デンマークのデザイナーを知ろう!
「Six Danish Designers」

Lifestyle

いま注目したいデンマークのデザイナーを知ることのできる展示が、アクタス・青山店で開催中。
「Six Danish Designers」、10月20日(日)までの開催です。

この6名、デザインジャーナルでも紹介したニューヨーク国連信託統治理事会の会議場(フィン・ユール・ホール)の家具デザインコンペに招待されたデザイナーたちでもあります。
会議場詳細はこちら

「Six Danish Designers」、Photos: courtesy of Royal Danish Embassy and ACTUS


彼らの名前を挙げておきましょう。

キャスパー・サルト、トマス・シグスゴー(コンペにはキャスパーと共同で参加)、クリスチャン・フリント、ハンス・サンドグレン・ヤコブセン、ミア・ガメルゴー、ソーレン・ウルリック・ピーターセン。

今回の展示では、国連信託統治理事会の会議場のためにつくられた椅子(現物)のほか、6名のプロフィールと作品のパネル紹介がされています。また展示を機に、キャスパー、トマス、ハンス、ミアの4名が来日していました。今回のコラムではその4名を中心にご紹介しましょう。

いつも爽やかなキャスパー(右)とトマス。この写真はコペンハーゲンの彼らのスタジオで。


まずは、彼ら全員が参加したデザインコンペの話から……。

ニューヨーク国連信託統治理事会の会議場は、1952年の完成です。デザインを手がけた建築家でデザイナー、フィン・ユール(1912年〜1989年)の生誕100周年を機会とするプロジェクトとしてリノベーションが計画され、あわせて家具デザインのコンペが実施されたのでした。

そのコンペで選出されたキャスパーとトマスの椅子「カウンシルチェア」もぶじ完成、今春、リニューアルが終了した会議場中央の理事席で、すでに使われています。そう、都内での今回の展示は、なかなか目にできない国連施設の新作家具を見ることができる貴重な機会でもあるのです。

アクタス・青山店での展示から。右がコンペで選出されたキャスパーとトマスの「カウンシルチェア」。左がリノベーションを機に復刻されたフィン・ユールの「FJ51」。会議場完成当時に用いられていた椅子です。


「会議場全体のデザインを尊重して、木の椅子にしたかった」とキャスパーとトマス。「身体をささえる仕組みにも徹底してこだわっています」。

ニューヨーク国連信託統治理事会の会議場(フィン・ユール・ホール)。デンマークのデザインの歴史に刻まれた建築家、デザイナーの精神をうけつぎながらも若手の家具を採用するという意欲的なプロジェクト。この写真でも、キャスパーとトマスの椅子が目にできます。


コペンハーゲンにある彼らの事務所を訪ねたときには、壁一面を埋める自転車や道具といった「コレクション」が気になりました。今回改めて尋ねてみると、「バイクや自転車にとても興味がある」のだそう。二人がデザインした自転車、私も使ってみたいなあ。

さて、もうひとり、女性デザイナーのミア。スウェーデン生まれで、1993年からコペンハーゲンに暮らし、IKEAのプロダクトも多数手がけています。

ミア・ガメルゴー(1964年生まれ)。

ミアの家具から私も大好きな「Hippo」(BLÅ STATION)。Photo: Courtesy of Mia Gammelgaard

こちらもミアのデザイン「Taylor」(BLÅ STATION)。美しい……!

「BOWL」(FUNCTIONALS)。

「MECCANO」(FUNCTIONALS)。メカニカルでありながら見るほどにエレガント。


毎年開催されている「デンマーク木製家具職人展」の中心人物でもあるミア。この展示はデンマークを代表する家具メーカーとデザイナーの作品を毎年紹介するもので、今年も11月1日から来年3月31日まで、コペンハーゲンのデザインミュージアムで開催されます。今回のテーマは「STORAGE(収納)」だそう。詳細はこちらで。


来日していたひとり、ハンスもご紹介しましょう。子ども用の家具も手がけています。オフィス家具にも興味があるという彼は、日本企業とのプロジェクトに興味があると語っていました。

ハンス・サンドグレン・ヤコブセン(1963年生まれ)

「Horse shoe chair」(ACTUS)。デンマークの巨匠ウェグナーの名作「ザ・チェア」に着想を得てデザインしたアクタスの製品。上から見ると馬蹄形に見えるので「ホースシュー」と名づけられています。アクタス・青山店でも販売されているエレガントな一脚。マホガニー材。¥93,450。


重厚な上の椅子とは異なるイメージですが、次のような子ども用の家具も手がけています。ドイツのデザイン賞、レッド・ドット・デザインアワードにも輝いた一脚です。

今回の展示以外にも気になるデザインが多数あるハンス。フィガロ読者のために子ども用家具を紹介しましょう。「Højstol」(Flexa)。子どもの成長にあわせてテーブルや足置きの位置を変えて使えます。Photo: Courtesy of Hans Sandgren Jakobsen.

ベビーベッド「Tremmeseng」(Flexa社)。椅子は上の写真と同じもの。おむつ交換台がついた家具もハンスのデザイン。Photo: Courtesy of Hans Sandgren Jakobsen.

ベッドは子どもが成長したら(3歳以上など)ソファに。長く楽しめる家具をつくろうというデザイナーの愛情を感じます。Photo: Courtesy of Hans Sandgren Jakobsen.


今回の6人展ではほかに、ソルト&ペッパーケースやテーブルウェアから家具まで広く手がけるソーレン・ウルリック・ピーターセンや、自由な発想で革新的なデザインに取り組むクリスチャン・フリントの紹介も。

Hayのように新世代ブランドの躍進が世界から注目され、さらに若いデザイナーの登場も期待されるデンマーク。なかでもこの6名は、それぞれに自分の世界を追求し続けている実力派です。

店内ではデンマークの家具をあわせて楽しんでください。


フィン・ユールやハンス・ウエグナーやデンマークのデザインを築いてきた先輩たちの活動を尊重しつつも、自分たちがこれからすべきことを熱く語ってくれた4名。そして、「家具やプロダクトに、誠実に向き合いたい」というのが、来日した皆に共通する考えでもありました。

その姿勢と確かな才能、そして、あっと驚かされる柔軟な発想と……! 
それらがごく自然に調和しているから、デンマークのデザイン、やはり気になるのです。


Six Danishi Designers

Honouring The Legacy Of Finn Juhl

開催日時:開催中~2013年10月20日(日)

開催時間:11時~20時

開催場所:アクタス・青山店

東京都港区北青山2-2-28 1F

Tel.03-5771-3591

http://www.actus-interior.com/aoyama/

主催:デンマーク大使館、株式会社アクタス
協賛:Lightyears、Danishinteriors Co.,ltd.

Noriko Kawakami
ジャーナリスト

デザイン誌「AXIS」編集部を経て独立。デザイン、アートを中心に取材、執筆を行うほか、デザイン展覧会の企画、キュレーションも手がける。21_21 DESIGN SIGHTアソシエイトディレクターとして同館の展覧会企画も。

http://norikokawakami.jp
instagram: @noriko_kawakami

この記事の元URL: https://madamefigaro.jp/series/design/six-danish-designers.html