パリの子ども事情

子ども3人+ニャンコと初めての旅。プチ事件は行きの列車で起こった!

春休み突入のパリの子どもたちです。
なぜ"フランスの子どもたち"と言わないかと言うと、春休みは3ゾーンに分けてヴァカンスの日にちがずれているのです。移動手段、ヴァカンス地などなど、混雑を避けるためとも言われています。

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パリの子ども達はゾーンCで、4月18日(土)〜5月3日(日)までが今年の春休みです。
その第1週に、ノルマンディ地方のトゥルーヴィル(ドーヴィルの隣町)のお友達の家へ行くことになりました。
ちなみに友達家族はゾーンAなので、ゾーンCより1週間早い春休み。4月11日〜4月26日までの2週間です。
友達家族はこの春休みを利用して日本旅行。「誰もいないから使っていいよ」というお言葉に甘えました。

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引き潮の時は海の底を散歩できる、こんなビーチが待っています。

いつもは車で行くのですが、今回はパパがいないため子供3人と、なんとニャンコも連れて列車の旅。
はたして可能なのか?
長女12歳にどれだけの手助けをしてもらえるのか? 本当に7歳&9歳と共に列車の旅はできるのだろうか? 自分のことは自分ですること! 困っている人を助けること!など子どもたちと相談&確認しつつ......まずは慣れない列車のチケット予約。

長男はコンクール(基本夫が付き添い)でよく列車を使うので、年間パスを持っています。これを持っている子どもと旅をすると、4人まで割引になりま す。
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猫や犬の料金も掛かります。
「片道7€だけど、買わないで乗ると14€取られるから気を付けて。でも、小さいからただで良いよ、とか、乗務員によってアバウトな感じ」と、友達の助言。

直行便は2時間。
乗り継ぎでも2時間15分。
どうするべきか悩むところ......。
「酔いやすい子供とか、猫とか、いろいろいるし、でも差額が片道50€もするんだったらわたしなら頑張るかも?」
とか
「初めてのニャンコ連れの旅だし、いくら長女ちゃんが12歳だからって子供3人だし、直行便でしょ〜」
などと、いろいろな助言を聞き、ネットでいろいろなプロモーションを比較しながらチケットをなんとか予約しました。

直行便で往復、そしてニャンコチケットの往復購入。
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eチケットで買ったつもりが、操作ミスで駅やsncfの"窓口での発券"となってしまった! かなり面倒くさい。
それ以前に「1週間ぐらい予約状態にしておけるチケットがあるから、まずはそれを取っておいたら? そうしたら安いうちにチケット確保出来るし」 というアドバイスがあった。
しかし、わたしはネット上で予約システムを探せなかった。
が、結局この間違えてしまった上記の"窓口発券"がそれだったのだ。
良い経験。
そう、予約番号を窓口で告げて支払い、発券。
列車のチケットの価格は毎日のように変わる。
今回の直行便70€(片道)もわたしが予約する1週間前は50€だった。
くるくる変わる。

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子ども達は何度か列車の旅をしているが、ニャンコは初めての旅。
出発数日前から籠を出しておいて馴れさせた。
どんな猫も同じなのが面白い。荷作りをしていると必ずバッグの中に入って鎮座。

大人ひとりなので、何かと姉弟が助け合います。
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段差がなければコロコロと荷物を引けるけれど、メトロの階段がいちばんの難関。
長女がまずは自分の荷物を階段の下に運び、長男が荷物番をして待つ。
そして、階段を駆け上がり次女の荷物をまた運ぶ、というピストン移動。
わたしはニャンコの籠と貴重品担当なので、子どもたちがすべての荷物を運びます。

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初めてのメトロでも静かでした。

こんな移動なので、いつもより時間がかかる。
それを予測して早めに出たけれど、結構ギリギリ。
郊外電車の出る駅に到着したのは出発20分前。
だいたい15分前にどのホームから出発するかが知らされます。

駅に着いたらすぐにチケットをガッチャンしましょう!

