【シャネル25】 ペネロペ・クルスが纏うシャネルのオートクチュール。

Chanel 2021.09.15

先頃に開催された第78回ヴェネツィア映画祭で一際、輝きを放っていたのが女優のペネロペ・クルス。オープニング作品となった『Madres Paralelas(マドラス・パラレラス/原題)』で主演を務め、さらには最優秀女優賞も獲得! 映画界でも存在感が増すばかりの彼女が大事な日に選んだのは、シャネルのオートクチュールドレスだった。

 

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シャネルのオートクチュールドレス、ルック34に身を包み、颯爽と登場したペネロペ・クルス。©CHANEL

2021年9月1日、第78回ヴェネツィア映画祭が今年も幕を開けた。コロナ禍でも中止することなく開催を続けた歴史あるこの映画祭には、今年も世界中からゲストが集結。そんな中、オープニング作品として上映されたペドロ・アルモドバル監督の『Madres Paralelas』(原題)で主演を務める女優、ペネロペ・クルスがシャネルのドレスを纏い登場した。

1999年にシャネルのランウェイショーに招かれたペネロペは、それ以来メゾンと友好的な関係を築き、カンヌ映画祭やアカデミー賞、セザール賞など数々の華やかな舞台でシャネルのドレスをセレクトしてきた。
2018年にはメゾンのアンバサダーにも就任。カール・ラガーフェルドが撮影を手がけた18/19年クルーズコレクションのキャンペーンモデルにも抜擢されている。
そんな彼女がこの記念すべきヴェネツィア映画祭で纏ったのは、花びらのような羽飾りのフリルが施されたエクリュのシルクチュールのペチコートが印象的なロングドレス。ハイジュエリーにも、もちろんシャネルをコーディネートした。

このドレスの制作時間は、約300時間! 今年1月にオートクチュールのアトリエを訪ねたペネロペもひと目惚れだったとか。シャネルが大好きだと公言する彼女がアトリエで感じたこと、そして映画祭で着用したドレスのこと、さらにはシャネルとの関係について、語っている。

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――オートクチュールに大きな魅力を感じる理由を教えてください。1月にアトリエを訪ねられましたが、どんなことに最も感銘を受けましたか?

オートクチュールとは、ヴィルジニー・ヴィアールとコレクションに携わるすべての人たちのとてつもない芸術性、才能、そして多大な努力の賜物だと思います。私は長年にわたって幾度となくアトリエを訪れ、ドレスづくりに携わるすべての女性たちに会いましたし、ショーの前日に彼女たちに会ったこともあります。彼女たちは100%完璧な仕上がりになるまでドレスを手放しません。 誰もが自分の仕事を愛していて、30〜40年にわたってカールやヴィルジニーと本当に親しく交流しながらアトリエで働き、美しい家族のように、ともに仕事を進めるなかで魔法のようなクリエイションが生み出されているのです。
目に映る光景に圧倒させられますし、彼女たちの仕事を心から尊敬しています。細やかなディテールをひと針ひと針縫っていく姿を見ていると、祖母から学んだ幾つかのことを思い出します。祖母は時間をかけて針仕事をしてました。一緒に手を動かすことはまるで瞑想のようでもありました。とてもリラックスできる時間でした。オートクチュールは、職人によるものづくりであり、称賛に値するものだと思います。

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ひと針ずつ身体のラインに沿ってドレスを仕上げる。デコレーションに用いるのは、繊細な花びらのようなシルクチュール。©CHANEL

――ヴェネツィア国際映画祭のオープニングおよび主演作であるペドロ・アルモドバル監督の『Madres Paralelas』(原題)の上映に際して、このドレスを選んだのはなぜですか? このドレスがどんなインスピレーションを与えてくれたのか教えてください。「自分のためにつくられたもの」と思えるのはどんなところですか?

