1 Hotel Central Park ニューヨークのアーバンリトリートは、環境にも優しい"都会のオアシス"。
ホテルへBon Voyage 2022.12.29
コロナ禍に空を飛べないもどかしさを我慢して3年半。久しぶりに大空を飛んだ先は、世界屈指の大都会ニューヨークでした。目指したホテルは、街の中心となるマンハッタン地区に建つ「1 ホテル セントラル パーク」。7年前に開業したというこのホテルは、セントラルパークまで徒歩3分、カーネギーホールからは徒歩4分、そして近代美術館も徒歩で6~7分、ロックフェラーセンターにも近く、また観光客の誰もが訪れるタイムズスクエアまでも1.3㎞という恵まれた環境にあります。
マンハッタンの中心街、58番街の角に立つホテルの外壁は3階までが緑に覆われている。1階にはカフェ・ダイニング、2階はパブリックスペースでソーホーとして利用。photography : 1 Hotel Central Park
ブティック型ホテルとも言われますが、意外に部屋数は多く229室(内22室がスイート)。カテゴリーは5ツ星で、気取らないサービスと温かなスタッフの対応がとても快適なホテルでした。タクシーでホテルに到着すると、まずはその外観に目が留まりました。1階から3階までがしっかりと緑に覆われ、エントランス周りにも観葉植物が飾られ、まるで園芸店と見紛う雰囲気です。
ロビーの一部。天井からも植物が吊るされ周辺にも多くの植物が置かれ緑の中で過ごせる。photography : 1 Hotel Central Park
そしてエントランスを入ると、驚きは頂点に達しました。どこもかしこも緑、緑……。高層ビルの並ぶマンハッタン、コンクリートジャングルの大都会においてこれは心休まるうれしい世界観でした。またこのホテルは、たとえばLEED SURTIFIED(世界レベルのエコラベル)認証取得やCarbon Offset(排出される温室効果ガスをクリーンエネルギー事業により削減、埋め合わせをする考え方)など、エコラベルの取得やさまざまな環境活動参加を積極的に行っているというのです。
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ロビーの一部、様々なタイプのインテリアに彩られ雰囲気の異なるコーナーが造られている。photography : 1 Hotel Central Park
ホテル内を案内してくれた男性スタッフに尋ねると「そうです、ゲストが近くのセントラルパークに居るように、公園と延長線上の自然を感じて欲しいと思います」と言うのです。ちょうどハロウィーンの時期を間近に控えていたため、ロビー階には大きさの違うカボチャも数多く並べられ、ホテルの賑わいと同時にロビー空間も賑わっていました。
「グリーン・ハウス・スイート」は約111㎡の広さを誇るホテル内最大級のスイートルーム。窓からはセントラルパークを一望。photography : 1 Hotel Central Park
実に簡単なシステムでチェックインを済ませると、また驚きがありました。ロビー階もパクリックスペースも客室内にも、廃材やリサイクル材が随所に用いられ、それらを巧みにデザイン化したスタイリッシュな内装のホテルとなっていたのです。“エコ3R”と言われる「リデュース、リユース、リサイクル」を徹底し、限りある自然の無駄遣いをしないと決めているホテルのコンセプトは、やはり「サステナビリティ」でした。
「シティ・ラウンジ・キング」の客室は23㎡。街中を見渡せ、使い勝手のいいニューヨークらしい雰囲気が人気。photography : 1 Hotel Central Park
コンセプト通りにインテリアは、特にレンガ、オーク材などの木材、他にも鉄や石など、まさに徹底した3Rの活かされたホテル造りが顕著で、客室内の壁、廊下、天井、家具や調度品もオリジナルであり、廃材やリサイクル材が用いられていました。とはいえ、極端にエコに敏感な質素なホテルとは異なり、アメニティはすべてオリジナルに統一され、贅沢なクオリティが守られた高級感も漂っています。そしてワンちゃんもファミリーと考え、一緒に泊まれるペットフレンドリーホテルでもあります。
「パーク・スイート」は41㎡。窓からは名前通りにセントラスパークが見渡せる快適な部屋。photography : 1 Hotel Central Park
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シェフのジョナサン・ワックスマンが腕を奮うヘルシーで楽しい食事を提供。外部からのゲストも多く周辺では人気のレストランに。photography : 1 Hotel Central Park
1階にあるレストラン&バー・ラウンジ「Jams」では、ランチ、ディナー、ブランチなどオールデイダイニングとして利用可能で、ヘルシーで洒落たカリフォルニアキュイジーヌが提供されています。シーフード、野菜、オリーブオイルなどを中心に、ジェームス ビアード財団から「ニューヨーク市のベストシェフ」に選ばれたシェフのジョナサン・ワックスマンが季節の料理をダイナミックに披露してくれました。
ウィークエンドの9:00~3:00、人気メニュー「ブランチ・ブッフェ」での料理の数々。photography : 1 Hotel Central Park
帰国の途に機上でふと思い浮かんだのは、ホテルスタッフの温かな対応の数々であり、おかげで快適なニューヨーク滞在となりました。「ホテルは人なり」というホスピタリティの軸は、世界共通の変わらぬテーマであると再認識したのです。
1 Hotel Central Park
1414 Avenue of the Americas New York,10019 USA
Tel: +1-212-703-2111(予約:+1-866-615-1111)
https://www.1hotels.com/central-park
Coverage Cooperation/NYC & Company
Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com