シャネルのキーワード23 刺激的な展覧会が上海へ!
シャネルを紐解く24のキーワード 2019.04.26
2015年のロンドンを皮切りに、ソウル、香港と巡ってきたシャネルの展覧会『マドモアゼル プリヴェ』が上海に上陸。4月20日から6月2日まで、上海のウエストバンド・アート・センター(West Bund Art Center)で開催されている。
上海での開催に先駆けて公開された『マドモアゼル プリヴェ』展のティーザー。 © CHANEL
3つのスペースからなる展示会場では、「シャネル N°5」の原料を紹介するコーナーや、ガブリエル・シャネルが初めて発表したハイジュエリーコレクション「ダイヤモンド コレクション」の復刻版の展示など、メゾンの遺伝子を雄弁に語る内容に。カール・ラガーフェルドが手がけたオートクチュールピースも間近で観ることができる。
会場のウエストバンド・アート・センター。『マドモアゼル プリヴェ』展のネオンサインが彩る。 © CHANEL
シャネルの過去のオートクチュールピースを間近で観られる、貴重な展示。© CHANEL
オートクチュールの展示スペースでは、カール・ラガーフェルドによるスケッチも公開。 スケッチブックやペン、絵の具などをディスプレイし、パリのカンボン通りのカールのスタジオが再現されている。 © CHANEL
ハイジュエリーの展示スペース。 シャネルが愛した中国のコロマンデル屏風のモチーフが、空間演出に取り入れられている。 © CHANEL
100年近く前にクリエイトされ、いまなおシャネルのアイコンであり続けるフレグランス、「シャネル N°5」にまつわる展示。 © CHANEL
映像によってシャネルの世界観を伝えるスペースも。 © CHANEL
メティエダールの展示より。精緻な職人技を目の当たりにできる。 © CHANEL
こちらもメティエダールにまつわる展示風景。 © CHANEL
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Mot-clé 23 / シャネルのキーワード 23
ガブリエル・シャネル Gabrielle Chanel
『マドモアゼル プリヴェ』の“マドモアゼル”とはもちろん、ガブリエル・シャネル。この画期的な展覧会には、シャネルのアイコンがさまざまな形で散りばめられている。
1937年にマン・レイにより撮影されたガブリエル・シャネルのポートレート。 © Man Ray Trust / ADAGP Paris 2014
ガブリエル・シャネルは幼い時に母親を亡くし、12歳のとき、父親によって孤児院へ預けられた。約7年間、孤児院で過ごしたのち、お針子として生計を立てていた彼女は、夜にはキャバレーで歌を歌い始める。その時に付いた愛称が“ココ”。生涯、彼女が愛用することになるニックネームだ。
ボーイッシュなスタイルでも注目を集めた彼女は、女性向けの帽子からフェザーなどの飾りを取り除き、シンプルで軽いハットを考案。その新しい帽子は瞬く間にパリの女性たちの間で話題になる。英国人の実業家、アーサー・カペルのサポートを受け、1910年、パリのカンボン通りに帽子専門店をオープン。現在でもシャネルの本店は、このカンボン通りにある。
1954年、最初のコレクションにて。 © All Rights Reserved
その後、既製服でも成功を収めたガブリエル。そのあらゆる締め付けから女性のボディを解放した、新感覚のエレガンスを纏ったデザインは世の中の女性たちを虜にする。さらなる快進撃を続けるガブリエルは1921年、初の香水「No.5」を発表。クチュリエとして活躍しながら、パフュームも手がけたのは、彼女が初めてだった。「香りは服と同じくらい大切なもの」と彼女は語っている。
1962年、カンボン通り31番地のブティック前で。 © All Rights Reserved
その後、1932年には、ダイヤモンドが主役のハイジュエリーコレクションを世に送り出すなど、多岐にわたってそのクリエイティビティを発揮。ファッションブランドに多様性を与え、その概念を変えたのも、またガブリエル・シャネルだった。
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上海でのスペシャルな夜に集ったセレブリティ。
4月18日、エキシビションのプレビュー&オープニングが上海で開かれ、世界中からセレブリティが駆けつけた。シャネルのアンバサダーでもあるキーラ・ナイトレイやキャロリーヌ・ドゥ・メグレ、リウ・ウェンなど、シャネルのコレクションやジュエリーを身に着けた華やかな顔ぶれが揃った。
セレブリティたちが『マドモアゼル プリヴェ』のために語るティーザー。 © CHANEL
『マドモアゼル プリヴェ』プレビューに訪れた、シャネルのアンバサダーを務める女優のキーラ・ナイトレイ。 © CHANEL
キーラ(右)と語らうキャロリーヌ・ドゥ・メグレ(左)。 © CHANEL
夜にはプライベートコンサートが開催され、デュア・リパがステージに。© CHANEL
コンサートにはシャネルと縁の深いイベイーも登場。 © CHANEL
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シャネルを纏ったセレブリティをキャッチ。
texte : TOMOKO KAWAKAMI, graphisme du titre : SANKAKUSHA