
Rosa Bonheur(ローザ・ボヌール)展☆オルセー美術館
昨年11月に「オルセー美術館」(Musée d'Orsay)の年間パスポートを更新☆
そして一度鑑賞したのですが、会期終了前にもう一度観ようと『Rosa Bonheur (1822-1899)』(ローザ・ボヌール展)を訪れました。
Rosa Bonheur(ローザ・ボヌール)、その名前を今回の展覧会まで知りませんでした。
それにしても名前が「ローザ・ボヌール=幸せな薔薇」だなんて芸名みたい☆
と思ったら本名は、Marie-Rosalie Bonheur (マリー=ロザリー・ボヌール)。
そういえば小学生の頃、友達と芸名ごっこをしたな…。
当時は名前負けなんて言葉も知らなくて、より麗しくゴージャスな名前に憧れたっけ。
なぜケーコ?なぜこの漢字?と親に尋ねたものでした。
ファーストネームは一生モノだけど結婚したら苗字が変わるから…と、当時好きなアイドルの苗字に自分の名前を繋げてニヤニヤしたり、おバカさんだった。。
閑話休題。
『ローザ・ボヌール』という名前こそ知ったのは本展ですが、この作品「Labourage nivernais」を観て、この作家さんか!と。
オルセー美術館で存在感を放つ大きな作品で、そのサイズは133 × 260センチ、初めて観た日から忘れられない作品の一つで、そのサイズからも男性作家のものだろうと思い込んでいました。
というのも19世紀半ばのヨーロッパでは、まだまだ女性画家は少なく、常に過小評価されていた時代。
そんな時代においてローザ・ボヌールは、画家の父親から絵を学び、ルーヴル美術館通いで名作の模写に励み、その模写を売って10代半ばから家計を支えたそう。
バイオグラフィーをざっくり読むと、ローザは1841年に19歳で初めてサロンに展示し、1845年のサロンでは3位のメダル獲得、1848年には金メダルを獲得。
その翌年には政府の発注によって、前述のオルセー美術館で目立ってます!作品な「Labourage nivernais」(耕作、ニヴェルネ地方にて)を制作。
20代でアメリカ、イギリスでも人気を博し、1853年のサロンに出展した「Le Marché aux chevaux」(馬の市)で国際的に評価され、その作品を売却して得た多額の収入を元手にフォンテーヌブローの森に近いトメリにある城を購入。
そこにアトリエを設け、敷地にたくさんの動物を飼い、パートナーのNathalie Micas(ナタリー・ミカ)とその母親と一緒に住んで絵を描き続け、亡くなるまでの40年間そこに暮らしました。
また、1865年にフランスの最高勲章であるレジオンドヌール勲章を女性芸術家としてはじめて受け、後にオフィシエに昇格。
2022年が生誕200年のアニバーサリーイヤーで、こうして大規模な展覧会が企画された訳ですが、その盛況、人気ぶりに驚きました。
動物たちは精密に描かれ、生きているようで、目が合うと実際に森の中で遭遇したように息を呑み、しばらく動けなくなってしまう…。
中でもこの「Le Roi de la forêt 」(King of The Forest )という作品は、等身大のような大きさで(224.8× 175センチ)作品を前に実際に足が動かなくなってしまいました。
鹿好きなこともあるけれど、美しくカッコイイ!!と見惚れる。
動物から息遣い、魂が感じられ、とにかく視線がリアル。
死んだ目ではなく、活き活きと生きた力を目に宿して。
生涯独身、女性と動物たちとの共同生活を送ったローザ。
制作のためにライオンを飼ったこともあるそう…!
思わず頭からライオンに噛まれた女優さん(←確か麦茶のCMの)を思い出してしまったけれど、、動物を相手にするのは危険も伴うことを思うと、ローザの強さ、逞しさも窺える気がしました。
描かれた動物の姿はリアルさの中に神々しさ、尊厳に満ちているようで、ローザの動物愛を感じます。
猫ぐらいしか飼ったことない私としては、動物を飼うこと、単に愛玩ではなく最期まで面倒をみることについても改めて考えてしまったけれど…。
動物は、私達の生活を様々なカタチで豊かにしてくれる、人間にとってかけがえのない存在であることを知る展覧会でもありました。
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