歴史薫るブランパバン、
世界遺産の古都に誕生した'アマン'
「AMANTAKA(アマンタカ)」ルアンパバン/ラオス
ホテルへBon Voyage 2009.08.14
東南アジアへの旅のデスティネーションとして、今、最も注目され始めたラオス。東アジア唯一の内陸国として海に面しておらず、古都である観光の町ルアンパバンは、メコン川とその支流ナムカーン川に挟まれた緑豊かな地。またラオスの旧王国の古都として栄えた町ゆえ、今もまだ当時の面影をそのままに残し、32もの寺院や旧王国の王宮、植民地時代の風情ある町並みを'保護する'ために、1995年、ユネスコは世界遺産として登録し保護されているのです。
実際に訪れてみると、想像以上に歴史香残る古い町並みに驚かされました。ゆったりとした時間が流れ、賑わうメインストリートでさえ静寂感が漂う不思議な雰囲気に魅了されてしまいました。
(左)ユネスコ世界文化遺産になっている旧市街、古い建物が連なり観光客が絶えない(右)町の人気のフェ・レストラン
仏教を信じるラオスの民は穏やかで慈悲深く、誰もがとても親切で優しい。そのお陰か治安も良く旅のし易い環境にあり、ヨーロッパからの旅人の中には一人旅の女性も多く見かけます。また、町のここそこに由緒ある名刹が点在し、オレンジ色の袈裟を着た修行僧を多く見かけます。托鉢もラオス全国で行われているといいますが、この町では、早朝、旅人が托鉢に参加している姿を良く見かけます。
町のシンボルでもある名刹、1560年に建立のワットシェントーンはルアンパバン様式
そんなルアンパバンの旧市街の片隅に、09年7月、世界的なリゾートのひとつであるアマンリゾートがオープンしました。名前は「アマンタカ」といい、'平和な仏陀の教え'
を意味しているといいます。アマンタカの建物はフランス植民地時代のものであり、かつてルアンプラバンの州立病院だったそう。2005年に町の郊外に病院が新築され、その後まもなく、アマンリゾートが15棟の建物が建つ敷地を手に入れたとのこと。そのうちの9棟がユネスコの世界遺産によって保護されているため、既存建築物は慎重に修復が施され、新築の棟はユネスコ条約にしたがって建築されたといいます。
丘の上から見るアマンタカの全貌、中央にオレンジ色の屋根が連なる
そんな品格と歴史に彩られたアマンタカは、実際に、他のアマンリゾート同様、広々とした客室と贅沢なリビングエリア、バスルームからなり、施設内でゆったりと過ごせるよう造られています。スウィートの数は全部で24室。客室は中庭のメインプールと庭を囲むように造られ、その他にはスパ、ライブラリィ、ジム、ヨガスタジオなどもあります。
(右)メイン・エントランスに続くリビングエリア。(左)コートヤードからプールを通して見るアマンタカのレセプション棟
天井の高いベッドルーム
(左)アマンタカ流・アジアン朝食「コンジー」(右)エントランス前に置かれたレンタサイクル、奥の建物はブティック棟
また、どのアマンリゾートにも言えることですが、地域の歴史や環境を重んじることから、ブランパバンでも幾つものエクスカーションやアクティビティが提案されています。
歴史ある貴重な寺めぐりも興味深いですが、他にジャングルツアー、エレファントライディング、カヤックなど数多くあります。また特にメコン川を1時間半近く上り、メコン川とナムウー川の合流地点にある洞窟'パークウー洞窟'まで行くエクスカーションは印象的です。高く切り立った崖に洞窟が彫られ、合計すると大小4000もの仏像が置かれている2カ所の洞穴を訪ねるのですが、一般道は無く、ボートでしか近づけない状況には数々の隠れた歴史的逸話が伝えられているとか。
パークウー洞窟。メコン川を上ること25km。洞窟が2ヶ所、4000体以上の仏像が置かれている
町を散策すると、まだまだガイドブックには載らない不思議がたくさん隠れていそうなブランパバン。アマンタカのホスピタリティと同様に、'また行きたい'と思わせる魅力がたくさん詰まった町でした。(K.S)
AMANTAKA(アマンタカ)
55/3、Kingkitsarath Road, Ban Thangchaleun,
Luang Prabang, Lao PDR
☏+856-71-860-333 Fax +856-71-860-335
予約/(KDDI)001-010-800-2255-2626
(24時間国際フリーダイヤル)
http://www.amanresorts.com
部屋数/24室
室料/US.$400~1200(シーズン料金あり、税サ別、空港送迎含む)
アクセス/ルアンプラバン国際空港から車で約10分。
ルアンプラバンへはバンコク、ハノイ、中国各都市から運行。

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com