シャネルの新しいアイウエアのキャンペーンビジュアルが公開された。今回、主役を務めたのは、モデルのヴィヴィアン・ローナー、ヒュンジ・シンに加え、音楽業界の名プロデューサーの姿も!!
2023年のアイウエアの顔となったのは、モデルのヴィヴィアン・ローナーとヒュンジ・シン、そしてディスコミュージック界の大物、ナイル・ロジャースだ。70年代に人気を博したバンド、シックのギタリストで、80年代以降、プロデューサーとしても活躍している。
そんなナイルは、カール・ラガーフェルドがアーティスティックディレクターを務めていた時代から、シャネルと親交が深い。メゾンによるカスタムメイドのベレー帽を被り、新作のアイウエアを身につけたナイル。そして、メゾンのコードをちりばめた最新作のアイウエアを幾つも着用したヴィヴィアンとヒュンジ。フォトグラファーのカリム・サドリが撮影したヴィジュアルは、アーティスティックな人々が集う70年代のディスコの熱気、そして活気にあふれたパーティの夜を想起させる。このシューティングで出会ったナイルとヴィヴィアン、そしてヒュンジがさまざまな話題に触れながら繰り広げた、楽しい対話を大公開!
アイウエアを纏って。左:ナイル・ロジャース 右:左上から時計回りに、ヴィヴィアン・ローナー、ナイル・ロジャース、ヴィヴィアン・ローナーとヒュンジ・シン、ヒュンジ・シン。
Questions from Vivian and Hyun Ji to Nile.
ヴィヴィアンとヒュンジがナイルに聞きたいことは?
寝ているときもサングラスを!?
ヴィヴィアン・ローナー(以下V):ナイル、かつてジョン・リー ・フッカーがあなたにアイウエアをかけていないときには絶対に写真を撮られないように助言をしたという記事を読みましたが、それは本当ですか?
ナイル・ロジャース(以下N): ああ、本当だよ。アメリカのテレビチャンネル、VH1で番組を持っていて、ジョン・リー・フッカーがゲストと して出演してくれてね。その収録後、私を引き止めて、「これがクールのルールだ、写真を撮られるときは絶対にアイウエアを外すなよ!」と言ったんだ。それ以来、ずっとアイウエアをかけ続けているよ。
ヒュンジ・シン(以下H):ベッドでもアイウエアをかけていますか?
N:そうだね。度付きのアイウエアだからベッドでもかけているけど、寝る時は外している。
ナイルにとって、シャネルとは?
V:シャネルのメゾンと関係を持つようになったきっかけは? また今回のキャンペーンの顔になったことをどのように感じていますか?
N:モナコにあるカール・ラガーフェルドの邸宅、ラ・ヴィジーで行われたシャネルのパーティーで演奏する機会があって、そのサウンドチェックからショーまでの間、ドレスアップごっこをして遊んでいたんだ。そのとき、私がシャネルのスタイルを自分らしく、ごく自然に取り入れていたことに誰かが気づいてくれたのだと思っているんだがね。それから、次のアイウエアのキャンペーンに出ないか? と誘われたんだ。言葉が出なかったよ。光栄であるとともに、恐れ多く、正直言って衝撃だった。
H:マイアミで行われたシャネルのクルーズのショーでは、砂に足をつけながらパフォーマンスを聴くことができて、本当に楽しかったです。あの時間はいかかでしたか?
N:私はマイアミに住んでいるし、シャネルで働いているみんなと一緒に創作することが好きなんだ。だから本当に素晴らしかった。しかも、その日は会場まで歩いて行ったんだよ。
H:あなたにとってシャネルとはどんな存在ですか?
N:最高峰であり、最も権威のあるラグジュアリーファッション メゾン......そう思っていたが、(2022/23 メティエダール コレクションのショーのために)12月にダカールへ行き、シャネルのもうひとつの側面を目の当たりにしたんだ。美と芸術性への追求、それから服や装飾品を通して自分にとってのスタイル、心地よさ、信念を表現するすべての人々の才能に対する敬意を見たよ。
V:ダカールの地を踏んだ体験をどのように感じましたか?
