日本初取材として向かった砂漠には、
アラブ伝統に彩られた豪華テントリゾートが待っていました!
「Banyan Tree Al Wadi(バンヤンツリー・アル・ワディ)」
ラス・アル・ハイマ/UAE
ホテルへBon Voyage 2011.02.25
まさに'砂漠のオアシス'という言葉がぴったりのリゾートでした。誰もが知るUAE(アラブ首長国連邦)の裕福な国ドバイの国際空港から、車でわずか45分の距離に、同じ連邦の一国である'ラス・アル・ハイマ'というあまり知られていない国が隣接しています。UAEは、1971年、当時支配下にあった英国の撤退に伴って生まれた連邦国家。ラス・アル・ハイマはその翌年、1972年に7カ国目として連邦に加盟した新しい国です。
アル・ハジャル山脈とオマーン王国に挟まれたラス・アル・ハイマの歴史は、なんとBC5000年にも遡るといいます。また国名の意味が、英語で「Top Of The Tent」の意味があると言いますから、歴史ある土地に、バンヤンツリーがテントリゾートを造った意味が伝わってきますよね。私達が向かったのは、世界的に豪華なスパリゾートを展開しているそのバンヤンツリーの、全く新しいテントリゾートでした。
棟の上から見るホテル棟の全貌
「バンヤンツリー・アル・ワディ」という名のリゾートは、見渡す限りの砂漠の中にありました。火傷しそうな灼熱の砂漠に、砂漠の民「ベドウィン」の伝統を活かして作られたプール付き'テント'が31棟、砂漠の土や砂と同色の建物でできた70棟の'デラックス・プールヴィラ'からなる広大な規模のリゾートです。テントは本当に豪華な造りですが、一棟独立型のヴィラも美しく精巧なアラビア建築であり、格子や彫刻、伝統の泥煉瓦造りに見とれそうなほど、地域遺産を継承している形だということです。
(左)ホテル棟の客室もプール付き(右)テントのプライイベートプールは大きい
私が滞在したのは、灼熱の昼間の気候、夜の凍るような寒さ、時折やってくる'砂嵐'など、気象の変化にも耐えうるテントでした。テントは丈夫なことに加え、同時にラグジュアリィな設備を整えた高級感のある内装でした。広さも158~253㎡もありますので、ホテルの豪華スィートルームとなんの変わりもありません。プライベートプールは7m以上もあり、この暑い時期35℃もある夜、月明かりのでひとり水と戯れてみました。
夕日に染まるテントリゾート
(左)テント内のベッドルーム(右)テント内のバスルーム
砂漠は昼間、50℃になるときもあるというが夜は寒くなる。
まさに砂漠の真ん中に位置するリゾートですが、ここでは砂漠に自生する植物や野生動物の観察、アラブの伝統である鷹と遊ぶ'鷹匠'体験、ラクダやホース・ライディング、とっておきのサンドスキーやデザートサファリ、人の入らない未知の土地へのドライブなど、アクティビティも充実しています。ただ、夏は暑いときに50℃にもなり、アクティビティは早朝か夕方がベター。太陽が高くなると、あっという間に焦げそうになります。
(左)アクティビティの一つ。鷹匠が説明し、ゲストにトライさせてくれる(右)砂漠でのサンドスキー
また、敷地内の小高い丘には伝統的な白いタワーが何棟か建てられており、そのひとつ「サフロン・タワー」は最上階まで登れ、ゲストのリクエストに応じ、このタワーでサンセット・ディナーのサービスが提供されるといいます。砂漠の地平線に夕陽が沈むのを見ながら「ロマンティック・ディナー」は神秘的かも知れません。
(左)現地の郷土料理も美味しい(右)現地のスィーツ、食後のデザート
さすが。「バンヤンツリー・スパ」は豪華に充実
何しろリゾートの敷地は100ヘクタール(100万㎡)。そのうち、60ヘクタールがバンヤンツリー管理の私有自然保護区になり、写真や動物園でしか見ないようなガゼル、オリックス、ラクダなどが放たれたリザーブがあります。早朝、そんな砂漠を楽しむ'砂漠のマウンテンバイク'に誘われ挑戦。上り下りの砂の上を走る難しさを体験し、朝からグッタリする体験でした(笑)。(K.S)
Banyan Tree Al Wadi
(バンヤンツリー・アル・ワディ)
P.O.Box 35288
Al Mazraa, Ras Al Khaimah, UAE
tel 971-7-206-7777 fax +971-7-243-5000
www.banyantree.com
客室数/101室(プール付きテンティドヴィラ31、デラックスプールヴィラ70)
料金/(2名、プロモーションパッケージ、
最低3泊、90分マッサージ付き、朝食付き)
デラックス・プールヴィラAED.2.580~、
テンティド・プールヴィラAED.3.680~、
チェックイン・アウト/14:00・12:00
※世界中からの飛行機到着に応じて対応。
あらかじめ飛行機の到着時間を知らせる。
施設/レストラン2カ所、バー、ラウンジ、ライブラリィ、スパ、アクティビティセンター、ヨガ&フィットネス・パヴィリオン、馬&ラクダの施設、キッズクラブ、プライベート・ビーチクラブ、ビジネスセンター、他
日本の連絡先/バンヤンツリー ホテルズ&リゾーツ・ジャパン tel 03-3548-0333

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com