リゾートの詳細は予約終了時までお預け、
流石ですね、これぞ本物の「隠れ家リゾート」
ヴェラーナ
～プエルト・バジャルタ／メキシコ～

　メキシコのハリスコ州プエルト・バジャルタといえば、太平洋に面した美しいビーチリゾート地として知られています。10年ほど前から徐々に人気が高まり、４～5年前には大きなブームとなりました。その大きな理由は、美しいビーチとローカルな自然が残る環境、そして1年を通して好天が続くリゾートにぴったりの気候の良さにあります。

　街の中心地にはメインビーチ沿いにホテルやレストランなど商業施設も多く在りますが、実は、プエルト・バジャルタには、郊外の船着き場からボートに乗って行く、とっておきの隠れ家リゾートが幾つかあります。
　中でも、ここにご紹介する「ヴェラーナ」は隠れ家リゾートの代表です。郊外の小さな入り江に造られた船乗り場「Boca De Tomatlan」からスピードボートに乗り30分強。ボートでしかアプローチできないリゾートなので、小さな湾「Yelapa」を目指します。とはいえそこに降り立つと、山がストンと海に落ちるような急斜面に囲まれ、湾にはビーチなどはなく、簡単な艀が造られているだけの場所でした。

これがリゾートへ向かうボート乗り場。湾に並ぶのがそのスピードボート。
靴を脱いで濡れながらボートに乗り込む。

（左）リゾートの山を登った到着場、エントランス。右に見えるのが人やトランクを運ぶ馬たち。（右）三角屋根はオープンエアのレセプションとダイニング棟。

　そしてここからリゾートまでのアプローチが大変でした。下船しても道らしい道はなく、迫る山肌を登っていくというのです。艀の近くには何頭かのロバのような小さな馬が待っていてくれました。そうなんです、この馬に荷物を乗せ、自分たちも馬に乗って山を登って行くというのです。つまりリゾートがあるのは山頂、そこまでは山の急斜面を登るしかないのです。
さすがに驚きました。それで馬にまたがり急斜面を上ること約20分ほど。景色はジャングルのような木立をぬけ、大きな青空が広がる場所へと到達しました。頂上へ着くと視界がグンと開け、目の前には太平洋、反対側は山の迫る絶景でした。リゾートはその急斜面を利用し、ずば抜けたプライベート感を演出しています。入り口には手作りの石のプレートに「VERANA」と書かれていました。まずは馬を下りてチェックインです。
雨が殆ど降らないこの地域では、レセプションも青空の下に置かれたテーブルです。ウェルカムドリンクが出され、馬が背負ってきた大きなトランクと一緒に客室に案内されました。客室は戸建てのヴィラが８棟、急斜面のここそこに点在しています。大きさもデザインもすべてが全く違うヴィラは何もかもが手造り感に溢れ、どのヴィラからも大海原が見渡せるだけでなく、風が通り、陽射しに包まれ、夜は月光に包まれる･･･自然とともにあるリゾートでした。

（左）可愛いいソープ入れとナチュラルソープ。（右）客室のリビングルーム。

（左）バスルームの石で造られたキャビネット、壁の奥にシャワー。（右）木のドアはヴィラのエントランス。

滞在したベッドルームにはガラス無しの大きな窓があり、夜は虫の声を聴き、ベッドから月や星を眺めながら眠りに就くことに。

緑に囲まれたプールからは太平洋が望める、プライベート感たっぷり。

私の滞在した部屋は寝室が２ツと大きなサロン、そして不思議な形状のバスルーム付き。主寝室の大窓にもガラスはなくオープンで、スタッフからはこんな注意がありました。「朝起きて服を着るときは、蛇やサソリが服に潜っているといけないから、良く振り払って着てね」と。夜中にベッドの上にイグアナが這ってこないかと心配でしたが、その夜は、ベッドから輝く上弦の月を見ながら深い眠りに就きました。

メキシコ特産のハマイカのジュースとヘルシーランチ。

レストランでは美味しいメキシコ郷土料理の他、インターナショナルな料理も供されます。リゾートのオーナーはドイツ人の男性とフランス人女性のご夫妻です。ミレニアムの創業前に、二人のお気に入りのこの場所で結婚式を挙げたと言います。リゾートの詳細や、行き方さえ、予約が済むまでは教えてくれませんでした。地図にも載らない隠れ家リゾートですが、実は、世界的旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー」など多くの雑誌に引っ張りだこです。（Ｋ．Ｓ）