オーストリア料理を堪能☆
<スキーバカンスブログ@オーストリア>
プリフィクスなランチ・ディナーで、選択肢の中には必ずオーストリア料理があります。
そんな料理と共にあの人のお話を。
(揚げ物好きな夫にはたまらぬウィーナーシュニッツェル。こちらのホテルでは付け合わせソースはクランベリーソース。夫はソース無しで毎度アンチョビをオーダー。←時々怪訝な顔をされてます。この辺りではクランベリーソースでいただくのが定石?!)
あの人とは、このスキーブログシリーズではお馴染みの、フリードリヒさん!(仮名)(推定年齢over80)
毎度書いてますが、彼は40年以上前からこのホテルに通う、しかも滞在期間1ヶ月半〜2ヶ月間というVIP中のVIP。
ホテルスタッフはもちろん常連客一同から一目置かれるカイザー。
(オーストリアのジャガイモも小ぶりでねっとり甘く、とても美味しい!)
子供嫌い、社交嫌い、笑顔はほとんど見せない、シニカルな雰囲気を醸しまくる一見とっつきにくいムッシュ。
そんなフリードリヒさんと食事テーブルが隣同士になってから少しずつ話をするようになった私達。
ただ先日書いたように今年の私達のテーブルは賑やかなインナーサークルに入ってしまい、フリードリヒさんのいる静かな一角から離れてしまいました。
(Gebratentne Zuger Forellefiletな魚メニュー。隣村Zugの湖で獲れる魚だと教えてくれたフリードリヒさん)
(肉厚な鱈、海のない国でいただく魚、しかもこんな雪山では贅沢に感じます。)
今年もいらっしゃっているかな?と、到着日の翌朝にフリードリヒさんのテーブル席を覗くと、いた!
夫「こんにちは。お久しぶりです」
いつも通りiPadでニュースを読みながら朝ごはんを食べていたフリードリヒさんが手を止め、メガネをずらしてジロリと見上げた。
K「帰ってきました」
F「ヤーー!」
すると立ち上がったフリードリヒさんが両手を広げた。
え、まさかハグ?その胸に飛び込んでいいんですか?
と一瞬思ったけれど、めちゃ笑顔だ。いくしかない。飛び込みました。
すると、ドイツ風にしっかりがっつり右左の2回のハグ。
びっくり。
(隣国ハンガリーからオーストリアに伝わった牛肉のパプリカソース煮「グーラッシュ」はヘリーコーチの大好物。私もすっかりファン)
びっくりしたのは私だけじゃない。
周辺にいたホテルスタッフ&ゲストたちも。
あ、あのフリードリヒさんがハグハグしちゃってるぜ、どういうこと!?誰あの人?な視線がビシビシ飛んできた。
フリードリヒさんは、再会を喜んでくれ、先週までひどい天気だったこと、今日からいい天気で君たちはラッキー!と。
(Gekochter Tafelspitz。 牛ランプ肉を長時間野菜と一緒に煮込んだ料理。アメリカンなコーンビーフ煮込みが好きな我が家にはツボ!)
ハーブ入りサワークリームと林檎ソースを好みでのせていただく。
サワークリームに違和感はないけど、甘い林檎ソースは意外。
でもこれが確かに合う。
夫「今年私達は向こうのテーブルになってしまいました」
K「こっちが静かで好きなのに...」
F「んー、残念。去年までの君たちのテーブルには先週から男性3人組が座っているんだよ」
K「来年はこっちに戻りたいです」
F(ウインク)
(メニューにない裏メニュー。衣のないウィナーシュニッツェル「Naturschnitzel:ナトゥーアシュニッツェル」。私はこれが大のお気に入り。これもフリードリヒさんが教えてくれたもの)
こうしてフリードリヒさんとハグしたあの女は何者?とすっかり私はホテル内で有名になった?!
ヘリーコーチからも「すげーな、ケーコ(笑)」とからかわれる始末。
まーな、ヤマトナデシコの魅力でイチコロよ。
と言いたいところだが、社交嫌いなフリードリヒさんには美辞麗句な挨拶やおべっかなお話をする人より、語学力の問題で幼稚にストレートな物言いしかできない私の言葉はストレート。彼にはユニークに伝わるのだろうと思います。
(この地域はシカが多いだけに、ジビエな鹿肉ローストは看板メニュー)
メニューにないオーストリアご飯はじめ、難しいドイツ語発音の単語のあれこれ、おすすめの防寒グッズなど色々親切に教えてくれるフリードリヒさんは、私の中ではすっかり好感度大のカイザー・フリードリヒ。
10年前は、初めはなんとも感じ悪い偏屈ジジイと思った人だけれど、今はこんなにも印象が変わり、関係が変わったことにも重ねた年月を感じます。
*****K子につぶやき*****
意外と楽しめたLe Bon Marché(ボンマルシェ)で開催中の『Daniel Buren Aux Beaux Carrés』展。
パレ・ロワイヤルのストライプなオブジェでも有名なダニエル・ビュラン氏。
インスタレーションは今月18日まで。
ARCHIVE
MONTHLY