日本初取材! 驚異的絶景に抱かれて
人が生かされている意味を問う。
「Amangiri(アマンギリ)」キャニオンポイント/USA

 余りに凄い自然の中に身を置いていると、人は、自然に自分の人生観や生き様を問う心の変化に襲われるから不思議です。そして、自然の驚異的な姿を観ていると、私達がどう地団駄踏もうと、叫ぼうと、絶対に叶わない壮大なパワーを見せつけられます。かつてアフリカの大地でマジマジと見た野生動物の弱肉強食の生き様、カラハリ砂漠で見たミラージュ(蜃気楼)の感動的な不思議さ、そして今回の旅で感じたのは、アマンリゾーツ最新のリゾートのひとつ、「アマンギリ」のロケーションの凄さでした。

sekine110218_a.jpg岩山の上空から見た絶景のアマンギリ全貌

自然の驚異的な美しさや、押しつぶされそうなほど心に大きくのしかかってきた自然のパワフルなオーラが、毎日、私をドキドキさせました。今までかつて、アマンが創りあげたどのリゾートよりも、どのテントよりも、自然の驚異を目の当たりにするリゾートです。そんな中で働くスタッフは、プロフェッショナルな'自然保護'の達人も居れば、自然監察官も、山を守るガイドの存在もあり、それぞれの人々が自然と一体になった大きな温かみのある人間性を感じました。

sekine110214_g.jpg(左)エントランスのコリドール(右)エントランスのコリドールからの景色

 一方、リゾート内でゲストに接するスタッフたちは、アマン特有の最上のサービスを心がけ、そこにプラスされた'アメリカ的'おおらかさや、カジュアルさも見つけることができ、ホッとしたものです。居心地の良さは、何よりもスペースにゆとりのあるリゾート造りにありました。それぞれの客室はロケーションによって、砂漠側の客室棟「デザート・ウィング」と、岩山側(キャニヨン)の「メサ・ウィング」とに分かれており、好みの景色で選んでみるといいでしょう。とりわけ、砂漠側にある「ザ・ジリジャーラ・スィート」、メサ側にある「メサ・ビュー・スィート」は、それぞれに大きなプライベートプールが設置され、見渡す限りの自然と一体になれるよう、開放感のある造りになっています。余りにも巨大な自然の姿を見ているうちに、私は、人間の存在の小ささや、自然の中で生かされていることの重要性、つまらないことで悩むことなど止めよう・・・という潔さなど幾つもの感情が脳裏に相まって、心の浄化が進んだかのような、ピュアな気持ちになれたのが不思議でした。

sekine110214_h.jpg(左)客室のベッドルーム(右)客室のバスルーム

sekine110214_i.jpg(左)メキシカン・トルティーヤ(右)ボリュームたっぷりの手作りピッツァ

アマンリゾーツは、リゾートとしてただ豪華なだけではなく、ただ個性豊かなだけでもなく、世界中の驚異的な自然や、美しい場所、貴重な伝統を残す村や町など、必ず意味のある場所に建てられてきました。その意味からも、アメリカ・ユタ州のこの一角に生まれた「アマンギリ」にも、もっと隠された大きな意味があるに違いありません。

sekine110214_c.jpgプール側から見たレストランとそのテラス

sekine110214_m.jpgリゾートの中心をしめる印象的な温水プール

 施設は、自然の岩をそのまま利用した大胆な温水プールを中心に建っています。中でも、巨岩の迫り来る場所に創られたスパは、アマンリゾーツ23軒の中で最も大きな施設でもあり、全2322㎡の広さを有しています。暖炉の焚かれるエントランスから、陽射しの刺す外の通路を通ってそれぞれのトリートメント・ルームに向かいますが、'ウォーター・パビリオン'と呼ぶスパのコンセプト通り、幾つもジャクージやステッププールなどが自然を利用して作られており、人が自然と共にリラックスできる環境が整えられています。セラピストの確かな技術で施術されるリートメントは快適でした。季節の良い時期には、豊富なアクティビティも数多く待っています。乗馬やハイキング、ドライブも、ここならば最高の時間を過ごせそうです。

sekine110214_j.jpg(左)スパへの通路(右)スパのレセプション

sekine110214_k.jpg(左)トリートメントルーム内(右)スパに作られたリラクゼーション・スペース

 日本からは直行便で行くことはできませんが、'リゾートは遠ければ遠いほど、不便なら不便なほど素晴らしい'という私の持論通り、本当に余りある感動的な施設でした。どんなに遠くても、到着までに大変な時間を要しても、あの感動を味わえるかと思うと、またすぐにでも行きたくなります。(K.S)

sekine110214_l.jpgコロラド川が流れ出る湖「Lake Powell」。左奥に見える煙は、発電所「Navajo Generating Station」の煙突から出るもの




Amangiri
(アマンギリ)

1, Kayenta Road, Canyon Point,
Utah 84741-285, USA
tel (1) 435-675-3999 fax (1)435-675-8999
www.amanresorts.com
総客室数/40室
施設/レストラン、ラウンジ、ライブラリィ、屋外温水プール、
スパ、ジム、ギャラリィ、プライベートダイニングルーム&セラー、
デザートラウンジ
料金/スィートUS$.850~、プールスィートUS$.1400~、
テラスプールスィートUS$.1500~、ジリジャーラスィート
US$.2800~、アマンギリスィートUS$.3300~
(季節によって異なる)
予約先/フリーダイアル KDDI:001-010-800-2255-2626


Kyoko Sekine

ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。

http://www.kyokosekine.com

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