N:とてもエモーショナルだった。ゴレ島、奴隷の家、帰らざる扉といった、今日の世界を作るために何百万人もの奴隷が売られた場所を窓から見ると、胸が張り裂けそうだった。だが、私が出会った地元の人たちは愛情が深く、前を向いていたから、高揚感に満ちた旅でもあったんだ。彼らと昼食をともにし、一緒に未来を祝ったよ。島を訪れて、過去を嘆き悲しむことはなかったんだ。
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ビッグフェイスのスクエアフォルムがクールな印象をアップ。
シックとは? 刺激を受ける人々は?
V:楽曲「Le Freak」で知られるあなたが率いるバンド、CHIC。その名にちなんで、 意外にシックだなと思うものを教えていただけますか?
N:私のバンド、友人たち、目標、そしてほとんどのアーティストたち。スタイリッシュな人たちは皆、どこにいようとシックだ。「ファッションは移り変わるが、スタイルは永遠 」、ココ シャネルはそう言っていたね!
V:素晴らしい曲の条件とは何ですか?
N:聴く人の心、精神、魂を掴むんだ......踊っているときの足の裏のように、奥底からね。
H:今日、とりわけインスピレーションを受けているミュージシャンは誰ですか?
N:ビヨンセ、リル・ナズ・X、ザ ・ドリーム、サンダーキャット。それからジョン・コルトレーン、 ニーナ・シモン、エリック・ドルフィー、マイルス・デイヴィスからセルゲイ・プロコフィエフ、モーツァルト、ヘンリーマンシーニまで、彼らは私の人生で心、精神、魂を掴んで離さないミュージシャンなんだ。
H:ご自身の楽曲について話してくださいと言われた時、最初に思い浮かぶ3曲は何ですか?
N:「Good Times」、「I'm Coming Out」、それから「Le Freak」。「Good Times」は、最初の大衆的なヒップホップソング「Rapper's Delight」の音楽的なテンプレートになったものだからね。 「I’m Coming Out」は、バンドとダイアナ・ロスを支えてくれた大規模なクィア コミュニティに敬意を表するための私たちのやり方だった。この楽曲は、40年以上も続く、彼女のライブのオープニングソングである。ふたつのポジティブな意味合いがあるんだ。
V:ナイル、私はデヴィット・ボウイの大ファンなのですが、一緒に仕事をしてきましたよね。そのことについて教えていただけませんか?
N:デヴィットとの出会いは、私の人生に大きな転換をもたらした。素晴らしい出来事だったよ。芸術という名の不安定な道を、恐れることなく、彼の人生最大のアルバムであり私の最も重要な作品の一つへと、一緒に歩みを進めていくことができた。しかも、たった17日間で作り上げたんだ。もう最高だったさ。
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テンプル部分に小さなダブルシーロゴを配して。
Questions from Nile to Vivian and Hyun Ji.
ナイルがヴィヴィアンとヒュンジに聞きたいことは?
初めて会った日のこと。
N:私たちがいつ、どこで初めて会ったか覚えているかい? このように今回のキャンペーンで再会してどう感じている?
H:マイアミでお会いして、とても光栄でした。ナイル、あなたは伝説ですから。
V:私たちは世界のあちこちで会う機会が何度かありましたよね。最初は、昨年のモナコのクルーズショー。その後、マイアミで再会しました。あなたの曲「Le Freak」を少なくとも1000回は聴きましたが、決して色褪せません。撮影でもキャンペーンのムードを盛り上げてくれてくれたのがその曲でしたね。まるでアンディ・ウォーホルがポロライドカメラを持って夜遊びをしていた時代にタイムスリップしたかのように。あの頃は、生きているのがそれは楽しい時代だったのでしょうね。
N:ヒュンジ、君は昨年11月にマイアミで行われたシャネルのクルーズ コレクションのショーでオープニングを飾ったね。メゾンの顔になることをどのように感じている? 幼少期のシャネルの思い出は何かあるかい?
