
いつか行きたい、バルト三国☆
バルト三国に特別に興味はないけれど、年間パスポートがあるから観ておこうかな〜。
と、そんな気楽な気持ちで出かけたMusée d'Orsay(オルセー美術館)。
もうすぐ会期終了(7月15日まで)の“Âmes sauvages. Le symbolisme dans les pays baltes”(野生の感情、バルト三国の象徴派展)を鑑賞してきました。
ツーリストの多くは印象派を中心とした常設展へ向かうこともありますが、この日の特別展は空いていました。
あまり人気のない展覧会なのかな…とも最初は思いましたが、個人的には本展は観てとても良かったです!
バルト三国とは、バルト海の東岸でフィンランドの南に南北に並ぶ三国で北から順に「エストニア」「ラトビア」「リトアニア」。
欧州連合(EU)の加盟国で通貨もユーロ。
と思うとフランスからは身近な存在に思える部分もあるけれど、近くて遠い外国という感じで作品から感じられる雰囲気は全くの異文化。
私自身が北ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアなどに行ったことがなく、その国の景色や文化習慣等を知らないので、作品を通して感じる心象風景、色使いなど全てがとても新鮮に映りました。
最初に目に飛び込んできたのは、 大海原をゆく船がダイナミックに描かれたFerdynand Ruszczyc(フェルディナント・ルシュチツ)という画家の“nec mergitur” 。
“nec mergitur”(沈まず)というタイトルを見てパリっ子がすぐに連想するのは、“Fluctuat nec mergitur”。
パリ市の紋章にある「たゆえども沈まず」という意味のラテン語標語です。
これはもともとは船乗りの言葉だったそうですが、革命、戦争などから生き延びたパリ市民の象徴となっていった言葉だと。
どんなに強い風に吹かれガンガン揺れようとも沈まない船にパリの街を重ねて鑑賞しました。
生まれたばかり赤ちゃんが静かに眠っているのかと思いきや、
その顔を覗き込む白装束の人(死神!)の手には切れ味の良さそうな釜。
タイトルは「死」。
「旅人、または故郷、思い出」というタイトルの作品。
夏盛りの様子で盛り盛りに茂った緑と垣間見える青空を眺めていたら、
雲のように絵の淵に浮かんでいたのは人の顔。
想像力を刺激する作品も色々でした。
描かれた女性は美人ばかり。
綺麗な人が多いところ?と思って調べてみると、バルト三国は北欧の美女大国として有名なのだとか。
エストニアの首都「タリン」は現在は高層ビルが立ち並ぶ都会だそうすが、城壁に囲まれた赤い瓦屋根の旧市街はその街全体が世界遺産。
小さく可愛い街並みはリアルなお伽話の世界みたい☆
描かれる世界もメルヘンチックなものも多く「可愛い文化」を感じたので、この三国には可愛い雑貨小物も多いのでは?!
バルト三国の中で最大の街「リガ」を有するのが「ラトビア」。
こちらもまたカラフルな街並みは童話のようで「リガ歴史地区」として、こちらも街全体が世界遺産に登録されていると。
本展では妖精が住んでいそうな森や美しい景色を描いた作品も多数。
「リトアニア」の「ヴィリニュス」という街も世界遺産登録。
そこにはゴシック様式からバロック様式までの華やかな教会が多く残っているそうです。
バルト三国、世界遺産の街巡りツアーの妄想が広がりました。
それに気になるのは三国グルメ☆
(wikipediaより↑)
特にリトアニア名物だというピンク色の冷製スープ「シャルティ・バルシチェイ」。
冷たいボルシチという意味だそうで、ボルシチをヨーグルトなどで伸ばしてた酸味を効かせたさっぱり味のスープらしい。
という訳で、本展をきっかけにすっかり興味が湧き、いつか行きたいバルト三国!な気持ちになった展覧会でした。
そういえば確か東京の自宅にフィガロ・ボヤージュ「バルト三国」版があったはず!
これも本気で読み返してみたい♡
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