バンコクでの滞在で、時間に少しでも余裕があれば、つい足を運びたくなるのが、パーククローン市場。一昨年、チャオプラヤー川沿いに誕生したショッピングモール「ヨート・ピマーン・リバー・ウォーク」のすぐ裏手。チャプラヤー川へと流れ込む運河(クローン)の入り口(パーク)にある、タイ最大級の花市場です。


パーククローン市場は、およそ200年前にバンコクが首都に定められた頃より、さらに前からあるといわれる長い歴史を持つ市場。野菜や果物、肉なども売られていますが、フワラーマーケットとも呼ばれ、歩いて楽しいのは、市場の外にある通り。通路に面した花屋や露天の店に、ぎっしりと数多くの花、花、花! が売られています。
通りは、うっとりするようなジャスミンの香りでいっぱい。
とくに目につくのは、専門の露天でその場で作って売られている「プアン・マーライ」。ジャスミンなどの花を、数珠状に編み上げた花輪です。針金に素早くジャスミンのつぼみを通し、糸で繋げて花輪にする様子は、熟練の技。新鮮さを保つために、氷を敷いて売っている店もあります。
プアン・マーライは、家にある精霊(ピー)を祀る祠やお寺に供えるほか、感謝や歓迎の気持ちを表すときにも使われるとか。


タイ全土から花が集まる市場内には、いろいろな花が並びます。お供えにしたり部屋の飾りにしたりするハス。山吹色のマリーゴールドの花輪は、主にヒンズー系の神様へのお供えに用いられます。赤いバラは、若い女性が恋の願いを叶えないときにプラ・トリムルティという女神に備えるのだとか。
基本は、卸売りですが、小売もOK。プアンマーライは、小さいもので15バーツ(約50円)ほど、バラは、1束20〜30バーツ(約70〜100円)と、とってもお得。ホテルの部屋に飾ったり、バスルームで心おきなくバラのお風呂を楽しんでみるのも素敵(笑)。お風呂用にバラの花びらだけ販売している店もあります。
1日中じゅう開いているパーククローン市場ですが、新鮮な花々がまだ多く並んでいる午前中早めの時間がオススメ。市場が再開発される、という噂もあるので、まだ行っていない人は、一度見ておいてはいかが?
Chak Phet Road, the Memorial Bridge
営)24時間営業
※タクシーで、パーククローンタラー、または、フラワーマーケットへ、と伝える

Michiyo Tsubota
旅エディター・ライター
編集・広告プロダクション勤務を経て、フリーランス。女性誌や旅行誌を中心に、旅の記事の企画、取材や執筆を手がける。海外渡航歴は70カ国余り。得意分野は自然豊かなリゾート、伝統文化の色濃く残る街、スパ、温泉など。