
Oh My Deer☆
滞在ホテルのダイニングはじめ、エントラス、ロビー、階段の踊場などあらゆるところに狩猟した鹿の角が飾られています。
鹿モチーフの絵画やデッサン、オブジェもあちこちに。
鹿好きな私としては「ここにも!」と新たな鹿を見つけては楽しんでいます。
地元のハンターが狩猟した鹿に加えて、この地方では大きく弓なりに湾曲した角が特徴の「アイベックス」や日本カモシカのような「シャモワ」など色々生息。
ここオーストリア・アールベルグ地方・チュルス村のシンボルは「アイベックス」ですが、数が減ってしまってほとんど見られないそうです。
この辺り一帯の岩場に住んでいるシャモワも私達の滞在過去5年間でかなり遠く、高い所に見えたのが1、2回程度でなかなか見ることができません。
でもこの日ゴンドラに乗っていると、
H「あそこ!!」
夫「鹿?あっシャモワだ!」
K「オー、マイ、ガッ!ならぬ Oh My Deer!!」
H&夫(爆笑)
え?Oh My Deerってそんなに面白い?!(Oh my dearにもかかって意図しないところでウケたらしい)
こうしてシャモワを見るのはガイドのヘリーも今シーズン初めてだそう。
かなりの急斜面を余裕で移動する様子に感激☆
(厳密にはカモシカ同様にシャモワはウシ科らしい)
でもちょっと心配になったのが、スキー中に大きな鹿などに遭遇した時にアタックされないのだろうか?
ヘリー曰く、彼らは人間に近づかないから大丈夫だと。
本当か?!角で突かれたら崖から落ちますよ…と思いながら雪山へ。
あそこに見えるあの人たち、あんなところ登るのか…大変そうだなと思ったときは、ほぼ100パー私たちもその後を追うパターン。今日も然り。
今朝出発前に「今日は“ちょっとだけ”歩く」とヘリーは言ったけれど、このどこか“ちょっと”なんだ…もうずーっと歩いてますけど…登ってますけど…。
ヘリーの「ちょっと」は私には「ボークー(たくさん)だ…」とブツブツ言いながら息が上がってきたところで脳内BGMスイッチオン!
こんな時はもうあの曲しかない、手首リハビリ中に何度も聴いたロッキーのテーマ曲、サバイバーの歌う“Eye of the Tiger”を思いきり大音量で脳内に流す♬
すごいロッキー効果だ…。
ジャっ!、ジャジャジャっ♬と、イントロが流れてきただけで重い足が上がるじゃないか!?
とにかく崖下は見ない、ヘリーと夫の背中、自分の足元に集中して、あとはロッキーを口ずさんで進め!
でも、この谷を滑るのか…と思った途端、ヒーーっと怖くなりましてロッキーも聞こえてこなくなり…。
それでも気持ちを鼓舞するための曲は、お笑いコンビ「オリエンタルラジオ」の2人を中心に結成されたダンス&ボーカルユニット“RADIO FISH”の一昨年のヒット曲“PERFECT HUMAN”。
恐れるな、おののく〜な 、吠えろ(Hey!)、 声あげろ〜っ(Ho!)、その血と魂を今ささげろ〜っ♬
I'm a perfect human ( woman!)
na, ka, ta, nakata (ke,i.co,KEICO)
na, ka, ta, nakata(ke,i.co,KEICO)
na, ka, ta, nakata(ke,i.co,KEICO)
I'm a perfect human ( woman!)
We live in Tokyo
na, ka, ta, nakata(ke,i.co,KEICO)
I'm a perfect human ( woman!)
We believe in new God (in ヘルムート)
na, ka, ta, nakata(ke,i.co,KEICO)
I'm a perfect human ( woman!)
Go、Go、Go、奴らに続け!と勇ましく攻めました。
H「見て!雪崩だよ」
K「・・・!」
今なんと??
一瞬自分の耳を疑った。アバランチ、アバランチ、反芻してもそれは「雪崩」。
そんな雪崩の真横にやってきて、滑って、大丈夫なのか?!
大した説明もなくヘリーは行ってしまったけれど…。
そしてあんなところで「カモーン!」と。(↓遥か遠くで待つヘリー)
流石に夫も驚いたようでしばしフリーズ。
それでも「じゃ、行きますか」と。
行ってしまった…。
改めて自分のアバランチビーコンを確認。ピコピコ光ってる!大丈夫!
もう一度“PERFECT HUMAN”な替え歌ケーコバージョン“PERFECT WOMAN”を歌ってゴー!
滑り終えってホッ・・・。
滑り終わってからの説明では、あの雪崩は2週間前のもので更なる雪崩のリスクはほとんどなかったそう。
そういうこと早く言ってよ…。
この雪崩自体も自然に起こる大規模雪崩防止のためにダイナマイトで人工的に起こしたものだったのです。
でも雪崩跡の雪塊の厚さは2メートル近く、巻き込まれたらひとたまりもない。
冷静になれば、ヘリーが私達をそんな雪崩リスクの高いところに連れていくことはないのだけれど!
と、ひと安心したところに何かが来た!?
鹿!?
シャモワ!!
私達の100メートル程先を5頭がピョンピョンピョンと跳ねているじゃないですかっ!(3頭しか写ってないけど)
これには本当に驚きました。
ヘリーにしてもこんなに近くで、しかもまとまってシャモワを5頭も見ることは稀で貴重な体験だと。
気温がグっと下がった時にしか彼らはこうして出没しないそう。
ってことは、ココはかなり気温が低い(マイナス12度)のですが、私は驚きと興奮と怖い谷を滑りきった疲労でそんな寒さは全く感じていませんでした。
ホテルに戻ってから、シャモワにたくさん出会った話をこれらの写真を見せながらホテルのオーナー夫妻やスタッフ、ゲストたちに話すと皆さんも「すごい経験よ!」と。
今更ながらエキサイティングだったな〜と。
そんな出来事後の腹ペコペコなランチのメインに鹿肉(スネ肉)煮込み登場とは!
(マッシュポテトとほうれん草のパスタを添えて)
とにかく鹿だらけのチュルス村で、Oh My Deer!な体験をしています。
ARCHIVE
MONTHLY