子どもの傷、できてしまったら? 跡を残さないために。

写真・文/CHICO SHIGETA(SHIGETA主宰・ホリスティックビューティーコンサルタント)

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子どもは、あちこちで転んだり、ぶつけたりして、たくさん傷を作ってしまうものです。また、不慮の事故で切ったりすることもあります。

今年の2月に、短期間借りたコンドミニアムのベッドからぐりが落っこちて、落ちた拍子に顎を打ち、パックリと3cmくらいの長さで切れてしまいました。少し深い傷口で、しかも滞在しているタイは湿度が高い時期だったので、傷口が閉じるまでにも時間がかかりました。傷口がふさがってからも、粘膜のボコッとした感じと、傷跡が残ったので、これが後年まで残ったら可哀想だな、と心配していたのですが……マメにケアをしたおかげか、今ではほとんど見えません。

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実はこのときは、私が自分の帝王切開の傷口のケアの仕方を学んだ方法をそのままやってみたのですが、効果があって本当に良かったです。子どもの皮膚の修復力は、大人の私たちと違って驚異的ではありますが、場合によっては、傷口が閉じたからと言って放って置かずに、もう少しケアをしてあげると傷跡も早く見えなくなります。

今回は子どもたちの「あっ!」という時に、私がエッセンシャルオイルを使って行なっているケアの方法をご紹介します。

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「タンコブ」

●額をぶつけるのは小さな子どもたちにとってもはや“あるある”ですが、ときには青あざが残ってしまうことも。そんな時、タンコブやあざを少しでも早く、小さくしてくれるのは、イモーテルオイル(ヘリクリサムオイル)です。レンヌ大学のアロマテラピーの先生がお孫さんの話をされていた時に聞いてから即実践。

それからは、娘たちのタンコブに何度お世話になったかわかりません。場合によっては15分で萎んでしまったこともありました。高価なオイルの一つではありますが、一回に使う量は一滴とかなので、小さいお子さんがいる家族の薬箱には、マストハブでもいいと思います。

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おでこにたんこぶを作った夜、イモーテル(ヘリクリサム)オイルをつけた後。

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2日後のおでこ。光の加減は違うものの、ほとんど跡が見えません。

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「擦り傷」

●生理食塩水できれいに洗ってから、ラべンダーオイル(ティートゥリーでも良いと思います)をそのまま1、2滴つけています。量は傷の大きさによって異なります。小さなお子さんから使えるオイルですし、殺菌力があり、早くかさぶたになるのです。かさぶたになってからは、ラベンダーオイルを少しだけ混ぜた植物油(ホホバオイルやアプリコットオイル、シアバターなど)をつけてあげると、さらにきれいになります。これは、虫刺されで掻いてしまって残った跡にもおすすめですよ!

「小さな切り傷、小さな火傷」

●擦り傷と同じような処理で良いと思います。火傷は冷やします。傷口が閉じてから、なかなか跡が消えない場合には、後で説明する「傷跡のケア」を参考にしてください。

「深めの切り傷」

●冒頭に記したように、夏のように湿度が高い時には、傷口が閉じにくく、化膿しやすいので注意が必要です。このような場合には、エッセンシャルオイルをつけるとかなり染みるので、生々しい傷口が少し落ち着いてから、消毒液の代わりにラベンダーオイルをつけています。傷口が完全に閉じたら、傷跡が残らないように下記の「傷跡のケア」をします。

※これは深い!と思ったら消毒水できれいにして、消毒してからガーゼを当てて、病院で診てもらうことをお勧めします(縫製が必要なこともあるので)。

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「傷跡のケア」

この傷跡のケアは、大人も子供も、古い傷跡にも、新しい傷跡にも施していただけるケアの方法です。この連載の初期にも触れたことがありますが、自分の手で行うマッサージで、血流、酸素を送り込んで、どんどん皮膚組織を活性化していく方法です。私は元々帝王切開の傷口のケアとして始めました。皮膚の一枚下で粘膜が癒着しているような傷もきれいになります。子どもの深い切り傷も、傷口そのものが見えなくなっても、なんとなく表面がフラットではないなぁ、という時にぜひやってみてください。

●傷跡にオイルをつけます。私は、子供の傷跡には、ベビーマッサージオイルや、ママンモイスチャーバームを使います。自分の傷跡には、最初の半年間くらいは、特に抗酸化力、抗炎症作用が高いEXオイルセラムを使いました。そして、その後ママンモイスチャーバームにきりかえました。良質な植物オイルは皮膚の回復を助けてくれます。

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ケア方法

⚫︎傷口に沿って皮膚をつまみ、つまんだまま引く。これを傷跡と傷跡周辺を行う。粘膜の癒着がある箇所はチクッとした痛みを感じることがありますが、平になってくる頃は、痛みも感じなくなります。

なかなか消えない傷跡のケア方法 (または、ケロイド状になったもの)

上記の方法に沿ってケアをして、皮膚がフラットになったけれど、傷口がケロイド状になった、線が消えないという時には、別の方法が有効です。この方法は、現在80歳の女性セラピストが作った方法で、実際に私も彼女の愛弟子にケアを施していただき、帝王切開の後がケロイド状に残っていたものが、本当に目立たなくなりました。ただし、この方法は、結果が出るまでにとても時間がかかります。

パックリ深く切れてしまった部分は、皮膚や粘膜だけではなく、神経繊維も切れてしまいます。神経繊維は全身に張りめぐらされていて、回復が不完全な場合、その神経繊維はプッツリと切れてしまったことで機能が休眠状態になってしまっている。それを覚醒させていくことで皮膚の状態を改善していくと肌が回復する、という方法なのだそう。実際にケアを体験された方からも、早く効果が出る場合もあるけれど、半年か1年くらいかかるとことが多いと聞いていましたが、私は産後1年半後からケアを体験し、効果が現れるまでさらに1年半くらいかかりました!

でも、これは1年半ものあいだ毎日行うわけではなく、2週間くらい頑張って、1年後に再度数日行って、後は放置……してました(笑)。でも、ふと見たら傷跡の状態が全然変わっていたのです。

●片手で皮膚を押さえ、傷口の線に向かって指先で同じ方向に斜めにさすっていく。反対方向にさする。これを傷口の両サイドに施します。傷口の線に並行して指先を使ってさすっていく。反対方向にさすっていく。これを、傷口の両サイドに施します。ポイントは、丁寧に行うことです。

自分の手が施したことでちゃんと目覚め、その後しっかり体内で機能をし始めてくれて、じっくり時間をかけて修復してくれたのね!という事実に驚くとともに、身体の神秘を感じました。本当に身体ってすごい! 傷跡ケアは特に大人向けかもしれませんが、気になる箇所があったらぜひやってみてくださいね。

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SHIGETA主宰、ホリスティックビューティーコンサルタント。美しい肌と体を育むためには心身のバランスこそが不可欠と考え、長年フランスおよび日本にてビューティーメソッドを探求。その経験と実績をもとにバイタリティー・コーチング®を考案。現在は、パリのセレブリティやアーティストのためのパーソナルコーチとして活動するほか、大手化粧品会社や美容機器会社のコンサルティング及びブランドスポークスマンとしても活躍中。近著に『「リセットジュース」を始めよう~パリ美人のダイエット』(講談社刊)など、著書多数。ナチュラルでホリスティックなライフスタイルウェブマガジンSpring Stepの編集長も務める。

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