時を超えて輝く、シャネルのコスチュームジュエリー。
Le cercle Chanel 2017.11.29
2017/18年クルーズコレクションで、シャネルは数々のコスチュームジュエリーを発表した。“洋服に合うジュエリーを選ぶこと”が重要だと考え、本物の宝石だけではなく、コスチュームパールやストーンを飾ったジュエリーの魅力を早くから唱えていたのがマドモアゼル・シャネルだ。
ホルストによる、マドモアゼル・シャネルの有名なポートレート。この特徴的な椅子は後にカール・ラガーフェルドがオークションで見つけ出し、現在はパリにあるマドモアゼルが過ごしたアパルトマンに飾ってある。
1937 Portrait of Mademoiselle Chanel by Horst Condé Nast - Corbis ©CHANEL
1920年代から、コスチュームパールやガラスを使ったアーティスティックなコスチュームジュエリーを発表し、スタイルを完成させるためのジュエリーの選び方を世界中に広めていった。さまざまなジュエラーやコスチュームジュエラーたちと積極的にコラボレーションしてきたシャネルが、1954年から現在までタッグを組んでいるのが、パリにアトリエを構えるゴッサンス パリだ。
フランスの婦人誌「Femina」に1924年に掲載されたシャネルのコスチュームジュエリー。photo : Adolf Demeyer ©CHANEL
金細工職人ロバート・ゴッサンスは、シャネルのビジョンを正確にジュエリーに落とし込むことが可能な人材として、彼女のクリエイションには欠かせない才能のひとり。ロバートは、マドモアゼルの愛したクロス、ライオン、太陽、そして星などをモチーフにしたジュエリーを製作し、それはメゾンの定番へと進化していく。コレクションを製作している時には、いつもカンボン通りの31番地にあるシャネルのアトリエで、毎日のように語り合っていたふたり。最近読んだ本のこと、訪れたミュージアムのこと……そんなさまざまな話題から、あの斬新なコスチュームジュエリーたちが生まれたのだ。
アトリエで働くマドモアゼル・シャネル。photo : Roger Schall, 1937 ©CHANEL
それからマドモアゼル・シャネルとロバートのコラボレーションは、彼女が亡くなる1971年まで続くことに。現在、ロバートが設立したジュエリーブランド、ゴッサンス パリは娘のマーティーン・ゴッサンスに引き継がれ、2005年にはシャネルの傘下に収まった。そして現在も、シャネルのコレクションを彩る美しいコスチュームジュエリーを作り続けている。
1988年春夏プレタポルテコレクションより。photo : KARL LAGERFELD ©CHANEL
1989年春夏プレタポルテコレクションより。photo : KARL LAGERFELD ©CHANEL
1991年秋冬プレタポルテコレクションより。モデルはリンダ・エヴァンジェリスタ。 photo : KARL LAGERFELD ©CHANEL
2007/08年メティエダールコレクション パリ-ロンドンより。photo : KARL LAGERFELD ©CHANEL
2017/18 クルーズコレクションより。photo : KARL LAGERFELD ©CHANEL
texte : TOMOKO KAWAKAMI, graphisme du titre : KAORU MASUI ( [tsukuru] )