太平洋の大海原に向かう絶景と海洋深層水に癒される滞在。ウトコ オーベルジュ&スパ~室戸岬/日本~
ホテルへBon Voyage 2015.05.01
オーベルジュの定義は先ず"食"にあります。その土地ならではの食材を遣い、その地でなければ食せないグルメな食事を提供。まずは食事をして、そして泊まるという、フランスの田舎で生まれたホテル形態なのです。今ではどこでも"美味しく食べて泊まれる"が当たり前となりました。「ウトコ オーベルジュ&スパ」もスパが併設されたオーベルジュですが、主役は食とスパの両方のようです。食はまさに高知の良いとこ取りで、豊富な山海の幸に恵まれ、スパは海洋深層水で人を癒す、日本では数少ない貴重なスパなのです。

ウトコのR型コリドール。遠く山に見える像は修業の場となった室戸に因む空海(弘法大師)の像。

施設の中央には特等席のライブラリィを設置。コーヒー、ハーブティーも。

絵葉書にはウトコ・オリジナル切手を貼ってここにポスティング。
海洋深層水は海の上層部よりも清浄性が高く、水深200m以上の深海にある海水をさし、ミネラル分(マグネシウム、カリウム、カルシウム、硫酸塩、ナトリウムなど)が含まれ、それを利用した貴重な水でトリートメントが提供されるということです。しかも深層水は、片道2000年単位で世界の海の底を巡っているというのですから、これは自然の驚異ですよね。特に室戸の海洋深層水はミネラル分のバランスが良く、新陳代謝促進や保湿作用もあるそう......。ウトコでは快適なプールが海洋深層水ですから、トリートメント前にプールで体を解し、ゆったりとした気持でトリートメントに臨むのが理想的です。

海を見ながら楽しめるアウトドアジャグー。
スパのディープシーテラピーに用いる海洋深層水は、近くにある日本初の取水施設「アクアファーム」からパイプラインを通し、常時ダイレクトにウトコに供給されているといいます。セラピストと相談をしながら、自分に合うメニューを選ぶのが理想的。そうなると連泊するのは必至のようです。

これがスパの中心となる100%海洋深層水のプール。
大切な食事は、高知ならではの食材を使った「鰹と柚子の黒潮オーベルジュ」が主役。約400年の歴史をもつ鰹の一本釣りと、日本一の生産量を誇る柚子やその他の柑橘類を使い、2015年4月から、高知の食文化「皿鉢(さわち)料理」をイメージしたカラフルな美食が提供されます。

レストラのテラス席。気候の良い時期には夕焼けに包まれてディナーを満喫。

海の幸は新鮮でどれも美味しい。特に鰹は食事のテーマ。

季節感を盛りつけた彩り艶やかなこの日の前菜。
一方、全室オーシャンビューの客室は最低でも33㎡と広く、ベッドに寝たまま、またはバスタブに使ったままで海が見渡せ、部屋に居ながらにして、水平線から上る神秘的な日の出を見ることができます。スーペリアルーム45㎡、ラグジュアリールーム53㎡、そしてスィートルーム80㎡というゆとりの部屋造りは、滞在者には嬉しい限り。元はと言えばこのホテルのデザインは、世界的なメイクアップ・クリエータだったシュウ・ウエムラがフランス人デザイナーに依頼して造られた建物ですが、「ウトコ オーベルジュ&スパ」となってからは、より快適によりリゾートらしく手入れがなされました。屋上には、常に強い海風を肌で感じる「タイフーンテラス」が生まれ、昼の爽快さはもちろん、月や星空を見る絶好のテラスとなりました。

客室のバスルームからも海が見渡せる。

広々とした寝室ははリビングルームが隣接。

ピンク色に染まった空は早朝の朝焼け。

朝の爽やかなタイフーンテラス。
ウトコ オーベルジュ&スパ
高知県室戸市室戸岬町6969-1、ディープシーワールド内
http://utocods.co.jp/
部屋数:17室
料金:(ベストレート保証のプラン参考例)
スタンダードルーム(2名利用、1名料金・夕食付)25.000円~、他プラン多数、要問い合わせ
施設:レストラン、バー、スパ、タイフーンテラス、テラス、ジャグジー、プール、ライブラリィ、ショップ、他
アクセス:東京羽田空港〜高知龍馬空港まで1時間30分、空港連絡バス35分でJR高知駅へ。
土佐クロシオ鉄道30分で奈半利駅へ、そこから送迎バス又はタクシーで45分。
予約問い合わせ先:050-3786-0022
(星野リゾート予約センター8:00~21:00)

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com