ところで、いつごろオムツとサヨナラする?

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小さなべべたちのオムツをせっせと変えていると、これが永遠に続くんじゃないかとさえ思う時期がありました。このオムツをしている人達が自分でトイレに行くようになるところが、とても想像できなかったからです。笑
一体彼女達にも、オムツが取れる日がくるんだろうか?二人分の換えのオムツやオムツシートを常に持たずに、もっと身軽に移動できる日がいつの日かやってくるのだろうか、、、?と思っていました。

早くオムツを卒業しなくては、と焦っているわけではなかったのですが、持ち物が減ることに越したことはない。(旅に出るときは、トランクの半分くらいはオムツが入っていました。笑)

私の周りでは、「〜ちゃんは、もうオムツ取れたんだって!」という声もあまり耳に入らず、煽られるようなこともなくかなりマイペースでしたが、とりあえずは布オムツに変えるところからスタートしました。濡れた気持ち悪さで、早くオムツを卒業すると聞いたことがありましたし、実際に私が購入した、オーガニックコットンの布オムツを作っているプリスティンでは、なんと18ヶ月でオムツにサヨナラしたというお子さんと出会いました。
それを聞いて、オムツ卒業ってそこまで難易度高くないのかも?と思って早々に始めることにしたのです。

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photo:CHIHAYA KAMINOKAWA

コットンの布オムツに換えたころ、娘達はちょうど1歳を迎える少し前でした。
換えたことに二人はそれほど抵抗はなく、とは言え濡れたオムツが気持ち悪くて嫌がるのはぐらだけで、ぐりはオムツが濡れていても、どこ吹く風。。。
そこで、肌が濡れたことを不快だと思う子供とそうでない子供がいるんだなぁーと思いましたが、とにかく続けてみようと、6ヶ月くらい布おむつ生活を毎日続けたところで、娘達を保育園に預けることにしたため、保育園の間は紙おむつ、家では布おむつ、というリズムになりました。
すると、今度は布おむつをつけることに抵抗を示すようになって、最後には、とうとう布おむつをつけることが、至難の業になってしまったのです。
布おむつに不快感を示していなかったぐりも、1歳半で布おむつをつけたがらなくなったように、感度も成長していくんだなぁーと感じたのでした。
二人分のたっぷり買っておいた良質のオーガニックコットンの布おむつが使えなくなって、さすがにがっかりしましたが、どうしても履いてくれないのであればと、仕方なく諦めることに。。

その後、思い立ってトイレトレ用のパンツなるものを購入したりしてみたものの、劇的な変化もなく、一人でトイレができるようになるためには、なんだか「気持ち悪い」以外の感覚もあるような気がしていたところ、パリの双子先輩ママが、「階段を両足交互に上り下りができるようになったら、尿道周りの筋肉が成長したってことだから、その頃が始め時だよ!」と教えてくれたのです。

それを聞いて、なんとなく「オムツを取る」という目標ではなく「一人でピピ(フランス語でおしっこ)ができるようになる」という目標が見えてきたのです。
この二つ、実は似て非なるものなのです。一人でピピをするとなると、それができるかどうかだけではなくて、トイレに行って、ズボンやパンツを下ろす、おまるにしゃがむ、と行った一連の動きがあるわけです。

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そこで、「トイレトレ」とは、まさにオムツを取るためのトレーニングではないのだ!と、一番大事なことにようやく気がつき、やるんだったらちゃんとやろう!と本を探し始めました。そこで見つけた本が『カリスマナニーが教える1週間でオムツにさよなら』(朝日新聞出版刊)でした。
そこに書かれていたことは、そもそもまず自分でトイレに行って、ズボンとオムツの上げ下げができる→ピピができる→拭く→手を洗って拭く。ここまでの一連の動作ができることが、一人でピピをすることなのだと書かれていました。
我が家の娘たちは、そもそも自分で洋服さえ着ることができなかったので、トイレトレなどと背伸びしたことを言ってる場合ではありません。まずは自分で洋服を着ることから始めよう!となったわけです。
そうこうしているうちに階段の上り下りも片足ずつではなく、両足を交互にスイスイできるようになりました。この時点で2歳と2ヶ月くらいだったと思います。
その時に通っていたプレスクールは年末年始以外に長い休みがなく、7日間でオムツを取るためのトレーニングの、この7日間みっちり一緒に時間を作るタイミングを見計らっていました。そんな時祝日と週末を合わせて5日間は確保できるという機会があり、よしここでまず思いっきりやってみよう。と準備を始めました。

トイレトレーニングのリーダーは私たち親。子供たちは、今オムツで楽チンなので「どうでも良い」と思っていることを、わざわざモチベーションを高め、おまるでおしっこをするという感覚を理解させ、自立させることが目的なので、「やるぞ!」と腹を括るのは子供ではなく、わたし。

【準備したもの】

はきたくなるパンツをたくさん(我が家は二人分で16枚用意しましたが足りない日があった)
大きく名前を書いた好きな色のおまる
リワードシート(エクセルで作ったレベルのワクワクしたものではなかった。。)
シール

常にスタンバイさせておくもの

洗剤を入れた洗面器
モップとバケツ

最初の3日で、まずおまるでピピをするという感覚が発見されてきて、なんとなく理解できた感じでした。15分ごとにトイレに誘うのですが、(ここに根気がいります)日にちが経つにつれて、だんだん間隔が開きます。
パンツは、どんどん 濡れていくので、その片付けに手間がかからない導線を作って置きます。(ピピだけなら、サッと水かお湯で洗い流して、洗剤を入れた洗面器にポイッと入れておく)

