【だから欲しい、この時計】IWCのポートフィノ。流行を軽蔑し自分の速度で生きる人の手首にふさわしい。
編集部員のWish List! 2025.12.12
いい時計には求められる理由がある。そしてその理由も百人百様!フィガローエディターたちがいま手に入れたい腕時計と、その魅力とは?
今回は本誌副編集長 SACHIKO TASHIROが選んだIWCをご紹介。
時間の機微を愛したいクラシカルな造形美。
デジタル時計が嫌いで、「10時17分は本当の時間ではない」と自著の中で切り捨てた作家フラン・レボウィッツ。もし彼女が腕時計を選ぶなら、IWCの「ポートフィノ」に違いない。もともとユニセックスモデルとして誕生し、女性用ウォッチが少なかった時代に、いち早くデイ&ナイト表示を取り入れた。懐中時計の面影を残す端正な文字盤と、月の満ち欠けを描くロマンティックなデイ&ナイト。正確さよりも時間の機微を愛する彼女に、これほどふさわしい時計はない。男性的な造形にエレガンスが宿り、ジェンダーを超えた静かな意志を感じさせる。流行を軽蔑し、自分の速度で生きる人の手首にこそ、「ポートフィノ」の時は美しく流れるのだと思う。
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About Watch
イタリアのリグーリア海岸沿いにある町から名付けられた「ポートフィノ」。懐中時計のムーブメントを腕時計に用いるという誕生秘話を持つ、クラシカルな佇まいを魅力とするコレクションだ。女性の腕にふさわしい直径34mmモデルには、デイ&ナイト機構を搭載。太陽と月、そして星を描いたディスクが24時間をかけて回転し、昼と夜とを指し示す。ゴールドカラーへ彩った天空の情景がケースやインデックス、針の色彩と調和し、成熟したゴールドの魅力をさらに際立てる。インターチェンジャブルストラップ仕様で、ストラップの交換も簡単。
*「フィガロジャポン」2026年1月号より抜粋

フィガロジャポン副編集長。ファッション担当。愛車(自転車)で爆走する姿を、都内のあらゆる場所で目撃される日々。この夏は、素手でヤモリとカブトムシとコクワガタをむんずと捕まえられるようになった。真夜中に一人で湯船に浸かりながら、こっそりと読書をする時間が何よりのご褒美。今一番欲しいものは、好きな服が似合う身体。好きな野菜は豆と茄子、菌類はキノコ、細胞はマクロファージとキラーT細胞。
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