ついに巡り合えた、ジョニー・デップ愛用「ステットソン」の帽子。

横浜駅前の「マドロス少年像」を見て育ったせいか、サイズ感の大きい帽子が好きな私。

子どもの頃からなぜかベースボールキャップが似合わず、キャスケットやベレー、バゲットハットなど、これまで何個の帽子が頭の上を行き来したのか数え切れません。

さらに愛してやまないジョニー・デップも帽子フリークで、学生時代にジョニーのスタイリングを解説した記事を見て、彼が特に愛用しているのが「ステットソン」だと知りました。

イギリス貴族由来のかっちりしたスタイルや、「ボルサリーノ」のようなイタリアの洒脱なモノも大好きなのですが、一日中外で仕事をしていたカウボーイのために作られたアメリカンな実用性と武骨さ、そしてボロボロになった帽子をなんの気なしに頭に乗せているジョニー・デップのスタイリングに心を奪われてしまったのです。

そこから、古着屋でステットソンを探し始めて何年が経過したでしょうか。あるにはあるのです、ヴィンテージのステットソン。ところがハマらないのです......私の頭がデカすぎて(涙)。子ども時代からベースボールキャップが似合わなかった理由がよくわかりました。帽子のツバより顔のサイズが大きく見え、なんだか収まりが悪かったのです。

普通に帽子屋で新品を買えばいいのですが、気に入るカラーがなかったり、「お取り寄せまでにちょっとお時間いただきます」の言葉でなんとなく断念してしまったり、微妙に予算感に見合わなかったり、シルエットは似ているけど「なんか違うな」と思う帽子を被っていたり、と月日は流れ、酷暑も過ぎて帽子シーズンが今年もやってきました。

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するとどうでしょう、冬物が出始めた下北沢の古着屋の一角に、ちょっと埃を被ったハットがトルソーにポツンと乗っていたのです。

「......ステットソンだ! しかもデカい!!」

まるで釣り番組のようなセリフを心に思い浮かべ、恐る恐る両手でツバを持ち上げて頭に載せると......入った! ジャストサイズ!!

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朝の自然光の中で見ると、ちょっとグレーがかったダークなカラーに見えるステットソン「ウィペット」。

おそらくネイビーなのですが、光の加減で黒にも、グレーにも見える不思議なニュアンス。あまりのうれしさに、被ったままレジに行きそうになるほど。

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夜に室内の電灯の下で見ると、濃いめのネイビー?

持ち帰って丁寧にブラッシングすると、さらに愛着が湧いてきます。帽子の前側のツバを下に曲げて被るのが、いまのところのお気に入り。トレードマークになるくらい、長いお付き合いをしたいものです。

フィガロJPカルチャー/グルメ担当、フィガロワインクラブ担当編集者。大学時代、元週刊プレイボーイ編集長で現在はエッセイスト&バーマンの島地勝彦氏の「書生」としてカバン持ちを経験、文化とグルメの洗礼を浴びる。ホテルの配膳のバイト→和牛を扱う飲食店に就職した後、いろいろあって編集部バイトから編集者に。2023年、J.S.A.認定ワインエキスパートを取得。

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