Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

ハドリアヌスの別荘"Villa Adriana" (ヴィラ・アドリアーナ)

ローマバカンスブログです☆

ローマから東へ約30キロのところにあるTivoli(ティボリ)へ出掛けました。

目指したのは世界遺産に登録されてる"Villa Adriana"(ヴィラ・アドリアーナ)遺跡を訪れるため。

「で、まだですか?」

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駐車場に車を止めてからチケット売り場、遺跡の入り口までわりと距離があります。

そんな長すぎるエントランスも遺跡の敷地。

こんな広大な敷地をプライベートな別荘にしていたのが第14代ローマ皇帝・

Hadrianus(ハドリアヌス/アドリアヌス帝)

映画「テルマエ・ロマエ」で市村正親さんが演じていた人です!(濃いな・・・)

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ようやく到着したチケット売り場でまずは敷地内の模型で今回歩くルート確認。

広過ぎてカメラに収まらない・・・。

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では、古代ローマ時代へ参りましょ~!

な気持ちで歩き始めると、まずは城壁.綺麗に残ってます。

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城壁をくぐると、そこには大きな池と小高い丘の方に向かって点在する遺跡の数々。

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我々夫婦二人でガイドブックだけではちゃんと見れないと思ったので、今回は

ローマ在住30年の遺跡好きな日本人N氏と一緒に訪れました。

N 「はい、まずコレ見て。柱を支えていた台の跡ですが、ほら、溝が掘られているでしょ。」

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N 「この溝に鉛を流して柱をしっかり固定したんですよ。世界一古い耐震構造です。」

K 「なるほど・・・。このあたりも昔から地震があったのですね。」

 

お堀がステキが遺跡がありました☆

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こういった比較的綺麗に残っている遺跡には名称付きで説明があったので、

記録用に撮影していると、

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N  「こちらにはTEATROという名称がついてますが、それは最初に発掘した人がつけた名称。

今日の研究ではその多くが間違っていることがわかっています。

このお堀の遺跡は、teatro(劇場)ではなく、ハドリアヌス帝が彼氏と一緒にしけこんだ場所です。

お堀の橋をあげてしまうと誰も近づけません。」

K 「彼氏?ハドリアヌスは・・・」

N 「はい、おもいきりゲイです。」

K 「奥さんいましたよね?」

N 「同じこの敷地内に住まわせていましたが、それはとても離れた丘の上で全く顔を合わせずに

生活できました、この広さですから。」

たしかに別荘というより集落、一つの村、町のよう。建築物もとても多い。

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ハドリアヌス帝はゲイだったのか・・・。

西暦2世紀のローマ帝国が周辺国をどんどん征服していく過程で戦争を繰り返していた時代、

戦地暮らしが長かったハドリアスヌなので、まぁ納得。

 

これは、トイレの遺跡。水洗です。

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こちらもHOSPITALIAとありますが、やはり調べたら病院ではなかったのだそう。

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というのも、この綺麗に残っているモザイクを見て!

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いくつかの小部屋に分かれているのですが、その部屋ごとに全てのモザイクが違うのです。

そもそももモザイクは手間のかかるの贅沢なもの。それを施した部屋に入れるヒトは

上流階級に限られます。

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という訳で、ここは今日の研究では身分の高い官僚クラスの人の部屋、または来賓が泊まる

ホテルのような場所だったのでは?という説が有力だそう。

 

そしてご存知のように古代ローマ人はお風呂好き♥

この敷地内にもいくつかのお風呂跡がありました。

中でもこちらは綺麗に残っていました。

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ここが排水口。

なるほど、ココからルシウス(阿部寛)は日本の銭湯にタイムスリップしたワケねぇぇなんて、

またまた「テルマエ・ロマエ」のワンシーンを思い出してしまった・・・。

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ここはサウナ。

古代ローマ人がお風呂好きだった理由の一つは、そこは重要な「社交の場」で、情報取集・交換に

欠かせない場所でもあったから。

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また、多くの建物が2層構造になっていてあちこちに地下につながる階段がありました。

この2層構造は"Villa Adriana" (ヴィラ・アドリアーナ)の特徴の一つ。

地下に暮らすのは奴隷たちでした。

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古代ローマでは、地上に暮らす上流階級、地下に暮らす奴隷はきっちり分けられ、けして

普段の生活の中で鉢合わせしないような建築構造だったそうです。

地下に暮らし、重労働を強いられた人のことを思うと、ちょっと気持ちはふさぎました。

 

ところで、遺跡を見る時に大事なのは想像力だそう。

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遺跡は断片的にしか残っていないわけですが、それを復元した形や、当時の様子を想像しながら

見ると遺跡巡りは楽しくなる、と。

そのためには、やっぱり沢山の本を読んだ方がいいな~と思いました。

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美しいもの、芸術を愛したハドリアヌス帝は大切な恋人Antinous(アンティノウス)をある日突然失います。

謎の包まれた美少年アンティノウスは、エジプトのナイル川で溺死(ワニに食べられた)。

彼の死を嘆いたハドリアヌスがナイル川を模して作ったのがこの池。

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周りには美しい彫刻を並べてますが全てレプリカで本物は、この池近くの建物の中に

展示されています。(館内撮影禁止)

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館内には光を受けると青緑に光る大きな大理石のワニ(アンティノウスを食べたワニ・・・)

の像もありました・・・。

アンティノウスが亡くなったのは18歳ぐらいだったと推定されいますが、その死については

暗殺、自殺、ハドリアヌス自身が殺した、などなど昔から謎に包まれたまま。

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ハドリアヌスはアンティノウスの死をひどく悼み、彼を神格化し建築物や芸術品をたくさん作っています。

愛していたんですね・・・。

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という訳で古代ローマ帝国の五賢帝の一人、ハドリアヌス帝の豪華な別荘跡を巡りました。

自分たちだけでは効率よく見てまわることができなかったと思うので、Nさんに一緒にまわって

もらって、わかりやすく説明もしてもらって助かりました☆

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おまけは、Belle et Bonne 

 

<INFO>

Villa Adriana(ヴィラ・アドリアーナ)

http://www.villa-adriana.net/

KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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