雑踏に溶け込みながらも、
強烈な個性がキラリと光っています
「Lan Kwai Fong(ランカイフォン)」セントラル地区/香港
ホテルへBon Voyage 2009.11.27
香港の急速な変貌振りは、頻繁に足を運ぶ私でさえ驚かされています。新しいホテルも今も尚、次々とオープンするエネルギッシュな街で、2006年4月のオープン以来、ひっそりと街に同化しながら、リピーターに支持され続けるブティックホテルがあります。
狭い土地に高いビル、香港らしさが詰まったブティックホテル
「ランカイフォン」がそのホテルです。スタイリッシュなデザインの中に、'チャイナ'を強く意識した家具調度品が置かれ、館内のムードはオリエンタルそのもの。どこか懐かしいアンティ-クな空気が漂うホテル内は、33階建てという細長い高層ビルの外観とは大きく異なり香港らしさ満載で、それが欧米人に愛される理由となっています。
ゲストの約半分がヨーロッパ人、2割がアメリカ人、1割強がオーストラリア人といいますから、ゲストの8割が欧米系で占められているのがわかります。どうりで、私が行ったときもオープンエアのカフェ・テラスで寛いでいる人々に東洋人はいませんでした。「ランカイフォン」の建つセントラル地区は、細い坂道や路地が多く昔ながらの香港スタイルが残る活気溢れる地域。娯楽も、レストランも、ショッピングも楽しめる、旅行者にはもってこいの楽しい地区でもあります。
ロビーエリアとエレベーター、右はロビーラウンジ
ホテルは小さなエントランスを入るとすぐにチェックイン・アウトのカウンターがあり、続いてエレベーターホールとロビーラウンジが仕切られています。いずれも小さなスペースなのですが、とっても香港らしさを感じる空間です。それぞれの客室もムード満点。とりわけバスルームのドアは狭い観音開きであり、しかもそのドアの表面には中国伝統の模様が描かれているために、誰が見ても'戸棚'のドアにしか見えません。「バスルームはどこ?」と、ゲストからよく聞かれるとホテルスタッフは苦笑していました。客室自体はそれほど広くはないのですが、とっても居心地のいい空間でした。
(左)ゲストの多くが戸棚と間違うバスルームのドア(右)ハーバービュー・スウィートのシッティングルーム
デラックス・ハーバービュー、香港の景色を独り占めする快適な部屋
(左)客室内のランプ(右)都会のホテルらしいジム
またこのホテル内には大人気の中国料理レストランがあり、狭い店内は少し暗めで、どこか秘密の隠れ家的なムードが漂っています。味が評判なのは言うまでもありませんが、ホテル内で、このレストランだけは外からのゲストにも解放されていることから、わざわざ食事にやってくるファンも多いのだそう。夜の予約は必至ですが、人気のためになかなか予約も難しそうです。香港といえば有名レストランは星の数ほどありますが、「ランカイフォン」の中国料理レストランも一度試してみるのもいいかもしれません。
大人気の中華料理レストラン、セレブリティ・キュイジーヌ
レストラン「ブリーズ」での朝食
また、このホテルのオーナーは香港中に現在7軒のホテルを経営していますが、2010年には、新たに次々とホテルを増やしていく予定と聞きました。「ランカイフォン」は旅行雑誌「Travel Weekly Asia」に於いて、「2007年ベスト・ブティックホテル賞」も受賞しています。スタッフのもてなしも良く快適。パリのプチホテルを彷彿とさせる個性的なホテルでした。(K.S)
Lan Kwai Fong(ランカイフォン)
3 KAU U FONG, CENTRAL, HONG KONG. R.O.C
Tel +852-3650-0000 予約専用電話 +852-3650-0299
Fax +852-3650-0088
www.lankwaifonghotel.com.hk
部屋数/162室
料金/2009年12月31日までの特別プロモーション
(朝食、中国マッサージ1回、空港行き香港駅までの無料送迎、新聞、
他が付く 1泊室料)
HK$1,800(シティビュールーム) ~
HK$3,000 (ハーバービュースウィート)
設備/レストラン、カフェ・ラウンジ、ジム、他、
アクセス/Check Lap Kok 国際空港から車で45分

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com