
のんびりギメ東洋美術館☆
先日パリ16区にあるMusée Guimet(ギメ東洋美術館)で特別展「古都奈良の祈り」展を鑑賞した際に時間があったので久しぶりにゆっくりと常設展も鑑賞しました。
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/post-987.html)
美術館前のイエナ広場の凛々しい騎馬像は、アメリカ初代大統領のジョージ・ワシントン像☆
なんだか意外な場所で意外な人に出会った気分。
アメリカ独立戦争を終結させた際のパリ条約での指揮官がワシントン。
その独立戦争にフランスはアメリカ側について参戦。当時のフランスはルイ16世時代でこの戦争に膨大なお金をつぎ込んで国庫が傾いたこともフランス革命を招いた要因の一つだそう。
ギメ東洋美術館は、1836年生まれのリヨンの実業家Émile Guimet(エミール・ギメ)がインド、中国、日本を回り収集したコレクションを元に、フランスがアジアに派遣した考古学発掘隊の収集品や更にはルーヴルのアジア美術部門を加えて誕生した美術館。
いつ訪れても比較的空いてて静かな落ち着いた雰囲気です。
ギメが1876年に日本を訪問した際のコレクションをはじめ、その所蔵品は土偶や埴輪から漆細工、陶器、鎧・刀などの伝統工芸品まで色々。
鮮やかな漆や細かい細工の櫛が綺麗で見惚れます。
なんだかモダン!そして美しい!と思った作品は、西陣の織匠・山口伊太郎氏の「源氏物語錦織絵巻」
着物事情には詳しくないのですが、西陣織は織ってから染めるのではなく、染められた糸を複雑に織って模様を作るので完成までに多数の工程があり、とても手間暇がかかる高級絹織物。
一般的な染色法の後染めより丈夫でシワになりにくいと言われています。
山口氏が1970年(当時70歳)から織物制作の集大成として制作を始め、105歳で亡くなるまで37年間に渉って制作し続けられた作品。
ギメの夢は、古代エジプト、ギリシア、ローマ時代の地中海から中近東を経てアジアに至るまでの宗教博物館を作ることだったそう。
アジア宗教史で重要とされるのは紀元前5世紀にゴーダマ・シッタルダがインドで開いた仏教ですが、インドは仏教以外にもジャイナ教やバラモン教が派生した土地ということで、美術作品の中にその融合や流れ感じられ、眺めいてるとアジアからヨーロッパへ道を繋がっていくことが感じられるのも面白いところ。
官能的な作品も多い。
チベットのダンスする「ダーキニー」。
密教の行者を悟りに導く女神だそう。
思わず一周。
ついポーズを真似してしまった…。
現在イスラム教国家となっているインドの西にあるパキスタン、アフガニスタンは1世紀から3世紀にかけて優雅なガンダーラ美術が花開いた土地。
纏った衣類のドレープ感はギリシャ的。
だんだんと東から西へと顔つきが変わっていく様子も美術作品から伺え、世界が繋がっていることを感じたり。
他にも中国、韓国、ネパールなどなど約4万5,000点もの収蔵作品を誇るギメ東洋美術館ですが、
最後にじっくり観たいのはやはりカンボジア、クメール文明コレクション☆
ぐるっとアジア旅行の気分でゆっくり楽しんだ久しぶりのギメ東洋美術館でした。
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