
パリを想ってCoquille Saint-Jacques☆
今頃パリにいたら(コロナのない)自宅では勿論、レストランでもメニューにあったら絶対食べまくっていたに違いない!
と思うのが“coquille Saint-Jacques”(コキーユ サン・ジャック)=『帆立貝』。
10月に帆立貝漁の解禁日を迎え、出回り出した今頃はオレンジ色の部分が小さめで、その分貝柱が大きく、美味しいのです。
マルシェに山積みのサンジャックの光景を思い出しながら、秋のパリを想ってホタテ料理を作ることに。
ホタテ貝はイエスの十二使徒の一人、聖ヤコブ(フランス語でサンジャック、スペイン語でサンチャゴ)のシンボル。
聖ヤコブは、イスラエルのガリラヤの漁師の家に生まれ、44年頃にキリスト教迫害のために斬首された最初の殉教者です。
彼の遺骨が祀られているスペイン・ガリシア地方にある聖地、サンティアゴ・デ・コンポステーラ(エルサレム、ローマと並ぶカトリックの三大聖地)の大聖堂には、多くの巡礼者が訪れます。
いくつかのルートがあるそうですが、その地を目指して行う聖地巡礼を今年5月に日本からの友人たちが行うということで宿泊先のアレンジ等をお手伝いしていたのですが、コロナで中止になりました。随分前から入念に企画されていた巡礼ツアーだったので本当に残念でした。
そんなことを思い出しながらお刺身用ホタテ貝をBordier(ボルディエ)の海藻バターでソテー。

ところで、そもそもなぜホタテが聖ヤコブのシンボルになったのか?と、ちょっと調べてみたところ諸説ありました。
聖ヤコブが漁師の家の生まれで、この貝を紋章としていたから説、
(ありそうな説だな)
海に落ちた騎士が聖ヤコブに祈ったところ助かり、海から上がると体じゅうにホタテ貝がびっしりついていた説、
(ホタテマン。。想像するとちょっとホラーな絵かも…)
聖ヤコブの遺骸を運んだ船の船底にホタテ貝がこびりついていたから説、
(ヨットやクルーザーを所有すると船底に貝類がこびりつくので、そのメンテナンスは大変!)
聖ヤコブが布教中に持っていた杖にホタテ貝が付いていたから説、
巡礼者が食器代わりに使用していたから説、
女性の生殖と豊穣のシンボルであるため巡礼者は目的地に着くと新しい自分に生まれ変わる、再生を表すという説等々。
色々な説があって面白いです。
食欲をそそる香りを漂わせたバターソテーをつまみ食いをしたいところを我慢。
今回は別途、カブのクリームスープを作りまして、
ソテーしたホタテに注ぎ、スペインオリーブオイル“ORO BAILEN”(オロバイレン)を。
このオリーブオイルがあるとないとじゃ香りとコクまろ度に違いが歴然。
仕上げに薫香トリュフパウダーを振りかけてボナペティ。
これからトリュフも美味しい季節だね!な話をしながら、パリを想いながら、美味しくいただきました。
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パリの1枚。
美術館のお土産コーナーで買ったミニトートは、大きなバッグのBag in Bag用。
でも最近持ち歩くバッグが小さいので使えず…。
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