"貴婦人"と呼ばれる白いホテルは、世紀を超えて蘇ったアジアの名門ホテル。Eastern&Orinetal Hotel
~ペナン島/マレーシア~
ホテルへBon Voyage 2015.01.16
マレーシアのクアラルンプールから飛行機で約1時間、以前は英国領として"プリンス・オブ・ウェールズ島"と呼ばれていたペナン島があります。ペナン島には、アジアの老舗名門ホテルのひとつであり、美しいホテルとして知られた「イースターン&オリエンタル・ホテル」(通称E&O)があり、数々のドラマチックな歴史と物語を秘め今も輝き続けています。

真っ白な建物が一際目立つホテル「Eastern&Oriental Hotel」の「ヘリテージウィング」エントランス。
1885年創業時は「The Eastern 」という名でしたが、翌年には「Oriental」の名が加わりました。1927年には「The Premier Hotel East Of Suez」と称され、ゴージャスな100室を有し最高の設備を誇るグランドホテルとして人気を博したといいます。さらにこの時代は、キプリング、サマセット・モーム、ヘルマン・ヘッセなど、名のある文化人や文豪達がゲスト名簿に名を連ねていた頃でもありました。

「ヘリテージウィング」内の客室へと続く廊下も格式と歴史を感じる造り。

「ヘリテージウィング」のプールサイドからマラッカ海峡を望む。
このペナン島には世界遺産の街・ジョージタウンがあり、英国の植民地時代を思わせる白い建築物がここそこに残り、他にも世界的なリゾートホテルが点在しています。中でも「E&O」は名門中の名門と言われ、"東洋の真珠"と呼ばれるジョージタウンの海辺に佇んでいます。この歴史的な街に良く似合う情緒たっぷりのホテルは、世界中から「まるで貴婦人のように美しいホテル」と言われ愛されています。かつて「E&O」は、政治的にも経営的にも複雑な歴史の中で、ドアを固く閉ざすことを余儀なくされた時代があり、ホテル閉鎖は21世紀に入るまで続きました。リニューアルを終えた再開業時の2001年には、昔を懐かしむ多くのファンが世界中から駆けつけたと言いますが、実は、私が初めて訪れたのはその時でした。今回は2度目の訪問です。

「ヴィクトリィ・アネックス」棟のコーナースイートルームの寝室。

「ヴィクトリィ・アネックス」棟のコーナースィートルームのバスルーム。
この「E&O」は、シンガポールの「ラッフルズ・ホテル」や、ミャンマーのラングーンにある「ストランド・ホテル」とともに、アルメニア人のサーキーズ兄弟が造った"アジアの名門ホテル"であり、アジア初となったのがここ「E&O」という歴史的ホテルなのです。

「ヴィクトリィ・アネックス」棟の大海原を望むプールサイドテラス。

「ヴィクトリィ・アネックス」と「ニューヴィクトリィ・アネックス」の外観。
客室はヘリテージウィングに100室、ヴィクトリィ・アネックスに40室、そして2013年にオープンしたニューヴィクトリー・アネックスには118室のスィートと4室のコーナースィートが用意されています。いずれもオーシャンビューの部屋をとれば窓からは、アンダマン海、マラッカ海峡が見渡せ、海風が通り抜ける部屋は本当に快適です。

「サーキーズ・ブッフェ」ではインターナショナルとローカルフードを提供。
名門ホテルだけに食の充実もさすがで、「1885」という創業年を名前に持つレストランはコロニアル様式のエレガントなファインダイニング。アフタヌーンティーも人気です。他に、コロニアルコーヒーショップ「サーキーズ・コーナー」、バー、プールテラス、ラウンジもそれぞれに軽食が提供されています。もうひとつ、オールデイダイニングの「サーキーズ」はブッフェレストラン。郷土料理も提供しているので、ハイナネーズ(海南)や、ノニャ(中華とマレーのミックス)など独特の食文化を体験し、旅の情緒を味わってみてはいかがでしょう。(K.S)
Eastern&Oriental Hotel(E&O)
10, Lebuh Farquhar, 10200 Penang Malaysia
TEL:+(6) 04 222 2000 FAX:+(6) 04 261 6333
http://www.eohotels.com/
部屋数:ヘリテージウィング:100室、ヴィクトリィ・アネックス:40室、ニューヴィクトリィ・アネックス:118室スィート+4室コーナースイート
料金:プロモーション参考価格/MYR750~MYR3150(100円=2.94マレーシアリンギット/2015・1月現在)
施設:レストラン、バー、ラウンジ、ショップ、プール、アーケード、スパ、ジム、ボールルーム、他
連絡先:直接現地か旅行代理店、またはHPで。

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com