パリ9区・マサヨさんの桃花
この日も地元の人達で満席だったパリ9区のマサヨさんの創作和食のお店“momoka”(桃花)。
久しぶりだったので、すっかり話し込んでしまい気がつけば深夜0時半!お客さんは全員帰り店内は私達だけに…。
たまには写真撮る?とパチリ☆
私とマサヨさんはほぼ同い年。
気がつけばもう長いお付き合いで、お邪魔するといつもバカラのワイングラス&ゴブレット、陶芸家のおばさまが作られた食器でおもてなししてくださる。ワインもその日のオススメを用意しれくたりで、細やかな気配りが本当にありがたい。
カボチャ好きの私には嬉しいカボチャのツミレ、カボチャのスープでスタート。
そして目の前に並んだサラダ、お総菜は食べたいものをだけを選んでのワガママオーダー。
このイワシのテリーヌ、とっても美味しい!なんて話していると、このお店でよく見かけるムッシュー登場。お互い名前も知らないものの、こちらで顔を合わせるうちにちょっと挨拶をする関係に。そのムッシュー、この日はお持ち帰りのお弁当をオーダーしていた。
「撮ってもいいですか?」
「どーぞ!私のはいつもスペシャル☆」
そしてムッシューは「マサヨ〜、またね〜♥︎」と思いきりメロメロな笑顔で帰っていきました。
こんな風にマサヨさんにすっかり胃袋を掴まれたパリジャン多し。お店前を通ると挨拶がてら、ビズーがてら立ち寄ってゆくその様子を見ているだけでも地元の人からの人気の様子が伺えます。
左上から時計周りにスズキと無花果、サバ、トロのようなトロトロテクスチャーだったカツオのタタキ、サーモン&キュウリ。
そんなマサヨさんの武勇伝?なエピソードを一つ。
ある日のこと、お店に母娘(娘年齢推定30歳前くらい)のフランス人がやってきました。出されたお料理は全て食べていたようなので美味しく食べたのだろうなと思っていると、会計時になって娘がサービスの女性に口火を切った。
アイスランドのウニ☆北海道のウニ通じる、甘くねっとり、これぞウニ!な美味しさ。
娘「量が少なかったです!」(一番皿数の少ないコースをオーダーしている…)
母「そーね、ちょっと物足りない感じ…」
娘「そもそも思っていた日本料理と違う。味も美味しくないし、」
と話し始めたら止まらない娘。だんだんお店全体にその空気が広がり、みんなチラチラその様子を観察。
母「ね、もうちょっとそのへんで…」
と母は娘を少しなだめたものの、なだめられると余計に燃えるのが人の常。娘のブツブツ文句ないちゃもんは止まりません。(こういう光景をみると、口喧嘩じゃフランス人に叶わないよなーとも思う。。)
茶碗蒸しと鶏肉の煮物。うーん、やっぱり落ち着く和食。
サービス担当の女性も困り顔。そこにキッチンから静かに登場したマサヨっ!
M「お金はいらないから今すぐ出てってください。」
娘「・・・。」
他のお客さんが母娘の行動・発言に注目する中、その母娘は一銭もお金を払わずに出ていきました。
お料理以外にワイン1本、カフェも飲んでるのに…。せめてワイン代ぐらい置いてけよー、と私は思ったけれど。。
平目の炙り☆
その男前な対応に私はなんだかちょっと胸のすくような思いも感じました。
お客さんだからといっても失礼過ぎる行為や周囲の人までも不快にすることにはピシャリとした対応で良い、と。ひたすら謝ったり、相手に合わせてしまうのはちょっと違うよね…とパリでは感じることが時々あります。
そして必ずリクエストする牡蠣フライ、夫の大大大好物。この一皿ですっかり夫もマサヨさんに胃袋を掴まれた一人?!
マサヨさんはパリで2軒のお店を経営していますが、この競争の厳しいパリの街でそれはすごいことだとつくづく思います。料理だけでなく、人を雇う上での苦労や様々な事件?を伺う度に、そんなことあったの?!そんな人いるの!?と私などは驚くばかり。
そんなしっかり者の彼女は愛想を振りまくことはほとんどなく、日本人のお客さんが日本語が通じる甘えからか(?)マサヨさんにピシッと突っ張られて怯んでいる場面もたまに見かけたりもするけど…。
モンブランと抹茶和栗ティラミス。種類豊富なスイーツも絶品☆
マサヨさんから伺う苦労話、珍事件は私の想像を越えることばかりですが、どんなことが起こっても前向きに頑張っている姿は同じ日本人女性としては「かっこいー!」と感じるし、一緒に写真を撮る時に感じたその細腕、狭い肩幅にどこにそんなタフネスがあるのか?と。
まさに細腕繁盛記な「桃花」なのです。
☆おまけのパリはBelle et Bonne☆
「リプトンにも」
⇒ http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-1310.html
24, rue Jean-Baptiste Pigalle 75009(2号店)
09 67 29 47 54
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