化粧直しされたヘリテージ建築と
モダニズム光るホテル棟
「The FULLERTON BAY HOTEL SINGAPORE
(ザ・フラトン・ベイ・ホテル・シンガポール)」シンガポール
ホテルへBon Voyage 2011.06.03
ホテルの外観
「ザ・フラトン・ベイ・ホテル」は、2010年7月8日、'フラトン・ヘリテージ'(フラトン遺産)の一環として華々しくオープンしました。ちょうど1年前のこと、マリナベイの再開発の一他を担い、クラシカルな雰囲気とモダニズムを融合させ、美しいひとつのホテルが生まれたのです。
ホテルの前景とロビー
1933年にオープンしたクリフォード・ピア(現在はダイニングとショッピングのできるスペースに改装)と、1960年代に完成したというカスタム・ハウス(洗煉されたF&B施設として改装)に挟まれたホテルは、正面から見ると、歴史的建造物の間で一層モダンな印象が強調されているようです。クリフォード・ピアは、外観は昔のままに姿を残し、館内がリニューアルされてホテルのエントランス棟として利用されています。歴史を感じる建物の入り口を入ると、すぐにホテルのレセプションへと続くコリドール(ホテルは玄関からこの通路をランディング・ポイントと呼んでいる)を通り、天井の高いエレガントなカウンターエリアに到達します。
左右共にオープンな雰囲気の「ザ・ランディング・ポイント」
海に面して並ぶもう一つの建物'ワン・フラトン'(ダイニング&エンターテイメント施設)、そして道路を隔て威風堂々の姿を見せているのが「ザ・フラトン・ホテル」(2001年1月オープン)です。この建物はかつて中央郵便局や政府機関が入った建物でした。まさにこの付近は、'フラトン・ヘリテージ散策路' と呼ばれるとおり、歴史と今が出会う一角となっているのです。緑と花と海、そして歴史的建造物。少し足を伸ばせば、近くにはあの'マーライオン'もあり、シンガポールの街並みの美しさに改めて触れ、街造りの総合プロデュースがいかに大切かを思い知らされました。
ジャグジー付きプレミア・ベイビュールーム。対岸には話題のビルが見える
そちらもロビンソン・スイート
さて、そのホテルですが、客室は全100室、レストランは館内に2軒あります。Cliffordというインターナショナル・キュイジーヌ提供のブラッスリー、The Landing Pointというアフタヌーンティ-やライトミール、カクテルを提供するラウンジを兼ねたオープンな場所、さらにエントランス棟としてあるクリフォード・ピアにも食事処が揃っています。因みに、シンガポールへ行ったら、一度は食べたいチキンライスを、ホテルのThe Landing Pointでいただきました。庶民的な食べ物なので本当は街のレストランで・・・と思っていたのですが、なんと、ここでも絶品でした!
(左)クリフォードの店内(右)屋上のバー「ランタン」とプール
ホテル自体は高層ではなく低層の建物です。1階のエントランス周り、レストラン2軒、ロビーなど洗煉され気品のあるデザインは、気鋭のインテリア・デザイイナー、アンドレ・フーが担当しました。世界の有名な旅行誌はもちろん、デザイン誌、アート雑誌などでも彼のデザインはオープンと同時に絶賛されました。そしてホテル外観のガラス張りは、DP Architectsにより、マリナベイというウォーターフロントをイメージして作られたといいます。ホテル内のどこにいても水に浮かんでいるように思え、各部屋にあるベランダは海にせり出し、水上コテージにいるかのような気分になります。
屋上の快適なインフィニティ・プール
さらに屋上は別世界です。プール、ジャグジー、オープンエアのルーフトップ・バー、Lanternがあり、シンガポールのウォーターフロントの全景が見渡せる絶景です。とりわけ、3本の高層ビルが並ぶ話題の「The Sands」は目の前に。ダイナミックなロケーションに、シンガポールの新しい街を満喫することでしょう。(K.S)
The FULLERTON BAY HOTEL SINGAPORE
(ザ・フラトン・ベイ・ホテル・シンガポール)
80, Collyer Quay Singapore 049326
Tel (65)6333- 8388 fax (65) 6386- 8388
www.fullertonbayhotel.com
部屋数/100室
料金/(2011年12月30日までのパッケージ)
*Pampering Gourmet Delights/1泊2名1室S$.450
2名分朝食付き、アフタヌーンティー又は
部屋のアップグレード選択、インターネット無料接続
*他、数々のプラン有り、要問い合わせ
日本での連絡先/直接現地へ、又は各旅行代理店

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com