高級住宅街の緑に隠れひっそりと
時を刻むアートなホテルです。
「10 Bompas Hotel(テン・ ボンパス・ホテル)」
ヨハネスブルグ/南アフリカ共和国
ホテルへBon Voyage 2011.04.18
南アフリカ共和国は、アフリカ大陸の最南端に位置することから、その自然の織りなすダイナミックな美しさや、数多くの野生動物の生息、豊かなアクティビティなど、まさに休暇を過ごすためのリゾート王国として知られています。
以前にもこの連載で南アフリカのホテルはご紹介していますが、今回は、ヨハネスブルグの高級住宅街にあるとっておきのホテルをご紹介しましょう。
中庭から見たホテル全景
ヨハネスブルグは年間を通して16~26℃という快適で乾燥した穏やかな気候に恵まれています。しかしながら治安がやや不安定な地区もあり、旅行は充分に気をつけなければいけませんが、「こんなホテルが欲しい!!」と憧れてしまうホテルがあります。「テン・ボンパス」という名の素敵なホテルは、高級住宅街に溶け込み、緑の生け垣に包まれるようにひっそりと立っています。まるでプライベート邸のようなホテルで、部屋数は全10室。贅沢でアーティスティックな客室が揃っています。デザインの異なる客室には地元の画家や彫刻家の作品が並べられ、絵の並ぶコリドールは美術館そのものです。中庭を中心にゆったりと静かに過ごせるプライベートホテル、その魅力は都会の隠れ家といったところでしょう。
(左)ラウンジ(右)パブリックスペース
(左)ライブラリィ(右)まるで画廊のようなホテルの廊下
オーナーは男性二人の共同経営です。そのうちの一人が生まれ育った家がここで、つまり彼の両親の邸だったものが増改築され、1996年、10室だけのとっておきのホテルが誕生しました。彼らの打ち出したコンセプトは、'タッチ・オブ・アフリカ'でした。様々な視点で捉えられた新しいアフリカや、伝統のアフリカが表現され、絵画のみならず、調度品、現代画家のコレクションなど、雰囲気のあるアフリカが感じられます。
(左)客室のひとつ(右)ラグジュアリーな客室の内観
(左)客室のサロンスペース(右)客室のバスルーム
(左)レストランとコレクションの充実したワインセラー (右)バーカウンター
庭に面したレストランは小規模ホテルの割には規模が大きく、座席数も多いのは、外部から噂を聞いたゲストや近所のリピーターが、ここで提供されるインターナショナルキュイジーヌを楽しみにやってくるからといいます。もっと驚きはワインの充実でした。常時貯蔵されている4500本ものワインは、南アフリカ産、各国のビンテージなど多種。その都度、料理に合わせてお勧めしてくれます。また、中庭が広いことからガーデンパーティーや、ウエディングパーティーなどが開かれ、貸し切りで楽しむ人も多くいるそうです。庭の隅にはプールもあり、夏になると子供の水遊びの声も聞こえてきます。ゲストの殆どは英国からの常連客で、自分の別荘のように長期滞在をし、ここから1泊~2泊でサファリに出かけていくことが多いとのこと、羨ましい休暇です!
10 Bompas Hotel
(テン・ ボンパス・ホテル)
10 Bompas Road, Dunkeld West
Johannesburg, South Africa
tel +27-11-325-2442 fax +7-11-341-0281
www.tenbompas.com
客室料金/(2011年用、1泊2名客室料金)
R.3500~(朝食、ミニバー、温かい飲み物、
ハウスランドリーを含む)
施設/レストラン「サイズ」、ワインセラー、
コリドールギャラリー、屋外プール、会議室、
ロビーラウンジ、ライブラリィ、ハマム、他

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com