花で紡ぐパリの日常。

ハーブのスマッジスティック作り。

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「香り」の季節がやってきました。
これから、ハーブが旬を迎えます。旬の草花が持つ生命力は芳香となって空間に放たれ、私たちを包み、心を満たしてくれます。

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また、年中手に入るバラも、実は初夏と秋が旬。バラと、ゼラニウムやハーブを束ねたブーケは、初夏から夏にかけてこそ本領を発揮する花合わせです。今の時期にフラワーレッスンをするとき、特に「お花初めて」の方には、まずは五感で花の魅力に触れていただきたくて、よくこの組み合わせで花材を用意します。

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ハーブは葉を擦るとさらに香りが立ち、指にフレッシュな香りが残ります。乾燥させたオレガノやマジョラムなどは料理に、カモミールはハーブティーにも使えますし、ミントはちぎって炭酸水とレモンを合わせれば、手軽なヴァージンモヒートに。
暑くなってくると花を買うことを敬遠しがちな方も多いかもしれませんが、五感のうち、視覚だけでなく、嗅覚や触覚、味覚でも楽しむことができる、最高の季節の到来です。

いろいろな楽しみ方で暮らしに取り入れることのできるハーブですが、その楽しみ方の一つが、スマッジスティック。
簡単に言えばハーブ(ホワイトセージを使うことが多い)をスティック状に束ね、乾燥させたもので、焚いて、空間のリフレッシュに使います。
キャンドルのように長い時間燃焼するわけではなく、炎はすぐに消えて、煙がスッと立ち上る、100パーセント天然のインセンス(お香)のようなもので、フランスなどヨーロッパでは引っ越し祝いに贈られることも多いです。
ハーブの香りは気分転換のスイッチがわりにもちょうどいいので、この季節にはよく、まとめて何本か作っておきます。
本来はパロサント(香木)やホワイトセージを使うことが多いですが、もっと気軽に楽しむなら、手に入りやすい、好きな香りのハーブを集めて束ねるのも面白いです。

この日の朝、市場で手に入ったのは、ハーブの生産者さんから届いたローズマリー、オレガノ、スペアミント、カモミール。

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作り方は簡単。乾燥しても香りが強く残り、しっかりとした茎のもの(ローズマリーやセージがおすすめです。)を芯にして、好きなハーブを重ねていきます。

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スティック状に重ねたら、凧糸で巻き上げるだけ。湿気があると上手に乾燥しきらないので、風通しの良いところに吊るしたり、お皿やザルの上に載せたりして、二週間ほど置いてしっかり乾燥させれば、出来上がりです。(環境によって乾燥の進み具合は違うので、様子を見ながら。)

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個人の好みによりますが、きちんとまとめすぎず、少しはみ出してちょっとワイルドに作っても。それも、手作りならではの楽しさです。

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兜町の人気レストランNekiさんで、友人たちと即興のミニワークショップをしました。(シェフの西さん、いつも素敵な笑顔で受け入れてくださってありがとうございます。)Nekiではハーブティーに使った後のハーブを乾燥させて、ポプリにしてお皿に。素敵なプレゼンテーションでした。

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ハーブだけで作るスマッジスティックは、市販のキャンドルやインセンスにはない、自然な香りや佇まいが愛おしく、心が休まります。また、植物に触れていると、気がつけば無心になり、デトックスのような感覚を味わうことができるはず。
簡単にできるので、家で過ごす休日にぜひ、作ってみていただきたいです。

守屋百合香

フラワースタイリスト
パリのフローリストでの研修、インテリアショップ勤務を経て、独立。東京とパリを行き来しながら活動する。パリコレ装花をはじめとした空間装飾、撮影やショーピースのスタイリング、オンラインショップ、レッスン、コラム執筆などを行う。
Instagram:@maisonlouparis
www.maisonlouparis.com

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