H:シャネルのモデルになることは、いつも光栄であり、誇りに思います。ずっとシャネルと働くことができたらいいのに! カール・ラガーフェルドが最初にショーを歩く機会を与えてくれて、次にキャンペーンに誘ってくれたのが、私の旅の始まりでした。それ以来、ヴィルジニーは私のことをとても大切にしてくれて、いまは家族同然です。ランウェイを歩くのに、いつも最高に素敵な服とアイウエアを与えてくれて感謝しています!
N:君たちはシャネルのさまざまな顔を体現しているが、ほかのメゾンとどう違う?
H:シャネルは特別です。いつも温かい雰囲気に包まれていて、誰もが自分を大切に思ってくれる。まさに、家族のような場所なんです。
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アイコニックなパステルピンクのフレームはどこか懐かしいムードで。
モデルをしてない時は?
N:モデル業をしていない時、何をするのが好き?
H:見知らぬ土地を旅したり、映画を観たり、ピラティスをしたり、ゴルフをしたりするのが好きです。スキンケアにハマっているので、いつも新しい製品を探すこともありますが、やっぱりいちばん好きなのは、母と子犬たちと過ごすことでしょうか。
V:ニューヨーク・モントークの東海岸を新車でドライブすること。
N:世界で最もスタイリッシュな人物は誰? またその理由は?
V:ニューヨークのアッパーイーストサイドを歩き回るのが好きなのですが、世界中を旅していても、アップタウンほどシックな女性や男性を見かける場所はありません。真のオールドスクールスタイルでシックです。
H:ダイアナ元妃です。ダイアナは、いつもシックで、しかるべき方法で色々なものをミックスするすべを知っていました。たくさんのインスピレーションをもらっています。
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深緑色のフレームでシックな雰囲気を纏って。
生き生きとした気分になれる曲は?
N:いちばん生き生きとした気分なれる曲は?
V:デヴィット・ボウイの「Wild Is the Wind」。14歳の頃からずっと好きな曲です。 いまでも聴くたびに泣きそうになります。本当に生きていることを実感させてくれるんです。音楽には深い愛着を持っていますが、デヴィットは10代の頃から心に残っていて、それはずっと変わりません。メロディに触れただけで、これほどまでに感情を掻き立てられ、感動することができる。一つの音、一つの節、一つの文章だけでも夢を見たり、思い出が蘇るんです。
H:いまの私にとっては、タイ・ヴェルデスの全曲です。
N:お気に入りのパーティソングは?
H:シックの「Le Freak」です!
N:シックを聴いたときの印象的な思い出はあるかい?
H:いちばん思い出深い瞬間は、あなたが目の前で「Dance, Dance, Dance」をギターで弾いて、私にギターピックを渡してくれた時です!!
V:シックはディスコミュージックの生みの親です! ディスコという単語を聞くだけで、シックを連想してしまうほど。ディスコ、ファンク、フォーク、そして50年代から90年代前半までのロックが私の好きなジャンルです。10代の頃から私のアイドルはデヴィット ボウイですが、あなたがデヴィットのナンバーワンのヒット曲をはじめ、驚くほどたくさんのミュージシャンのベストセラーのヒット曲を手がけたことを知ってからは、シックの世界に深く入り込みました。
撮影現場のムードを、そしてシャネルの世界観を共有した3人。ともに音楽を愛し、独自のスタイルを持った3人のカンバセーションは、世代の垣根を超えて弾むものとなったようだ。
シャネル カスタマーケア
0120-525-519(フリーダイヤル)
text: Tomoko Kawakami, photography: Chanel