夢のような豪華な宮殿滞在と
バトラーサービスに酔いしれました!
タージ・ファラクヌマ・パレス
~ハイデラバード/インド~

 インドには幾つもの宮殿が残り、豪華に改築された宮殿ホテルの存在が知られています。中でも「タージ・ファラクヌマ・パレス」は圧巻です。今回、この宮殿ホテルに滞在する好運な機会を得ました。

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威厳のある正門。

 ホテルの建つハイデラバードは2つの町が織り成す双子都市。IT産業で発展を遂げ、高層ビルやショッピングモールなどが並ぶ北部の新市街地区と、昔ながらの伝統的な姿を残す南部の旧市街地区に分かれています。滞在ホテル「タージ・ファラクヌマ・パレス」は、旧市街の中心地から少し離れた小高い丘に聳え立っています。この丘を目指し車が宮殿のゲートに到着すると世界は一変。白い伝統建築のゲートで車を降り、敷地内で待つ2頭立ての馬車に乗り込み、整然とした坂を上り詰めて宮殿入り口へと向かいます。馬車のデザインも、クラシカルな馭者の制服もロイヤル仕様の優雅な姿が残されています。いざ宮殿の正面に降り立つと、馭者の他にウェルカムドリンクを差し出す係、さらに担当バトラーが出迎えてくれます。上層階のベランダから散らされるフラワーシャワーの出迎えもあり、ロマンチックな薔薇の花びらの巻かれた階段を上り、館内へと第一歩を進めました。

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正門から馬車に乗り換えて到着するメイン棟のファサード。

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手入れの行き届いた中庭。

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メインロビー内にある大理石造りの豪華なステアケース。

 さて、この宮殿の持ち主はかつてハイデラバードを収めていた藩王"ニザーム"でした。インドでは、藩王国の王にはマハラジャという称号が与えられていましたが、ここハイデラバードでは特別に"ニザーム"の称号で呼ばれ、その強豪藩王ニザームの歴史が残されているのです。ニザームは、アラビア語で"統治"を意味し、最高勲位にある統治者や気高い宰相にのみ与えられました。1724年に誕生したハイデラバード藩王国では、ムガール帝国からの独立後、歴代の藩王にこの称号が与えられてきました。まさに、この「タージ・ファラクヌマ・パレス」には、そのニザームの歴史が宿り、今尚、ニザームの家系を継ぐ末裔"プリンセス・エズラ"がこの宮殿を管理しています。華やかな歴史を歩んだ栄華に触れ、その宮殿に泊まるだけで別世界の日々でした。とりわけ、バトラーのサービスは気品に溢れるものでありました。

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101人が座れる「101ダイニング・ホール」。

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芸術的なステンドグラスが目を惹くテラス「ゴル・バンガロー」。

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ひっそりとした庭園と植物に囲まれたプール。

 ホテル名「ファラクヌマ」には"天空の鏡"の意味があるといいます。館内は広く幾つもの部屋に別れ、博物館を彷彿とさせる展示室や、歴代ニザームの愛した美術品や調度品、数多くの書籍などのコレクションの数々など、当時、世界一の富豪だったニザームのライフスタイルを垣間見ることができます。豪華な設えの客室、豪華な食事、手入れの行き届いた庭園、数え切れない施設などを利用した現代のシンデレラになったような5日間の滞在。毎日、夕暮れ時になると、宮殿内では町のミュージシャンが呼ばれ、彼らが奏でる民族音楽「スーフィ・カッワリー」のパフォーマンスがありました。神への賛歌を情熱的に披露していた歌声は郷愁に溢れ、今も宮殿の思い出とともに記憶にしっかりと残っています。(K.S)

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ハイデラバードが元祖のインド風炊き込みご飯「ビリヤニ」。

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ある朝のインド流朝食、ヘルシーで美味しいアイテム揃い。

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プライベートプール付「ニザーム・スィート」の寝室。

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ファラクマナ・パレス流「アフタヌーンティー」。

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夕暮れ時には宮殿内にミュージシャンの歌声が響く。

Taj Falaknuma Palace Hyderabad
Taj Falaknuma Palace, Engine Bowli, Falaknuma,
Hyderabad - 500053, India
Telephone:+91 40 6629 8585
http://www.tajhotels.com/luxury/grand-palaces-and-iconic-hotels/taj-falaknuma-palace-hyderabad/overview.html
客室数:60室(内スイート15室)
料金:(2名1室の室料)US.$.55000~105000
施設:レストラン、バー、ライブラリィ、ラウンジ、スパ、庭園、
プール、バンガロウ(ダイニングテラス)、101ダイニングルーム、ホール、他、
アクセス:ハイデラバード国際空港から車で約20分、
日本での問い合わせ先:(株)アクセス TEL:03-3595-7840

Kyoko Sekine

ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。

http://www.kyokosekine.com

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