ユニクロ、日本にもあると言わないで。マレ地区の新しいブティックはパリの新名所!?
Paris 2014.04.23
大村真理子の今週のPARIS
ユニクロは日本でもすでに800以上もの販売場所があるそうだ。パリに行っても、わざわざユニクロのブティックに行く必要はない! と思う人もいるだろう。でも、4月25日にオープンするマレ店は、日本では絶対に見ることのできない一見に価するスペース。マレ地区の目抜き通りともいえるフラン・ブルジョワ通りの中程と便利な場所なので、ぜひ覗いてみて!

古い歴史を擁するユニクロのマレ店。4月25日11時の開店を目指して、工事中だ。photo: Mariko OMURA
820平米もあるというこのブティック。何ともユニークなのは。店内中央にそびえ立つ35メートルのレンガの煙突だ。それに、地下フロアーには巨大な機械が置かれ......。歴史あるパリ市内なので、新たにスペースを入手するということは、かつて何かだった場所を改造して、ということになる。ユニクロが目をつけたのは、工場の跡地。それにしても、こんな煙突が必要というのはどんな工場だったのだろう。調べてみたら面白い仕事があるもんだ! ということがわかった。19世紀半ば、 マレ地区の金銀宝飾アトリエで宝石製造の過程において生じる屑粉などや道具を集め、金や銀を回収する工場が設立されたそうだ。そうして集められた金銀を溶かし、再利用して......ということが、ここで行われていた。日本では得られない珍しい歴史が、ユニクロのブティック内で生き続けることになる。通りに面した石の建物の正面上部を眺めると、しっかりと過去が刻まれているのを読むことができる。

(左)創業年を刻んだ建物の正面。(右)中に入ると、広大なブティック内に35メートルの煙突がにょき!! photos:Mariko OMURA
オープンに先だって、ユニクロの「ライフウェア」の2014~15年秋冬コレクションの発表が未来のブティック内で開催された。おしゃべりしたり、ぼーっとしていたりと、日常を感じさせるカジュアルなポーズのモデルたち。もちろん、初の春夏コレクションが大きな話題を呼んだイネス・ドゥ・ラ・フレサンジュの新作も。気取りのない、それでいてパリの小粋さがふんだんに盛り込まれた新コレクションは、とてもチャーミング。これもまた販売開始日には行列が出来そう! ......といっても、あいにくと、まだ先のことだけど。

(左)イネス・ドゥ・ラ・フレサンジュによる秋冬コレクション。 (中)イネス。煙突を背景にポーズ。 (右)新しいブティックの1階から2階にかけての階段を満たすのは、ユニクロのライフウエア秋冬コレクションに身を包んだモデルたち。photos:Uniqlo

進化を続ける「ライフウェア」。ヒートテックは以前より椿油が多く使われてより良い肌触りに、メリノウールは毛玉ができにくい改良がなされ......着る身にはうれしいことばかり。pohtos:Mariko OMURA

この開店を祝うべく、パリジャン4名がマレ地区を代表するアンバサダーに選ばれた。左から、エレクトロのレーベルをおこしたブロンディンスキー、女優のジェラルディン・ナカシュ、Canal plus局でプレゼンテーターを務めるムールー・アシュール、ショーの音楽も担当する人気女性DJのイネス・メリア。photos:Uniqlo
39, rue des Francs Bourgeois
75004 Paris