第41回カルポー・ダンス賞はイネス・マッキントッシュとエンゾ・ソガールに。

シルヴィ・ギエムは1984年、ジョゼ・マルティネス現芸術監督は1992年に、マチアス・エイマンは2007年、ギヨーム・ディオップは2021年......というように、セルクル・カルポー・ダンス賞の1982年からの受賞者リストは実に華やかだ。この賞はパリ・オペラ座の24才以下のコール・ド・バレエのダンサーを対象にしたもの。受賞者の半分以上がその後エトワールに任命されている。

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授賞式にて。左からジョゼ・マルティネス芸術監督、イネス・マッキントッシュ、エンゾ・ソガール、Cercle Carpeaux会長カトリーヌ・ドゥ・ピモダン。photo:Mariko Omura

第41回目の受賞者はイネス・マッキントッシュ(プルミエール・ダンスーズ)とエンゾ・ソガール(コリフェ)で、その受賞セレモニーが1月29日にオペラ・ガルニエ内で開催された。イネスは今年1月1日からプルミエール・ダンスーズだが、賞の選考がセルクル・カルポー内で行われた時はスジェだった。授賞式でジョゼ・マルティネス芸術監督が彼女を"僕が最初に(プルミエール)に任命したプルミエール・ダンスーズがイネスです"と紹介したように、昨年のコンクールではスジェの階級は参加せず、任命方式をとることが実験的に行われ、その結果11月に彼女の任命が発表されたのである。彼女のバレエ団での活躍は目覚ましく、スジェ時代に年末公演の『くるみ割り人形』の主役に配役されたほどで、見事なステージをポール・マルクと作り上げた。また、今シーズンの初めに開催されたエクサン・プロヴァンス・ツアーでは『グラン・パ・ドゥ・ドゥ』をギヨーム・ディオップをパートナーに堂々と踊っている。陶製のお人形といった風情の彼女。ダイナミックなテクニックと優美さが共存するダンサーだ。

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左: イネス・マッキントッシュ(プルミエール・ダンスーズ)。2013年パリ・オペラ座バレエ学校入学、2019年入団、2021年コリフェ昇級、2022年スジェ昇級、2024年プルミエール・ダンスーズ。 右: マルティネス芸術監督はスピーチで、彼女の熱心な稽古ぶりとダンスへの情熱をたたえた。photos:(左)Julien Benhamou/ OnP、(右)Mariko Omura

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ジェローム・ロビンス『En sol』にて。左がイネス・マッキントッシュ。photo:Svetlana Loboff/ OnP

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『くるみ割り人形』より。photos Agathe Poupouney/ OnP

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カドリーユ時代にヌレエフ作品の主役を踊り話題を呼んだのはギヨーム・ディオップだが、エンゾ・ソガールもまたカドリーユ時代に注目を浴びるステージを披露している。それは2023年5月のオペラ・バスティーユでの公演『モーリス・ベジャール』で『さすらう若者の歌』の赤い男役でのことだ。ベジャール作品のリハーサル・コーチとして招かれたメイナ・ギールグッドがクラスレッスンを見学した際に彼を見いだし、ユーゴ・マルシャン、オードリック・ベザールと同じ役に彼を抜擢したのである。彼は観客に催眠術でもかけるのではないかと思わせるような恐ろしいほどの眼力で、ステージ上で不思議な力を放ったのだ。技術面でも瞠目させるものを持つ彼。公開クラスレッスンで見せるきれいな回転、高いジャンプは目を奪う素晴らしさである。昨年11月のコンクールでモーリス・ベジャールの『火の鳥』を自由曲に選び、コリフェへの昇級を決めた。オペラ座バレエ団のレパートリー中、彼の強烈な個性はどんな作品で光ることができるのか。彼からは目を離さないでいよう。

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左: エンゾ・ソガール(コリフェ )。グラン・カナリー出身。2015年オペラ座バレエ学校入学、2020年入団、2023年コリフェ。 右: 受賞のスピーチで会場のママにも感謝のことばを。マルティネス芸術監督は"何か特別なものを持っている"と彼を表現する一方で、「彼は仕事にもっと集中するべきである」とも。photos:(左)Julien Benhamou/ OnP

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モーリス・ベジャール『さすらう若者の歌』より。青い男役はアントワーヌ・キルシェール。photos:Julien Benhamou/OnP

editing: Mariko Omura

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