
Poussin et Dieu 〜プッサンと神〜
夜の待ち合せ時間までちょっと時間があったのでブラっとMusée du Louvre(ルーヴル美術館)へ。
何度も繰り返してますが、年間パスポートを購入するとこんな風にちょこちょこ隙間時間に
美術館に行くことができてピンポイント鑑賞ができ、気軽で疲れることもなくてイイです♫
今回鑑賞したのは、もうすぐ会期終了のPoussin et Dieu (プッサンと神)展。
この展覧会はNicolas Poussin(ニコラ・プッサン)の没後350周年を記念するもので、
画家で詩人、思想家で画家の17世紀の偉大な画家の一人であるプッサンの作品と「神」との
関わりに改めて光を当てるという趣旨の展覧会。
プッサンはイタリア人だと思っていたのですが、1594年レ・ザンドリー生まれのフランス人★
パリでフォンテーヌブロー派に絵画を学んだ後、1624年に29歳でイタリア・ローマへ。
自画像
どの絵もキレイだったのですが、特に印象的だったものをピックアップ。
四季・春(地上の楽園)
好きな絵画のテーマの一つがアダムとイヴ。
美しく甘やかされて育った風なイヴと、そのイヴの誘いやお願いを断れないアダムの弱さ、
人の良さが感じられて、俗っぽい世界を集約してる感じが好きです。
プッサンは、ローマでは教皇ウルバヌス8世の甥のフランチェスコ・バルベリーニ枢機卿や、
その秘書で自由思想家のカッシアーノ・ダル・ポッツォの庇護を受ながら古典的表現手法を
用いた制作を行いました。
ティツィアーノやラファエロなどルネサンス期の巨匠たちからも強い影響を受け、バランスの良い
知的な古典的様式に基づいた独自の絵画様式を確立。
羊飼いの礼拝
天使好きとしては、久しぶりに見た古典絵画の中の天使☆
動きがあっておもしろい一枚だと思いました。
アルカディアの羊飼いたち
プッサン随一の傑作と言われる作品で、安定的構図は後のフランスアカデミー、続く画家達
に大きな影響を与えたそうです。
面白いのが石碑に刻まれる「我、アルカディアにもあり(Et in Arcadia ego...)」はアナグラムで
文字を並べ替えると「立ち去れ、私は神の秘密を隠した(I Tego Arcanadei)」と別の意味の
文章が成立するとも指摘されています。
そして秘密結社との関連なども推測されているそうですが...。
ソロモンの審判
有名な絵ですが、ここで描かれるテーマは旧約聖書の一場面。
二人の娼婦がそれぞれ子供を産んだのですが、片方の娼婦は誤って子供を窒息死させてしまう。
そしてもう一人の娼婦の子供を奪い自分が死なせた子供と取り替えたことで、娼婦仲間の間で
大騒ぎとなり、法廷へ。
そこで、ソロモンは生きている子供を剣で半分に切り分けるように命じます。
その命令に片方の娼婦は同意を示し、もう片方の娼婦は子供を生かしてくれるよう懇願。
こうして懇願する娼婦が本当の母親だと見抜いたとされる逸話。
ほぼ左右対称でバランスの取れた古典主義的構図と言われる一枚。
アポロとミューズ達
ギリシャ神話の太陽神アポロンが、ミューズ達とパルナッソスの山に集まった様子が
賑やかで楽しそう。
この絵はラファエロがヴァティカン宮「署名の間」に描いた「パルナッソス」に基づいたもの
だそう。
ラファエロの「パルナッソス」
ヴァティカン行きたいな...
大きな壁画級の作品から小さなデッサンまでたくさんの作品がありましたが、展示スペースが
広く、作品と作品が余裕を持って展示されているので、とても鑑賞しやすい贅沢な空間に
なっていました。
理想的で理性的と言われるプッサンの絵には、恐ろしさや醜さが感じられず、綺麗に整った
世界が広がっていてとても綺麗でした☆
そして20時。
まだまだ夜はこれから♫な日が長い初夏のパリがやっぱり一番好きな季節♡
おまけのパリは、「涼しくなる駅」をBelle et Bonneで☆
⇒ http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-654.html
à demain(^.^)/~~
<info>
Musée du Louvre(ルーヴル美術館)
*Poussin et Dieu (プッサンと神)展は2015年6月29日まで
99, rue de Rivoli 75001 Paris
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