現代のクールな感性に中国芸術の粋が見え隠れ
ホテルへBon Voyage 2008.10.24
噂のホテル「ザ・オポジットハウス」は、2008年8月11日、北京オリンピックの最中に北京きってのトレンディ地区にオープンしました。創業間もないホテルですが、北京の敏感な人々は、食事に、バーにとすでに顧客になっている様子。再開発地区、'三里屯ザ・ヴィレッジ'内という話題のロケーションに加え、高級住宅街やお洒落なバーが並ぶ三里屯通りに面しています。話題はそれだけではありません。ホテル建築デザインを含め、ヴィレッジ全体の総合プロデューサーとして才を発揮したのが、世界的に注目度の高い日本人建築家、隈研吾氏なのです。
一際目を惹くスタイリッシュな外観。
以前のインタビューで隈氏は、1階のロビーエリアを最上階まで吹き抜けにし、天井の高いアトリウムの最上部から布を配することで陰陽をつけ、ディープで印象的な空間を作りたかったと語っています。まるで宇宙空間のようなアトリウムは、中国古来の家作り形式である「四合院」から発想されたものといいます。
吹き抜けから注ぐ陽光が開放的なアトリウム。
玄関扉の木は樹齢が100年を越えるといわれ、重厚感と温もりのある印象は訪れるゲストの目を惹かずにはいません。客室内では、日本旅館のお風呂のような高級感溢れる木のバスタブも印象的です。アースカラーの落ち着いた配色のお蔭で、ずっと部屋に篭っていたい気さえします。
ペントハウスのベッドルーム。壁一面の窓からは、変化が著しい北京の街並みを一望。
まるで旅館のようなバスタブは日本人にも好まれそう。
そんな客室総数は99室。また、食の施設は地中海料理、北部アジア料理、バー、カクテルラウンジ、カフェ、そしてプライベートダイニングなど、いずれも個性派揃いです。さらにフィットネスセンターあり、室内プールありと施設はシティホテルに相応しい充実度。とりわけ部門には属さないという若いスタッフの、積極的でオールマイティなサービスは嬉しい限り。こんなホテルを見ていると、「コスモポリタンに変わり行く中国」の'今'を象徴しているような気がしています。
吹き抜けからの光、色使いが印象的な室内プール。
この「ザ・オポジットハウス」はキャセイ・パシフィック航空で知られたスワイヤーグループのひとつ、スワイヤープロパティーがオーナー、スワイヤーグループのスワイヤーホテルズが運営しています。これからも次々と世界に新たなホテルをオープンするといいますから大いに楽しみですね。(KS)
中国北京市朝暘区三里屯路11号院1号楼 100027
☏(+86-10)6417-6688 Fax(+86-10)6417-7799
日本の連絡先/ケントスネットワーク☏03-3403-5355
E-Mail/c_concierge@kentosnetwork.co.jp
部屋数/99室
料金/2,980~5,980CNY(開業特別料金)
www.theoppositehouse.com

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com