パリから1時間半、ロワレ川沿いのおとぎの家
パリから電車で約1時間の距離にあるオルレアンの街の郊外にある、
昨年の夏にオープンした短期滞在用の一軒家。
少し前の話になりますが、この家で
昨年の秋、週末を過ごしました。
ロワレ川沿いにあるこの街で育ったアリスとエミールという姉弟によって
リノベーションされたこの家は、
元々は1889年のフランス万博でお披露目された、スイスの山小屋だそうです。
万博後、この山小屋が買い取られ、このロワール地方に移動され、
そして今から15年ほど前に彼らの母親が購入したことから、
アリス&エミールと、この"Le Chalet Olivet(ル・シャレ・オリヴェ)"の
物語は始まります。
私は元々彼らの両親と、フランスに移住する前からの友人で、
アリスとエミールのことは彼らが小さな子供の頃から知っていました。
母親であるヴァレリーが15年前に他界してしまったのですが、
その後この家は賃貸物件として貸し出しされていました。
長年住んでいた下宿人が昨年引っ越し
彼らの父親がこの家を手放そうと決めたことから、
母にとって思い入れがあったこの家を残しておきたいと、
姉弟がリノベーションしてこの家を蘇らせるアイデアを思いつき、
数ヶ月間の改装工事を経て
まるでおとぎ話に出てきそうな、それは素敵な家が誕生しました。
彼らの両親の家も、唯一無二のセンス溢れる素晴らしいお宅だったのですが
そのセンスや、フランスで"アールドヴィーヴル"と言われる生活美学は
しっかり子供たちに受け継がれているようで、内装や配色、
ちょっとした小物のひとつひとつを取っても
彼らの美学や拘りが家中に溢れています。
アリスはイベントのオーガナイズなどフード関係の仕事と並行して
テーブルウェアのブランド"Table(ターブル)"を運営しており、
また学生時代にはモデルとして活躍していたこともあり、
フード&ファッション業界ではちょっとした有名人。
そのせいもあって、ル・シャレ・オリヴェは改装中から話題で
オープン後は世界中から多くの人が週末を過ごしに訪れ、
またファッション関係の人々の撮影場所としても、広く利用されているそうです。
私たちが滞在していた週末
日曜日にはアリスとエミールが家まで遊びに来てくれ、
一緒にランチを食べて過ごしました。
レシピ本も出版しているアリスが作ってくれたピーカンナッツのケーキ、絶品でした。
彼らの母親であるヴァレリーは
私よりもずっと年上だったこともあり、よく気にかけてくれ、
私にとってのフランスのお姉さん的存在であったと同時に、
憧れ、尊敬する友でした。
寝室は彼女へのオマージュがテーマということで、アーティストであった彼女の作品や、彼女が集めていた小さなカゴのコレクションが飾られたりしています。
彼女は子供たちがまだ小さい頃に亡くなってしまったのですが、
年月が経ち、私が、彼女が亡くなった時の年齢になりました。
そんな年にこの家がオープンし、私の家族と大切な友人たちと、
彼女の面影を感じながら過ごした週末。
これからもきっと忘れることはない、印象深い3日間でした。
この時は冬の到来を感じる、雨が多い週末でしたが、
過ごしやすい初夏にまた訪れられたらいいなと思っています。
パリから電車とバスで、1時間半ほどで行ける距離にありながら、
フランスの地方ののんびりした雰囲気をしっかりと感じ、
また、美しいものに囲まれて非日常の空気に浸れる、ル・シャレ・オリヴェ。
パリやフランスに少し長く滞在されることがありましたら、
あるいはフランスにお住まいでしたら、ぜひご利用になってみて下さい♡
Le Chalet Olivet:
https://www.lechaletolivet.com/
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トリコロル・パリ : "12ヶ月のパリジェンヌ"
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