お伽噺の中のシャトーのような、
丘に聳える豪華なホテル
「Gstaad Palace(グシュタード・パレス)」
グシュタード/スイス
ホテルへBon Voyage 2011.05.20
日本ではあまり馴染みのない町名(現地では村と呼んでいます)かも知れませんが、グシュタードという町は、ヨーロッパでは、スキーやゴルフ、散策やショッピングなど、長い滞在の人が多い人気の山岳リゾート地です。各国の王室、皇室関係者や映画人など有名人も多く訪れ、むしろアクティブに遊ぶよりも、ヴァカンス本来の長期滞在型の高級保養地として、のんびり、ゆったりと山裾に遊ぶといった印象です。
この町は、日本でも有名なユングフラウヨッホやアイガーを抱えるグリンデルワルト村と同じベルナーオーバーランド地方に属し、町自体はなだらかですが、その標高は1050m。その1050mというのは、偶然にもグリンデルワルト村と全く同じ標高でもあります。清浄な空気に包まれた静かなグシュタードの町には、保養地としてロングステイするための高級ホテルがたくさんあります。中でも一段と目立つのは、小高い丘の頂に聳え立ち、町のどこからでも見える、町のシンボルのようなホテル「グシュタード・パレス」です。
ホテルの全景
ホテルのオープンは1913年、外観は昔の城のような様子を残していますが、館内は2002年以来、大がかりなリニューアルが繰り返され、洗煉された豪華な造りになりました。スィートルームを含む全104室からの眺望は、いずれの方向の客室からも絶景であり、遮るもののない中で、遠くのアルプス連峰から近くの牧場まで、スイスらしい情景が一望できます。
エントランスとラウンジ
客室はいうまでもなく豪華そのものです。中でも圧倒的な豪華さと広さを誇るのは、ホテルの最上階である8階の全スペースを占めるゴージャスなペントハウスでしょう。広さは室内だけで240㎡、もちろんペントハウス専用のエレベータが完備され、テラスは三方にあり、その広さは150㎡もあるといいます。3ベッドルームはそれぞれに趣が違い、広いテラスにはジャクージが備わっており、絵葉書のような景色を見ながら入るジャグジーはさぞや・・・。驚きは、テラスから昇るタワー部分にもありました。客室内にスチームルームがあるにもかかわらず、このタワーがペントハウス専用のサウナ・タワーだったなんて、誰が想像できるでしょう。全体的にはクラシカルな内装のペントハウスですが、オーディオがBang & Olfusenであったり、薄型の大型テレビ、プレイステーションなど、様々な最新設備が搭載された贅沢なペントハウスでした。
ペントハウスのベッドルーム
左はペントハウスのテラスと、奥のタワー内はサウナルーム。右はバスルーム
レストランはメインダイニングを始め、グリルレストラン、イタリアン、スイスならではの郷土料理、フォンデュやラクレットなどチーズ料理の山小屋風レストランもあります。他にも、10室のトリートメントルームが設置された充実のスパがある1000㎡のウエルネスセンター、室内プール、テニスコート、スカッシュコート、ゴルフ場など、流石に長期滞在型のリゾートだけのことはあり、殆どないものはない設備が揃っています。もちろん、サービスも贅沢そのもの。ここまでくると、私には'贅沢過ぎて'場違いでしたが、ホテルやリゾートは夢を買う非日常の空間。時にはこんな贅沢があってもいいのかも・・・?(K.S)
左はチーズレストラン、右は「ハマム」に隣接のリラクゼーションルーム
アウトドアテラスでも軽食が食べられる。
Gstaad Palace
グシュタード・パレス
CH-3780 Gstaad, Switzerland
tel +41-33-748-5000 fax +41(0)33 748 5001
www.palace.ch
客室数:104室(スィート、ペントハウス含む)
料金:(夏期7月23日~8月29日&X'Mas
シーズンは最低5泊以上。料金は全2食・税サ込み)
1泊夏期料金/CHF.410~1.120、スィートCHF.1.340~4.300、
ペントハウス・スィートCHF.8.700~9.700、
施設:レストラン7カ所、バー&ナイトクラブ2カ所、スパ、プール、
テニスコート、会議室、ボールルーム、The Walig Hut(山荘)、他
*開館期間/6月〜9月、12月〜3月

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com