
根津美術館☆国宝・燕子花図屏風
東京港区にある根津美術館で、この時期毎年恒例となってる特別展『国宝・燕子花図屏風』へ行ってきました。
(関連記事→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/post-1767.html )
この展覧会には毎年訪れたいと思っていたのですが、去年はこの時期に日本におらず行けず。
というのも開催期間が1ヶ月と比較的短い。
今年もあちこち行ったり来たりしていたら会期終了間近、最終日の夕方、まさにギリギリの滑り込み〜。
よかった!!
まだ名物のお庭のカキツバタも見れるらしい!と足早に館内へ。
本展の見どころ、解説はオフィシャルサイトをご参照ください→ https://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html
本展の目玉作品は、尾形光琳(1658~1716)の国宝「燕子花図屏風」。
(以下2枚の画像はオフィシャルサイトより↓)
総金地の六曲一双屏風に濃淡の群青と緑青が鮮烈、リズミカルにゴージャスに並び咲き誇るカキツバタの群生。
こうして本物を目にしたのは、初めてだったので感激大☆
解説によると本作は、「伊勢物語」第9段「東下り」の八橋の場面に着想を得つつ、裕福な注文主を想定させる高品質な絵具をふんだんに用い、かつ現代のグラフィックデザインを先駆ける作品だと。
尾形光琳は、江戸時代中期に活躍した琳派(りんぱ:桃山時代に興り、近代まで続いた造形芸術上の流派)の代表的画家。
京都の高級呉服商に生まれ、俵屋宗達に私淑。
その特徴は、雅やかな伝統的大和絵に斬新で大胆な構図や色彩を取り入れた画風。
屏風絵は持ち運べるし、それを広げれば、さっと周りの空気が変わるのが魅力、改めて可能な限り毎年鑑賞に訪れたい!と思った「燕子花図屏風」でした。
館内での鑑賞後、暗くなる前にお庭へ。
つくづくこの美術館のお庭は素晴らしい。
都会にいることをすっかり忘れてしまうほどに、緑豊かで静かで癒され落ち着きます。
四季折々の美しさを感じ愉しめます。
そして目の前に広がったのは、群生するカキツバタ。
会期最終日でしたし、その花盛りなピークは過ぎてはいましたが、まだ綺麗でした。
館内で鑑賞した「燕子花図屏風」を思いながらリアルなカキツバタも目にできるとは、なんとも贅沢な美術鑑賞。
カキツバタの花言葉を調べてみると「高貴」「思慕」。
そしてその姿がツバメに似ていることから、幸せを運んできてくれる縁起のよい鳥の形ということで「幸運は必ず来る」という花言葉があると知りました。
「燕子花図屏風」の着想元となったいう伊勢物語、第9段「東下り」。
読めばきっと思い出す人も多いだろう、高校の古文の教科書のあのくだり。
むかし、をとこありけり。そのをとこ身をえうなきものに思ひなして、京にはあらじ、あづまの方に住むべき国求めにとて行きけり...。
その中で『かきつばた』という五文字を句の先頭にして、旅の心を歌に詠まれたのが、
からころも
きつつなれにし
つましあれば
はるばる来ぬる
たびをしぞ思ふ
国文科なケーコの勝手な超訳で。
何度何度も着て体に馴染んだ唐衣のような長年連れ添った妻が都にいるから、はるばるこんな遠くまで来てしまった旅は悲しく、わびしさが身に堪えるよ(涙)。
高校時代は多くは感じなかったけれど、今詠むと深くていい句だな〜と思った「カキツバタ」でした。
えっ、あの大きな鳥ってなに?とちょっと驚きました。
人間の気配に動じることもなく枝の上で悠々と身繕いをしていました、どうやらカワウ?!
静かな夕暮れを背にお庭を後にしました。
*****K子のつぶやき*****
在仏の日本人の友人へ、日本からのお土産で喜ばれる「虎屋」のあんペースト。
食べ方、いろいろ。
私のお気に入りは苺トースト。
あんペースト、苺、練乳、そして熟成バルサミコ酢⭐︎
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