これがまた、喧嘩の元なのです。
誰がやるか? みんなやりたがる。
往復あるので、役割を決めました。

長男はコンクールで列車に乗る事も多いので知った顔。
チケットのガッチャンの仕方も妹に教えていました。
2枚のチケットのうち1枚が入りづらく、裏返ししたり、いろいろやってガッチャン完了。

ホームの数字が出たのが出発13分前。
慌ただしく人々が大移動。
指定席なので急がなくても良いのに、と思うのですが、後から行くと知らない人が平気で座っていたりして、交渉が面倒。
スーツケースを置く場所も限られているので、やっぱり早めに乗車するのが良いようです。

今回はTGVではない長距離電車。
なんとコンパートメント。
私たちはこのタイプの方が好き。
8人掛けの個室です。

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列車の片側が廊下になっているので、座っているのに飽きた子どもたちが行ったり来たり。
窓が大きいので見晴らしも抜群です。

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風景を描きたくなった次女。

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音楽を聴きながら読書する長女。

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ニャンコもおとなしく、酔いもせず、ちょっとお昼寝も出来ました。

「なんだかワクワクする」と旅慣れた長男でも思う今回の列車の旅。
パパ無し、というのも大きいし、車では何回も行った事ある街へ列車で出かける。
しかもニャンコも一緒。
いつもと違う特別感でいっぱいです。
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そんなワクワクな列車の旅中盤。
ちょっとした事件が!

そう、乗車前にホームでガッチャンとしたはずの1枚(人間分)に印がついていなかった!
ちゃんと、できていなかったのです。
乗務員の女性は「20€の罰金を払って」というのでビックリ!
キセルした訳でもないのに、罰金?
「私たちはちゃんと機械に入れました。」
「猫のチケットには印がついているのに、なぜ人間のチケットには印がないのか?」
「私たちはチケットが入りづらかったので、何度も裏返したりいろいろしました。」
「早く20€払って!」
「だから私たちは機械にちゃんとチケットを入れました」
と押し問答。
同じコンパートメントにいたマダムが「私も彼女たちがチケットを入れているところを見ましたよ」と助け舟を出してくれた。
しかし、乗務員の女性は「払わないとポリスを呼びます」とかなり高飛車。
なぜ罰金なのか? 説明してもらった。
「このチケットは7日間の間なら払い戻しができるから」
では、到着駅に着いたら機械に入れます。と長女が交渉。
「出発駅でなければダメ」
では、このチケットをあなたにもう渡します。
それでいいですね? と渡すと、それには答えずに無視。
「!!!!????」この展開に子どもたちは震え上がり「私たちのお小遣いから20€を出すからママ払って!!!」と哀願。
「身分証明書を出しなさい!」と乗務員。
なんだか犯罪者になったような気分。
「今払わないのなら50€ですよ」
罰金を支払わない罰金......。
この50€は後日手紙と請求書が送られてきて、それに異論がある人は手紙を送り返す方法らしい。
乗り合わせた乗客もかなりあきれて「私なら今払わないわ、払ったお金は戻ってこなさそう。後で手紙を書けば済むでしょう」
隣の3歳男の子が「故障することはあるよ、だって機械だもん」と素敵なひと言。

というわけで、旅はこんな事件? 厄落とし? から始まりました。

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小さい子は強い!
気分変えよう! と、すぐにカードゲームで遊び始めました。
長女はちょっとセンシティブで「もう電車乗りたくない〜」と、うなだれていました。

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それでもやっぱり旅は楽しい!
というのが子どもたちの結論。
私もそう思います!

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8日間の滞在を終えて帰りは早めに駅に行き、確実にガッチャン! 印をきちんと確認して乗車しました。
が、パリに着く10分前になっても乗務員はチケットを確認しにきませんでした。
列車はパリ到着。
なんだか拍子抜け。
子どもたちもがっかり。
来たり来なかったりの乗務員、こんな感じだからキセルなどする人がたくさんいるのかな?

そんなこんなの列車の旅でしたが、我が家のニャンコは列車酔いもせず、帰り道ずっとスヤスヤ眠っていました。
あと残り1週間も、今度はパリで楽しみます。

松永麻衣子

パリ在住ジャーナリスト

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