キャットウォークで目にした時、恋に落ちました。あのオートクチュールコレクション全体が大好きですし、素晴らしかったけれど、そのなかでもこのドレスがいちばん気に入ったルックでした。特別なプレミアで着用するのは光栄です。なぜなら、『Madres Paralelas』(原題)を 観客と一緒に観るのは初めてですし、ヴェネツィア国際映画祭のオープニングでもあるので、とても特別な機会なのです。私にとって大変重要な作品だからこそ、特別な1着が必要でした。このドレスがまさにそれでした。身に着けることができて本当に光栄に 思っています。

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腰回りには大きなリボン、肩には羽のように美しい装飾。©CHANEL

――ドレスにはヴィルジニー・ヴィアールのスタイルやヴィジョンがどんなふうに表現されていると思いますか? 彼女とコラボレートするのはどんな気持ちですか?

彼女が行うことは100%シャネルそのものですし、すべてが新しくて、彼女らしくもあります。 とてもエレガントでシックでロックンロールですし、彼女自身を体現しています。本当に裏表のない誠実な人で、作る服やその着心地からもわかります。彼女の服は、私自身を知り、自分らしさを引き出す助けとなります。
たとえコルセットやオートクチュールのロングドレスを身に着けても、ジーンズを着ているような心地がするのです。なぜなら、シャネルを着る女性がどうしたら快適に過ごせるかが考え抜かれているからです。ヴィルジニーのとても正直で、気取らないところが好きですし、ファッションにも現れています。ヴィルジニーには長年にわたってシャネルで身に付けた知識と経験があるから、すべてにおいてバランスが取れている。ほかの人なら同じようにはいかないでしょう。とてつもなく素晴らしい仕事をしていますし、そんな彼女と仕事ができて幸せです。

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――ヴェネチア国際映画祭のオープニング作品となりましたが、感想を教えてください。 この映画祭をとても大切に感じているのはなぜですか?

この映画が大好きなので、オープニング作品となってとてもうれしく思っています。ペドロ・アルモドバル監督とは公私ともに親しくしていて、私にとって彼は家族と呼べる人です。彼は私のキャリアにおいて最も難しくて美しい役を与えてくれました。私たちは、この映画が人々の心に響いてほしいと思っています。

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繊細なシルクチュールを贅沢に使用。©CHANEL

――女優としてのキャリアが始まって以来、長年にわたってシャネルとの関係を育み続けてきましたが、この関係はあなたにとってどのようなものですか?

シャネルとの関係はとても長いものです。初めてショーに出席したのは1999年でした。その時、カールはもちろん、いまでもシャネルで働いているたくさんの方々と出会いました。シャネルというメゾンが大好きになり、コレクションはずっとフォローしてきましたし、シャネルの活動に感銘を受けていました。私自身、メゾンのファンのひとりです。ですから、3年前、カールとのディナーの後、 メゾンのアンバサダーになることが決まって、感激しました。彼が撮影するクルーズキャンペーンに参加しないかと声をかけてくれたのです。それ以前も、数々の特別なイベントでシャネルを着用していましたし、アカデミー賞授賞式のように、私のために制作してくれたルックもありました。シャネルのたくさんの方々と特別な関係を築いてきましたし、同じ価値観を共有しているという思いがあります。シャネルファミリーの一員であることは、幸運なことであり、 誇らしく感じています。

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ペドロ・アルモドバル監督とペネロペ・クロス。©CHANEL
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クロージングセレモニーで纏ったドレスに、ヴォルピ杯を掲げて。©CHANEL

9月11日に幕を閉じたヴェネツィア映画祭で、ペネロペ・クスルは最優秀女優賞に当たるヴォルピ杯を受賞。ペドロ・アルモドバル監督が手がける最新作『Madres Paralelas』(原題)で子育て経験の浅い未熟な母親役を演じるペネロペは、劇中でもシャネルのジャケットを着用している。映画祭のクロージングセレモニーにも、もちろんシャネルのオートクチュールドレスで現れ、会場に花を添えた。

 

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text: Tomoko Kawakami

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