Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

カラヴァッジョに会いたくて「バルベリーニ宮」

ローマで活躍した芸術家はたくさんいますが、中でもこの人達抜きには語れない!

そんな巨匠たちが、ミケランジェロ、ラファエロ、ベルニーニ、カラヴァッジョ

この4人をちょっと意識してローマを歩くと、繰り返し出会う名前に親近感も湧いてきます。

今回本物が見たい!と思ったのがカラヴァッジョ

訪れたのは、"Palazzo Barberini"(バルベリーニ宮)

国立古典絵画館「バルベリーニ美術館」として公開されいています。

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館内に入る前からなんだかとても雰囲気が良く、外観をちょっと散歩。

美術館の裏側に続く庭園への道です。

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美術館前には噴水。やっぱりローマには欠かせぬ噴水。

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良く見るとちょっと笑えて、癒される噴水でした。

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この「バルベリーニ宮」は、ローマ教皇を輩出したフィレンツェの貴族バルベリーニ家の館で

17世紀に建造されたバロック様式の宮殿です。

その設計はマデルノ、ボロミーニ、ベルニーニが手がけたそう。

至る所にバルベリーニ家の紋章の「蜂」がいます。

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1Fでチケットを買ったら、真っ白い大理石の階段をゆっくり上がります。

この階段はベルニーニの設計。

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美しい階段を一段ずつ昇っていくと、お姫様気分?!

というのも、この宮殿はオードリー・ヘップバーンの「ローマの休日」で彼女が扮する

アン王女が滞在した「大使館」として使われた場所☆

オードリーファンとしては、テンションが上がりますよ!!

階段を上りきる手前の銅像に見惚れながら、オードリーもきっと見つめたはず!と。

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では、順路に従ってカラヴァッジョを目指します★

カラヴァッジョの本名も実は「ミケランジェロ」(ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ)。

ミラノのカラヴァッジョ村に生まれたことから「カラヴァッジョ」と広く呼ばれるようになりました。

 

では図録の画像を引用しながらちょっと「カラヴァッジョ」について。

 

カラヴァッジョは、ミラノで学び、22歳でローマにやってきました。

子供の頃から短気で喧嘩っぱやく、思い通りにならないと力づくでカタをつけるという

気性の荒い人だったのだそう・・・。なので彼の周りではいざこざが絶えず。

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(↑ナルッキソス。これはギリシャ神話のナルシス。水面に写る自分に恋して、その叶わぬ恋に

絶望して死んじゃうナルシスト美少年。)

 

カラヴァッジョは、人を殺してローマから逃亡、南イタリアを転々とします。

でも行く先々でもまた乱闘騒ぎを起こし、刺されて重傷を負ったことも。

そして人を殺してしまったことへの許しを得るために再びローマへ戻ることに。

でもその旅の途中に熱病にかかり死去。39歳の若さでした。

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(↑瞑想する聖フランチェスコ)

 

若くから才能にあふれ、下書きに忠実に描くフレスコ画に退屈し、イタリア・バロック時代の

先駆けを築いたカラヴァッジョ。

デッサンや下絵を描かずにいきなり描いたそう。(天才ですねっ!)

その絵は暗い背景から浮かびあがる人物たちの一瞬をとどめた描写は後の芸術家にも

沢山の影響を与えたと。

 

中でも私が今回どうしても見たかった本物は、コレ!

「ホロフェルネスの首を斬るユディト」

沢山の画家が題材にしている逸話です。

(逸話に関してはクリムトの「ユディト」を以前ブログにアップしているのでこちらを。)

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この絵を雑誌か何かで見て以来、ずっと会ってみたかった!

ハリウッド女優のスカーレット・ヨハンソンが今より若かった頃に似てる~と思うのですが...。

少女っぽさが残る透明感のある女性。

そんな女性が侵略者から街を守るためとは言え、首を斬りおとすという残忍な行為を。

今にもホロフェルネスの断末魔の叫びが聞こえてきそう...! (ギヤ~~っ)

 

以上3点「ナルッキソス」「瞑想する聖フランチェスコ」「ホロフェルネスの首を斬るユディト」

バルベリーニ宮に所蔵されています。

 

カラヴァッジョは特別裕福ではなかったそうですが、パトロンには困らなかったと言われてます。

例えば枢機卿フランチェスコ・デル・モンテにも(ホモ達として...♡)大事にされていたとか。

そんな彼が描く美少年シリーズは、どれも印象的で細部がとても美しい。

(↓バッカス。ギリシャ神話のディオニュソス でお酒と葡萄の神様。父はゼウス。母は人間の女性。)

グラスを持った左手の小指が立っているところは、ちょっと女性的。

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「病める少年バッカス」は自画像。

バッカス(バッコス)=ディオニソスには芸術においては「渾沌・自己消滅・退行」を表わすのだそう。

そこに自分を重ねたカラヴァッジョ。破滅願望があったのかも?

このバッカスはとても病的だけど、葡萄は対照的にとてもフレッシュで美味しそう。

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いつも何かに、誰かに、カッカして怒って熱くなっていたカラヴァッジョは、ただの喧嘩好きではなく

人生にも芸術にも強く何かを求めて、そのギャップに苦しんでイライラしていたのかもしれないな・・・

と思いました。

次回のローマでは、この天使の後ろ姿を美しく描いた「エジプトへの逃避途中の休憩」の本物に

会ってみたいです。(ドリア・パンフィリ美術館蔵)

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おまけはBelle et Bonneで。

 

<INFO>

"Palazzo Barberini"(バルベリーニ宮)

 Via delle Quattro Fontane, 13, 00184 Roma 

 

KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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