホテルでは、まさにカイザー(皇帝)のような存在?!

(オーストリアワインは赤も白も美味しい♡飲みきれない場合は翌日に持ち越してもOK)

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そして毎年同じ時期に滞在するゲスト達からも一目置かれているので、みんな彼を見かけると挨拶に馳せ参じる。(参勤交代か!?)

なのに彼は、社交嫌いだから相手がめっちゃ話したそうにしても挨拶を返すだけですぐそっぽを向き、話をさせる隙を与えない。

そんなフリードリヒさんのテーブルの周りは、静かな常連ドイツ人ゲストで固められてきました。

(パプリカのスープ。 Knödel(クヌーデル)と呼ばれるダンプリング入りなものが多いオーストリアのスープ料理)

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なのになぜか4年前から彼の真横のテーブルをアサインされたのが私達だった。

(関連記事→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/mittagessen-1.html

最初は気難しい偏屈ジジイ、孤高の人だと思っていたのですが、徐々にその誤解が溶け、ちょいちょいお話をするようになりました。

今回3年前と同じテーブルとなった私たちが席についていると、隣に現れたのはフリードリヒさんでびっくり。

(ヴェネツィアでモリモリいただくソルトシェルクラブが前菜に登場して感激。雪山にいることを忘れる?!)

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すると、いきなり彼の方から「久しぶりだね!」と。

「3年ぶりです」と返すと「3年?そんなに空いてる?毎年会ってたみたいだよ」とな。

そしてニコニコの笑顔で日本の話題を振ってきたので、益々びっくり。

とにかく基本的に無口な人で、ホテルスタッフとも必要最小限の会話しかしないのです。

そんな彼と私たちは毎日、昼も夜もお話をするようになりました。

ある日のこと。

カール&マリア夫妻とディナーをした時に、マリアの大好きパンとして他のテーブルに出てないパンがサーヴされました。

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パリパリのクラッカー、ラスクのような食感ですが、でもパン。

そのパンをとても気に入った夫は、しっかり者のダミアンに名前を尋ねるとブラブラっと。

K「フィ?ファン?ファンジクロ、、、なに?」

D「Finschger」

K「なに??」(何度か聞き直してもさっぱり発音できない)。

夫「スペルを教えて。どう綴るの?」

その瞬間、さっ!とフリードリヒさんがメモを書いて渡してくれたのです。

(これ↓)

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F「このあたりのオーセンティックなパンだよ」

F「そんなに気に入ったかい(笑)」

ふ、フリードリヒさんが笑った。

こんな笑顔、過去8年一度も見たことないぞ?!

更に驚いたことに、この日以来私たちのテーブルには、夫の大好物となったそのパンと、私の好きなパンがWにセットされるようになりました。

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そのへんのサービス、気配りはさすが。

こうした個別対応も料金的なエクストラチャージがあるわけではありません。

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また以前も書きましたが、その日のメニューに食べたいものがなければ簡単料理、オーストリア定番料理であれば、それもエクストラ無しで作ってもらえます。

極端な話、料理を一皿しか食べなくても、何度もおかわり&わがままオーダーしても料金には関係ありません。(フルボードなパッケージ宿泊プランなので)

K「食べない人と食べる人ではだいぶ食費に差を感じるけどねぇ」

夫「そこを気にする人はここに来ないってことです」

(気になるケーコであった…。とにかく自分が美味しく気持ちよく食べれればOKってことかな)

そこで今シーズン私がハマり数回オーダーしたのが、フリードリヒさんが教えてくれた『Naturschnitzel』(ナトゥーアシュニッツェル)というオーストリア伝統料理。

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衣のないウィナーシュニッツェルで、サラッとしたソース(コンソメバターのようなお味)をかけていただきます。

添え物はお好みでポテト、ご飯、野菜など。

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柔らかい仔牛肉で、衣が無い分、軽めで食べやすいのです。

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ライスも進むお味。

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フリードリヒさんは代表的なオーストリアデザートしか食べず、お好みでない時はアイスクリームオーダー。

彼のイチオシは、バニラアイスに熱々のチョコレートソースがけ。

それまでチョコチップアイスが一番だった私も今後はこれに。

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ある日、私達が今年のスキーガイド・シズィとランチをしていると、なんとシズィはフリードリヒさんが40年前に初めてここでガイドをしてくれた、一緒に滑った人だという話から二人も思い出に花が咲きました。

久しぶりの再会だったらしく、「僕達に遠慮なく二人でドイツ語で話してください」と夫が言ったのですが、二人は私達にわかるようにずっと英語で話してくれました。

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また別の日には私が異常な寒がりだと話たら、「いいものがあるから今晩のディナーの時に見せてあげるね」と。

彼が持ってきたのは、ヒーター付きの手袋と靴下。

「手袋やってみ」と、私の手に手袋を…。

(パッションフルーツソースがけのチョコレートテリーヌ)

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もっとも驚いたのは、私との挨拶にハグハグ・ビズー(頬キス)をするようになったこと。

他の誰ともしない、してるとこ見たことないです。

そして話す時は目尻下がりっぱなしのニコニコ笑顔。

こんなに笑顔が甘いムッシュだったとは…!

私の勝手な私見ですが、ドイツ人とのハグハグはフランス人よりもハードル高め、そう簡単にハグ、しかもビズーをしてこない。

夫「思うにケーコちんは、フリードリヒさんに気にいられてるんじゃないかな」

K「やっぱりそう思う?!自意識過剰分を差し引いても私も好意的なものを感じるんだよねぇ。どうやら私の魅力にやられたな、うふ♡」

夫「毒牙です…」

K「どうしよう、ワシの全財産はマダムケーコに譲るって言われちゃったら~。お子さんはいないんだって。ま、喜んで相続しますけどね、ぐふふ♡」

(この手のシンデレラストーリーが実際に身近に、私の知人に起こりました@パリ。いつかそんなお話も)

夫「ないない。というかフリードリヒさんは全財産自分で使い切るタイプだね」

K「確かに…」

教えていただくことも色々で、シーズン8にしてフリードリヒさんとは大変仲良しになりました(^o^)

To be continued☆

*****おまけのパリ*****

左岸サンジェルマン界隈は、シックなインテリアショップも多いのでパトロールが楽しい。

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KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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