成功したときには、褒め称え、自分の名前が書いてあるリワードシートに自分でシールを貼らせます。私は、このときにQueenの「We are the champion 」のWeの部分に名前を入れてサビの部分を歌っていました。笑
これで2人は「おまるでピピができるって、なんかすごい事をやり遂げた気分」にさせて、モチベーションを高めていました。

ここでは、親の焦りや苛立ちがプレッシャーにならないことが大事で、「なんでできないの〜」とか言わずに、「今回は間に合わなかったけど、次はきっと!」と簡単に済ませて、次にどのパンツを履きたいか選ばせる。(とは言え、時々ため息出てましたが、笑)

ここで気づいたことは、そもそも濡れたオムツが気持ち悪いと1歳から敏感だったぐらは、ピピのタイミングをつかむのにそうは時間がかかりませんでしたが、あまり気にしてなかったぐりは、その感覚がよくわからないようで、おまるでできる回数が断然少ないのです。感覚に対する精度の差異が2人にあるんだなと思いました。

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5日間のトイレトレブートキャンプの後、2人は7ー8割くらいはトイレでピピをすることができるようになりました。遊びに夢中の時に間に合わないくらいのレベルです。

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翌週、プレスクールの先生にトイレトレをしたという現状を伝えると、「ここでもできることはやります」と言ってくれたものの、毎朝パンツで意気揚々と出かけても、毎日濡れたパンツがビニール袋に入って、替えのパンツではなく、オムツで帰ってくるのです。
他の子供もたくさんいる中で、興奮して遊んでいれば当然トイレに間に合わないわけで、そりゃうちの娘たちのおもらしの掃除とかしている手間がかけられないはず。
そう思って、帰宅後と週末にゆるやかにモニタリングしていくことにしました。細やかに「ピピ大丈夫?」と尋ねながら。トイレに座りたくなるような、携帯用の子供便座と二人分の替えのパンツとボトムスと濡れたものを入れるビニールは常に持ち歩くので、オムツの時より荷物が多め。

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また、夫が一人で二人を連れて外出する時にはオムツを履かせていたり、未完成のまま4ヶ月あまりが過ぎた頃、コロナ禍でスクールがクローズしました。
それを機に、あの5日間のブートキャンプの要素を取り入れつつ、昼寝と夜寝る時以外はパンツで、後はこまめにトイレに行きたいかどうかを聞く、でもこのときは、間に合わなかったら、自分でバケツとモップを取りに行って、床掃除は自分でさせることにしました。
3日目には、昼間のアクシデントが全くなくなりました。
モップがけが面倒だったという理由も大きいようです(笑)。
ここでちょうど2歳と9ヶ月。

この一連のオムツ卒業までのステップを振り返ってみると

1) 自立したい気持ち
2) 筋肉の発達
3) 神経の発達

トイレの自立には、この三拍子が必要だと感じています。この3つの項目の成長の速度はみんな違います。うちの娘2人を見ても、トイレに行きたいと感じる感度に敏感か鈍感かも違っていたように、みんなそれぞれです。またどれかが抜きん出て、他の条件をカバーできたりするのかもしれません。
結局私たち親ができることは1)を育むことぐらいなのかもしれません。
後はその子の成長のリズムに合わせるしかないのかな?という気もしています。
焦ってトレーニングしなくても、成長していくにつれて早くおねえさん、おにいさんになりたいという自立心がしっかり芽生える頃には、体の準備もできていたりするんじゃないかな?とも思います。

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最初の5日間のブートキャンプが無駄だったかと言えば、そうは全く思っていません。これをやった時、まず劇的に変わったのは彼女たちの意識です。自分から何かをやろうとする気持ちが芽生えたことで、それを機に様々なことが「意識的にやるスイッチ」が入ったかの様に見えました。今までのまだ赤ちゃんぽいとも言える全ての「なんとなく」が、急にきりりと意思と意図を持った行動に変わっていきました。この変わる様を見て、このようなオムツや尿取りパッドのお世話になるのは、人間が誕生した時と締めくくりに近い時。脳と骨盤周りの神経との関係性なるものを感じずにはいられませんでした。

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トレーニングの最初のころ、カカ(フランス語でう●ち)は、どうなるんだ?!と内心思っていましたが、こちらはいつの間にか、自然におまるにしゃがむようになっていました。こちらはうっかりでちゃうようなものではないので、なんの指導もなく、一人でできるようになりました。
余談ですが、娘達が一時期カカは臭くて、嫌なもので、カカをするのは恥ずかしいことなのだ!と言うようになりました。きっとスクールの男の子達にそう言われたのでしょう。とは言え、私の様に健康やウェルネスを仕事にしているとそんなこと「とんでもない!」健康的な体の一番大事なことは「口から何を食べて下から何を出せたか」が最重要事項です。
ですから「大きなカカは、プリンセスの証だ」と言うのを合言葉にしました。そして今もまだ(プリンセスになりたいので) この言葉がしっかり生きているんです。笑
一生の合言葉にしてほしいと思っています。

SHIGETA主宰、ホリスティックビューティーコンサルタント。美しい肌と体を育むためには心身のバランスこそが不可欠と考え、長年フランスおよび日本にてビューティーメソッドを探求。その経験と実績をもとにバイタリティー・コーチング®を考案。現在は、パリのセレブリティやアーティストのためのパーソナルコーチとして活動するほか、大手化粧品会社や美容機器会社のコンサルティング及びブランドスポークスマンとしても活躍中。近著に『「リセットジュース」を始めよう~パリ美人のダイエット』(講談社刊)など、著書多数。ナチュラルでホリスティックなライフスタイルウェブマガジンSpring Stepの編集長も務める。

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