一生に一度のホテル滞在。田舎町での個性派ホテルで過ごした感動体験。Hotel Fontaine Royal Stūrmaņu~リーパヤ/ラトヴィア~
ホテルへBon Voyage 2015.07.17
ヨーロッパの西の端、バルト湾に臨むお伽の国と言われる「バルト三国」のひとつ、ラトヴィアに飛びました。バルト海沿岸に続くこれら三国は、エストニア、ラトヴィア、リトアニアを指しバルト三国と呼ばれています。私たち日本人には未だ馴染みが少ないかも知れませんが、フィンランドの南側に位置するバルト三国は、現在ではEU加盟国として通貨もユーロが使われています。
ところで、私の一生の旅人生の中で、二度目に訪れる機会はあるのだろうかと思われる小さな町、リーパヤ(Liepaja)を訪れました。今回は、そこで泊まったホテル「Hotel Fontaine Royal Stūrmaņu」のご紹介です。

「Hotel Fontaine Royal Stūrmaņu」のメインエントランス。
ラトヴィア第三の都市であるリーパヤは、今尚どこか海の香りする静かな町でもありますが、近年は個性的で美しい建築物の多い町としても知られるようになりました。一方、自然のままに残る美しいビーチは、国を挙げて保存に力を入れており、エコロジーの観点から「Blue Flag」(1985年に誕生したブルーフラッグは、世界46の国と地域3,850か所で取得されているビーチやマリーナ対象の環境認証)の認証を得ている貴重なビーチでもあります。
そんなリーパヤの町のダウンタウンにあり、通称「ファウンテン・ロイヤル」と呼ばれるホテルは、町の人々で賑わいを見せる地元密着の集いの場でもあります。カナルに面したロケーションは情緒的であり、もとは工場の跡地だった建物がみごとに個性派ホテルに生まれ変わりました。家具や調度品にはアンティークやアート作品、海に関するオブジェなどが所狭しと置かれ、幅広い客層に対応しています。地域でも最大の会議室を所有することから、実は私自身も、ここで行われたエコロジー&環境問題の世界会議「FEE年次総会」に出席のために訪れたのです。

1階にあるレストランのテラス席、夏はカナルから吹く快適な風に包まれる。
館内にはレストラン、バー、アウトサイドカフェ、ナイトクラブ、プール、ハマム、タ-キッシュバス、スパなどリゾートらしい施設が揃っています。中でも最も驚いたのは、前述のように、こんな小さな田舎町であるにも関わらず、セミナーや国際会議の誘致が積極的に行われていたことです。そして隣接の古い倉庫を利用し、600名も収容可能なライブ演奏ができるミュージックハウス(コンサートホール)を所有していることも驚きでした。この小さな国の、この小さな町で、ホテルがどれほど文化的、社会的交流の場として存在感のある施設であるかが見えました。客室も最近は徐々にリニューアルが進み、リトアニアの趣を備えた洒落た部屋や、3名が泊まれるトリプルルームなども造られ幅広く対応しています。

館内は客室も含めてすべてアンティークや特注の家具揃い。

客室のひとつ、シングルルーム。

客室のひとつ、照明器具はどことなく中東風なデザイン。
リトアニアの食文化にも興味深々でした。昔ロシアの一部であったという歴史から、ボルシチや素朴な魚料理が多い中、ジャガイモ料理のツェッペリナィやクゲリス(ポテトグラタン)など素朴な料理が主役でしたが、ただ、ホテルのレストラン「House of Food」では、ステーキを主に、アメリカンバーガー、中華、スカンジナビアンまで世界中の人気料理が揃っていました。北国の短い夏に、カナルに面したテラスに座りのんびりと食事をしていると、遠い国に来た......実感が湧いてきました。(K.S)

ホテルの目の前にあるカナル、異国情緒たっぷりな光景。
HOTEL FONTAINE ROYAL
1, LV-3401, Liepāja, Latvia
TEL: + 371 63489777、 Fax: +371 63489776
http://www.fontaineroyal.lv/en/home
料金:バジェット2000ユーロ、シングル3500ユーロ、スタンダード4500ユーロ~、ジュニアスィート6500ユーロ~、プレジデンシャルスィート11000ユーロ
朝食:6ユーロ
施設:レストラン、バー、プール、ヘルスセンター、フィットネスクラブ、スパ、会議室、バンケットルーム、コンサートホール、ナイトクラブ、他
アクセス:リーパヤ中心から65km(Taxi 40.00 EURO)
問い合わせ先:直接メールにて受付。royal@fontaine.lv

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com