おとぎの宿 米屋 福島県須賀川にリニューアルした、次世代の温泉旅館!

文/せきねきょうこ

福島県の須賀川温泉「おとぎの宿 米屋(全18室)」が、近い将来の世代交代を踏まえてスタイリッシュな客室を造り、リニューアルオープンとなりました。

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新緑がそろそろ美しさを増す宿の前景。紅葉も雪景色もしいが、新緑の時期は最も活力があふれ、景色に瑞々しさを感じる。photo: おとぎの宿米屋

効能あらたかな自家源泉掛け流しの良質な温泉と、安心安全で心のこもった美味しい料理、つかず離れず、自然で温かなもてなしもこの宿の魅力です。帰路の度に再訪したくなる温泉旅館の代表格でもあり、その旅館の「別館」が斬新なリニューアルを遂げ、“プライベートスイートルーム”を造りました。

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「ラウンジ」と呼ぶロビーエリアの一画。この階には奥にダイニング、ショップ、スパ、大浴場などがある。さらに新しくなった別館「プライベートスイートルーム」へと繋がる長い廊下へと続く。photo: おとぎの宿米屋

リニューアルオープンは2021年11月18日。別館にあった11室が新しく6室となり「離れ88」(はなれ はちじゅうはち)として、それぞれに設えの違う贅沢な客室となっています。この6室は、自然界にとって大切な6つの要素【水・太陽・雲・土・風・虫】をモチーフにし、家具やファブリック、内装にそれぞれの彩りとして配されています。

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別館の一部屋、「東雲(しののめ)」の「882」号室。ガラス張りの大きな窓は自然との一体感が大きい。photo: おとぎの宿米屋

ゆったりとした大きさ(デッキを含めて70~80㎡)の客室は、デッキに温泉露天風呂が設置され、また内風呂には檜風呂も備わっています。そしてモダンなデザインの客室はすっきりとミニマルな印象です。本館にはこれまでと同じく温泉風呂付の客室が揃い、リピーターも多く、居心地の良い客室として人気を保っています。

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別館の一部屋、「虫襖(むしあお)」の「887」号室。露天風呂は森の中の展望風呂。星空もロマンを感じるが、朝陽を受けながらの露天風呂は爽快。

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春の花見露天、初夏の新緑、秋の紅葉など森林浴が快適な露天風呂「花」の夜景。他にもうひとつ、岩風呂と檜葉風呂の露天風呂「月」も。photo: おとぎの宿米屋

温泉は無色透明、無臭の須賀川温泉(アルカリ性単純温泉)として、神経痛、筋肉痛、関節のこわばりなどの優れた効能で知られています。飲泉もあり、源泉は51.6度。豊富な湯量の温泉が空気に触れて泉質を損なわないよう、宿では風呂への注ぎ口にも工夫をするなど細やかな対応が施され、温泉を大切にしてきた宿の思いが滞在客にもしっかりと伝わっているのでしょう。

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湧き出る源泉をそのまま空気に触れさせず掛け流す、こだわりの美肌の湯。photo: おとぎの宿米屋

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「離れ88」滞在のゲストに向けた春の“88おとぎ会席”の煮物。無農薬、有機食材を使う安心な食材。しっかりと旬の食材の味が楽しめる一皿。photo: おとぎの宿米屋

そして環境に優しい宿として配慮を続ける「おとぎの宿 米屋」の自慢は、温泉の他にもうひとつ。無農薬、有機栽培の野菜など、オーガニック食材に厳しくこだわり、健康的でフレッシュ、美味しい食事の提供が続いています。

2016年からの4年間は「BIO HOTEL」の認証を取得し、ガイドラインに沿って安心・安全な野菜類や、加工品の90%以上を使用するまでになりました。近年はタイトルだけにこだわらず、近くの生産農家と直接触れ合い、新鮮で安全なものをこれまで同様、またはこれまで以上に供給したいと、自分たちで生産者を訪れて交流を深めていると言います。

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同じく春“88おとぎ会席”の主菜は柔らかい赤身の肉。桜のチップで燻製された香り豊かな牛肉料理。photo: おとぎの宿米屋

さらに「離れ88」の6室の滞在者には、通常の「おとぎ会席」をグレードアップしたスィートルームらしい料理が提供されます。その特別な料理はいずれも夢のあるおとぎ話のストーリーが含まれ、ひと皿ごとに季節感をたっぷりと満喫できるのです。料理を目的に訪れるリピーターが多いと聞いても納得です。

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「自然のふところに身を置いて自然と同調する」と謳う、その別館へと通じる暖簾。この暖簾をくぐると再生された別世界「離れ88」の「プライベートスイートルーム」へと長い廊下が続く。photo: おとぎの宿米屋

家族経営の温泉旅館として、リニューアル前まで経営に携わってきた社長と女将夫妻はフロントラインからやや退き、現在は、美男美女の若さあふれる子息・息女にバトンタッチ。隠れ宿的な温泉旅館ですが、こうして次世代にしっかりと継がれる温泉旅館には、私のように何度となく訪れるゲストが、素晴らしい温泉、美味しい自然食、そして安心感を求めて訪れているのです。

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中庭には豊富なお湯から「足湯」が造られ、ここには飲泉が楽しめる施設も。photo: おとぎの宿米屋

須賀川温泉 おとぎの宿 米屋
福島県須賀川市岩渕字笠木168-2
Tel:0248-62-7200
http://e-yoneya.com

Kyoko Sekine

ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。

http://www.kyokosekine.com

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