絵の住処
敷地内に入ると長いアプローチ。
この森を抜けたらフランスの古城でも見えてきそうな?!
そんな雰囲気の中、緑のトンネルを車で抜けて、
やってきたのは、千葉県にあるDIC川村記念美術館。
この夏、鑑賞した小栗旬さんと田中哲司さんの二人芝居『RED』で知ったMark Rothko
(マーク・ロスコ)の「シーグラム壁画」。
(関連ブログ⇒ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/red.html )
このお芝居はとても印象に残り、それまでよくわからないな...と感じることが多かった
抽象絵画について興味が湧き、お芝居のテーマのだった「シーグラム壁画」を実際に観てみたいと
思いました。
という訳で、全30作品中7点の「シーグラム壁画」を所有するDIC川村記念美術館へ行ってきました。
まずはその想像以上に広い敷地に驚きました。
チケットを買って散策路に沿ってアーチをくぐり美術館を目指すと、
そこには広大な庭園が開け、目の前には大きな池。
白鳥や鴨などが優雅に遊泳中♫
美術館入口手前には、フラン・ステラの「リュネヴィル」という巨大な作品。
こちらの美術館のコレクションは、17世紀のレンブラントによる肖像画、モネやルノワールの
印象派絵画、ピカソ、シャガールなどの西洋近代美術、日本の屏風絵、カルダーやウォーホル
などの20世紀後半のアメリカ美術まで幅広いジャンルを有しています。
只今「絵の住処(すみか)〜作品が暮らす11の部屋〜」と題して所蔵作品に合わせて大きさや意匠を
変えた11の部屋に分けて展示中です。
吹き抜けのエントランスがステキで、この美術館の持つセンスを感じさせるプロローグという
感じ。
せっかくなのでオーディオガイドを片手にゆっくり鑑賞しまた(*^_^*)
レンブラントの肖像画は、彼が29歳の時に描いた注文肖像画。
モデルはアムステルダムに暮らす裕福な商人とも言われ、本来は妻の肖像画と一対をなして
いるものだそう。
現在妻の肖像画はアメリカにあり、過去に一度だけこの川村美術館で夫婦再会の展示が
されたことがあったそうです。
コンスタンティン・ブランクーシの「眠れるミューズⅢ」。
美しさを求めどんどん削ぎ落としたカタチにしていったらこんな感じに。
穏やかな寝顔が美しい☆
個人的に一番楽しめたのは、コーネルの箱作品のコーナー。
「箱のアーティスト」として知られるアメリカ生まれのジョゼフ・コーネルの作品です。
「エトワールホテル」
「無題(オウムと蝶の住まい)」
解説によると、専門店で見つけた蝶や虫の標本が図鑑から切り抜かれた仲間たちと戯れ、
その様子を二羽のオウムが隣でじっと眺めている、という「無題(オウムと蝶の住まい)」は、
博物館の陳列棚のように整然として見えます。しかし見方を変えれば金網で仕切られ、
捕虫網が壁に掛かったこの小屋に棲息するオウムと蝶は、異国に憧れを抱きながらも
母と弟の面倒をみるため、住まいのあるニューヨークから一生離れられなかったコーネルの
姿とも重ねることもできる、と。
「鳥たちの天空航法」
両手で抱えられるほどの大きさの手作りの箱にお気に入りの品々をしまい込んだ作品たちは
子供の頃の秘密の宝箱のようで、見ていて楽しくなるもの、想像力をかきたてるもの、
小さいのに広い宇宙を感じさせる魅力的なショーケースでした☆
そしてしばらくの間、静かに見つめたマーク・ロスコのシーグラム壁画ルーム。
ほぼ貸切状態で観ることができ、とても贅沢な時間でした。
大きな壁面と広い床面積が特徴的なルームで自然光が入る板張りの大空間に各壁面に一枚ずつ
作品が展示された変形七角形の設計で、作品の魅力を引き出すように展示されていました。
ロスコが求めた「究極のレッド」を目の当たりにしながら、赤という色が持つ魅力は温かさ
だけではなく、暖色なのに逆に冷たい魅力もあるんだな...と思いました。
DIC川村記念美術館、これからも時々訪れたい、とてもステキな美術館でした☆
おまけのパリは、「フランス産まれのViollette de sollies」をBelle et Bonneで☆
⇒ http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-751.html
à demain(^.^)/~~
<info>
DIC川村記念美術館
*絵の住処(すみか)〜作品が暮らす11の部屋〜 は、2016年1月11日まで。
千葉県佐倉市坂戸631
043-498-2131
http://kawamura-museum.dic.co.jp/
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