Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

ドラン、バルテュス、ジャコメッティ☆

会期終了間近(10月29日まで)!

と気になっていたパリ市立近代美術館(Musée d'Art Moderne de la Ville de Paris)で開催中の“Derain, Balthus, Giacometti Une amitie artistique”(ドラン、バルテュス、ジャコメッティ:アーティスティックな友情展)へ行ってきました。

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20世紀を代表する3人のアーティスト、アンドレ・ドラン(1880-1954)、バルテュス(1908-2001)、アルベルト・ジャコメッティ(1901-66)の友情をテーマにした展覧会。

1930年から60年の間に制作された約350点の絵画、彫刻、写真などを展示。

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3人の名前といくつかの作品ぐらいしか知らないので、この機会に観てみようと出かけたところ、館内は比較的空いてゆっくり鑑賞することができました。

(一部の指定作品とそれぞれのセクション冒頭の解説文章は撮影不可でした)

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仲が良く頻繁に交流があった、という3人の出会いは1930年頃。

最初に3つに並んだそれぞれのバイオグラフィーを見ると、最年長はアンドレ・ドランで一番若いバルチュストとは20才以上離れていたことにちょっと驚きました。

とはいえ、友情に年齢差は関係ないと思う。

年上の友人からは先輩的な意見や経験談、年下からは若さを感じる自由な発想や柔軟さなど付き合っていて刺激になることが色々だ、と私自身も日々の生活の中で感じるし…と思いながら鑑賞スタート。

以下、3人の作品の共通性やお互いの影響とは別に、今回印象に残った作品をいくつかピックアップ。

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Baltuusの連作(La Legende de la Sainte Croix)

本展を通じてどんどん作風が変わり、様々な手法を試みていたように感じたのはバルチュス。

3人の中ではこれまで私はあまり鑑賞する機会がなかったこともあり、とても新鮮でした。

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Baltuus(La Phalene)

バルチュスの本名はBalthasar Michel Klossowski de Rola(バルタザール・ミシェル・クロソウスキー・ド・ローラ )。長っ。

日本大百科全書によると、

「ポーランド貴族の流れをくむ旧家の次男としてパリに生まれる。両親も画家であり、兄ピエールは作家。幼いころから絵画を独習し、13歳のときリルケの序文を伴う素描集『ミツ』を刊行した。1934年にパリのピエール画廊で最初の個展を開き、シュルレアリストたちから注目を浴びるが、彼らの運動に加わることはなかった。作品の題材として選ばれるのは街路や室内、風景などのごく日常的な光景や人物であるが、画面は現実の世界から切り離されたかのような不思議な雰囲気をまとう。初期ルネサンス絵画や東洋美術への深い造詣(ぞうけい)に裏打ちされた古典的な技法や構図と、シュルレアリスムにも通じるような謎めいたエロティシズムに満ちたイメージで、独自の具象絵画を確立し、20世紀の美術史のなかで孤高の位置を占めている。」

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Baltuus(Le Reve II)

夫「バルチュスの奥さんて日本人だよね?」

K「あ・・・!数年前に雑誌で見たあの人!?」

夫「そうそう、いつも着物を着てる人!」

改めて彼のバイオグラフィーを追うと1967年に出田節子さんと結婚されいた!

二人の出会いが気になって調べて見ると、1962年にパリでの日本美術展の選定のためにバルチュスが東京を訪れた際に当時20歳だった出田さんと運命的な出会いをした、と。

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Andre Derain(Arlequin et Pierrot)

美術の教科書や色々な展開会で見た覚えのあるこの一枚。

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おどけた様子のアルルカンとピエロが手にした楽器に弦がない。

弦を描かなかった意図は?!

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Andre Derain(Potrait de Carmen Banon)

本展で一番写真を撮っていたのは、結果的にはドランの作品でした。

遠目から見てもパーンと目の中に飛び込んでくるような豊かな色彩で、引き込まれて近づきたくなる作品が多かったです。

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Andre Derain(Genevieve a la pomme)

マチスと並びフォービズムの旗手として知られたのち画風が変遷し古典絵画に回帰していった、というドランの作品は、これからも機会があれば積極的に観てみたいと思いました。

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ジャコメッティの自画像とその作品(Femme qui marche)が並んで展示された様子がなんだかシュールでかっこいい☆

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彫刻となると女性ならふくよかで肉感的、男性ならマッチョなものを多く、それらが作られた時代にはそれが「美しさ」の理想や美意識だったのかもしれないけれど、ジャコメッティの作品を見ていると、それとは違う独特の普遍的な美しさを感じるようになりました。

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ストイックな美しさ。

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Alberto Giacometti(Le Lac de Sils)

彫刻で有名なジャコメッティなので彼の絵を見るのは新鮮。

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3人共通で興味を持ったのが演劇の世界。

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3人が手がけた舞台衣装や舞台美術作品も展示。

なんとなく勝手な想像では芸術家は孤高な人で、積極的に人との交流や特に同じジャンルでの友情を育むのは難しいのでは?と思っていたけれど、こうして3人の作品を比較しながら、お互いどんな感想を言い合ったり、刺激しあったのか?と想像しながらの展覧会はユニークで興味深いものでした。

Bon week-end(^^)/

おまけのパリをBelle et Bonne Blogで更新☆

今日は、「シャントレルも好きです
⇒ http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-1679.html

 

<info>

Musée d'Art moderne de la Ville de Paris

Derain, Balthus, Giacometti Une amitie artistique展は2017年10月29日まで
1 Avenue du Président Wilson, 75116 Paris
http://mam.paris.fr/en/expositions/exhibitions-derain-balthus-giacometti

 

KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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