神々しい名峰に抱かれて
冬の山岳リゾートを満喫しました。
「The OMUNIA(ジ・オムニア)」ツエルマット/スイス

 スキーもしないのに、雪降る町や村へとよく旅をします。毎度お馴染みと言われそうですが、旅先を選ぶのに「寒い地方は寒い季節に行くのが最高」という定説に心惹かれているからです。たとえば、冬のスイスといえば'スキー'以外のイメージは浮かばないと思いますが、山岳リゾートでは、スキーをしなくても十分に楽しめる設備やアクティビティなどが用意されています。もちろん、多くの滞在客はスキーが目的ですが、スノーブーツを履いて街をそぞろ歩き、ショッピングやお茶を愉しみ、冬ならではのコンサートに行き、ホテルのスパ三昧に...と、リゾート地での楽しみは少なくありません。

sekine120130_a.jpg山に囲まれた1670mの谷間にある村ツエルマット。雪の積もる冬景色は特に美しい。

 ツェルマットはスイス南西部に広がるヴァレー州にあり、標高1670m、名峰マッターホルンの山麓にある小さくてもインターナショナルな村です。環境に配慮することから世界でもパイオニアとしてガソリン車乗り入れ禁止を決めた歴史があります。スイス政府観光局東京オフィスによると、「ツェルマットの交通関連の歴史資料に、1931年にザンクト・ニクラウス~ツェルマット間の道路車両禁止という記載」「1947年には最初の電気自動車が導入されたとツェルマット観光局の村の歴史資料にある」というのです。古くから環境に対して敏感だったと驚くばかりです。現在もそれは守られ、一部の商業車を除き、村内は交通は電気自動車と馬車のみですが不便は全く感じません。

sekine120130_f.jpg山の中腹に建つホテルからは、マッターホルンが手に取るように近くに見える。

デザインホテル「ジ・オムニア」は、ツェルマットのメインストリートの中心を過ぎたあたりにあり、山の中腹45mほどの高さで岩に寄り添うように建てられ、村全体のパノラマが楽しめるのです。建物は6階建て。景観条例があり全体の美しさを保つ村ですから、ここ「ジ・オムニア」も外観は三角屋根の山小屋スタイルですが、一般的なロッジとは違い、内装はとてもスタイリッシュで洗練されたデザインに統一されています。無駄のないシャープなデザインと、山岳リゾートらしい木の使い方も巧みであり、暖炉や調度品も含め全体に温もりが感じられます。

sekine120130_b.jpgスタイリッシュなインテリアのロビーエリアとレストラン。石と木とガラスと布、自然素材の内装が温かい印象。

sekine120130_c.jpg客室のテラス前に広がる村のパノラマ。4000m級の山々が見える。

客室は全30室ありますが、例のマッターホルンが見える部屋が望みなら、早くから予約を入れることをお薦めします。でも、どの部屋にもバルコニーが付いていて、外に出れば村全体が見渡せ、また山々の景色も楽しめます。まさにこれぞスイスの山岳リゾートの醍醐味でしょう。

sekine120130_d.jpg形式を見ながら静かな休暇を過ごせる快適な部屋。

sekine120130_e.jpg客室はいずれも高級感があり、すっきりと無駄のないデザイン。木製のバスタブは心地良い。

嬉しいことにレストランも充実していて、スイス料理を始めインターナショナルキュイジーヌが提供され、季節ごとの素材を丁寧に調理したメニューが揃っています。アウトドア・プールもありますが、冬はインドアプール、フィットネス・スタジオなどで楽しめます。女性には、マッサージ室やジャグジー、サウナの揃うスパエリアが人気で、外に出なくても、ホテル内でゆったりと日がな過ごせる設備が整っています。そして、冬は「チーズフォオンデュ」の季節。新鮮で香ばしいスイスのチーズフォンデュを、是非ご賞味あれ。(K.S)

sekine120130_g.jpg流石にスイスの高級ホテルは、建築にもデザインにも、素材にもこだわり、手を抜かない。スパエリアは充実の広さ。景色も見渡せて開放感たっぷり。

The OMUNIA
(ジ・オムニア)

Auf dem Fels, CH-3920 Zermatt
Switzerland
Tel:+41 27 966 71 71
www.the-omnia.com
客室数:30室
料金:500.CHF~3500.CHF
施設:レストラン、ライブラりィ、リラックスルーム、
マッサージルーム、テラス、山の岩盤をくり貫いた
洞窟にあるガラスのラウンジ「Cavern」、他、
アクセス :チューリッヒから車か列車で約4時間。
ツェルマット駅のひとつ手前のテーシュ駅(Teasch)で
駐車し鉄道でツェルマット駅へ。駅からは徒歩8分。
ホテルの送迎は要予約。
日本の連絡先:直接現地へ、info@the-omnia.com

Kyoko Sekine

ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。

http://www.kyokosekine.com

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