アジア&オセアニア地域で、このところ人気のディスティネーションが、フィジー共和国。
日本からフィジー・エアウェイズで到着するナンディ国際空港があるのは、フィジーでいちばん大きな島、ビチレブ島。ビチレブ島にも素敵なリゾートはありますが、個人的におすすめしたいのは、離島への旅。離島でのんびりとローカルな村を訪ねるのも、フィジーならではの旅のおもしろさです。
19人乗りの小型飛行機 DHCツイン・オッター機に乗って、約90分。フィジーの中でも、緑濃い景観が広がるタベウニ島に到着。さらに、そこからボートで辿りつくのが、ガメア島。画家ゴーギャンも滞在し、絵筆を取ったとされる小さくて美しい島です。
「ガメア リゾート&スパ フィジー」は、ビーチ沿いに17室のみのヴィラが立ち並ぶ密やかなリゾート。ボートからは、シューズを脱いで素足で白砂のビーチへと上陸します。
「ブラ(こんにちは)!」
と、屈託のない笑顔で迎えてくれるマネージャーやスタッフたち。温もりと愛嬌のあるホスピタリティは、フィジーならでは。
5ツ星に評価されるリゾートですが、施設はすべて簡素な平屋造り。戸建てのブレ(フィジーの伝統的なヴィラ)は、芝生が広がる敷地に点在しています。草で葺いた屋根や、森に溶け込むようなランドスケープなど、あえて素朴な造りによく考えられ、手入れがなされたリゾートでは、とても満たされた贅沢な気持ちになれます。
ジャングルの中にあるプールやスパも、ちょっとワイルドなところが魅力的。フィジー人の村にいる気分で、のんびりとした滞在ができます。ディナーの際には、近くの村人が訪れて、伝統儀式や踊りを披露してくれることも。
海や森でのアクティビティも楽しめますが、ここで必ず体験したいのは、フィジアンの村を訪ねるヴィレッジツアー。小さなボートに乗って、ジャングルに囲まれたワイブル村を訪ねます。
「ブラ!」「ブラ!」
ここでも、村人たちが、笑顔でお出迎え。村長から子どもたちまで、みんなが集会所に集まって、拍手とギターと歌でもてなしてくれます。フィジー伝統の訪問者を迎える歓迎の儀式です。
セレモニーの中では、カヴァの儀式も執り行われます。ヤンゴーナと呼ばれる胡椒科の木の根を乾燥させ、砕いて粉末にしたものを、水で濡らして汁を絞り出したものが、カヴァ。
ココナッツのうつわに入ったカヴァを進められたら、二度ほど拍手をしてから「ヴィナカ(ありがとう)」と答えて、口にします。飲むと、ちょっとピリピリするような苦味のある独特の風味。アルコール分は含まれていませんが、なんとなく酔ったような気分に。
そして、最後には、もちろんみんなで一緒にダンスタイム。
村人の暮らしにちょっとおじゃまする気分で、村の中を気ままに散歩するのも素敵な時間です。
PA Matei, Tavenui, Fiji Islands
tel:+679-888-0220
全17室 ビーチフロントブレ US$1059~
www.qamea.com
Michiyo Tsubota
旅エディター・ライター
編集・広告プロダクション勤務を経て、フリーランス。女性誌や旅行誌を中心に、旅の記事の企画、取材や執筆を手がける。海外渡航歴は70カ国余り。得意分野は自然豊かなリゾート、伝統文化の色濃く残る街、スパ、温泉など。