春、ドーヴィルのマルシェでカレイのムニエル作りを。

3月は毎年恒例の誕生日旅行に出かけるのですが、今年はノルマンディーのDeauville(ドーヴィル)へ。

到着してから真っ先に覗くのは、やっぱりマルシェ。毎朝マルシェに通って自炊するので、どんな素材があるか、ワクワクしながら滞在中のメニューを考えていきます。

220324-DSC_6198.jpg

先ずは売り切れないように魚屋に直行。ここには4軒くらいの漁師直売スタンドが出ます。自らの漁船で、その日に獲れたものだけが並ぶので、ノルマンディーの魚の旬がよく分かる。

220324-DSC_6196.jpg

英仏海峡の名物と言ってもいいくらい、カレイやヒラメが豊富。

220324-DSC_6194.jpg

対岸のTrouille(トゥルーヴィル)で水揚げされるホタテは、もちろん鮮度最高でお安いので、グリル、グラタン、カルパッチョにして何度も頂きました。

このマルシェで楽しみにしているのは、数軒ある地元農家のスタンドを巡って、自分なりの目利きを発揮して旬の“走り、盛り、名残”を選んでいくこと。

220324-DSC_6210.jpg

いつものおばあちゃんのところで、まさに盛りなのは芽キャベツとタンポポの葉。これは早春からの味わいで、食べながら「ああ、春が来た!」と身体に沁みるのを感じます。

220324-DSC_6209.jpg

寒中でもぐんぐん育つマーシュを一掴み、土のエネルギーをもらう。

220324-DSC_6207.jpg

名残の甘いりんごを幾つか。

---fadeinpager---

220324-DSC_6222.jpg

Pennedepie(ペンヌドピー)という近くの小さな村の農家。ここでは美しいラディッシュを。

220324-DSC_6221.jpg

220324-DSC_6217.jpg

その裏手の農家のネギも旬。このおいしそうなネギで久々にヴィネグレットでも作ってみようか。

220324-DSC_6213.jpg

いちご農家がはじめたビオのアスパラのスタンドができていました。これは走りなので、白と緑を少しずつ。

220324-DSC_6216.jpg

茹でた白アスパラにタンポポの葉を添えて塩とオリーブ油、上にのせた半熟卵を割ると黄身がトロ―りと流れて……はあ、おいしい! と声が。これは得もいわれぬ春の“出合いもの”ですね。

220324-DSC_6227.jpg

ここでは、いつも葉物や香りが素晴らしいハーブを。今日はパセリ、シブレット、タイムを一束ずつ。

---fadeinpager---

220324-DSC_6203.jpg

チーズ屋には地元特産のカマンベールやポン・レヴェックのほか、ヤギの乳で作ったシェーブルも。乳製品が豊富なノルマンディーならではの品々が並ぶ。

220324-DSC_6205.jpg

リンゴジュース、シードル、カルバドス、りんご酢など名産品が揃って。

220324-DSC_6206.jpg

地元の養蜂家のスタンドで、森のハチミツを一瓶。春の花のハチミツがいまから楽しみ。

220324-DSC_6231.jpg

花屋には春の彩。チューリップを見ると、途端に元気が出てくる。

220324-DSC_6228.jpg

写真はありませんが、ここに1軒だけあるシャルキュトリーの田舎風パテ、腸詰めなどは最高! いつもアペロ用に必ず買います。

さて、マルシェから戻って、昼食用に作ったものをご紹介します。この日は気温18℃。春の陽光が差す暖かいテラスの中、幸せな気持ちでいただきました。

---fadeinpager---

■Carrelet meunière sauce aux herbes et au citron 
カレイのムニエル、レモン&ハーブ・バターソース

220324-DSC_6243.jpg

<材料(2人分)>
カレイ 1尾(または白身魚の切り身2人分)
塩 少々
小麦粉 適量
オリーブ油 大さじ2

<ソース>
塩バター(または無塩バターと塩少々) 30g
レモン 1個
白ワイン(または料理用日本酒) 大さじ3
水 大さじ1
ハーブ(好みのものを適量) パセリ、シブレット、タイムなど

<作り方>
1. ハーブをみじん切り、茎はとっておく。レモンは1〜2枚を輪切り、1/2個分の果汁を搾っておく。
2. カレイのエラと内臓を取り出し、皮の表面のぬめりを包丁の刃でこそぎ取り洗い流す。
水気を切ってから、塩少々を振り10〜15分置いて(夏は冷蔵庫に)余分な水分をキッチンペーパーで拭きとる。全体に薄く小麦粉を振る。
3. 耐熱皿に薄くオリーブ油を塗り、魚をのせて上からもオリーブ油を振りかける。ハーブの茎を内臓を抜いたところに詰めて、身の上にはタイムの枝をのせて、200℃に熱しておいたオーブンで10〜15分ほど焼く。(またはフライパンで焼く)
4. 焼きあがる寸前に、フライパンに塩バター、白ワイン、水、レモンの輪切りを入れて中火にしてヘラでよく混ぜながら乳化させる。沸騰したら火を止めてレモン果汁とハーブを加えて混ぜる。焼き上がった魚の上にソースを回しかけて出来上がり。

魚をフライパンで焼いた場合は、魚を取り出してから洗わずにそのままソースの材料を入れて作る。

ハーブとレモンの色が映えるように、魚を裏返して使いました。

220324-DSC_6233.jpg

宿のテラスからの眺め。滞在中はずっと雲ひとつない青天で清々しい日々でした。

220324-DSC_6250.jpg

クロード・ルルーシュ監督の映画『男と女』の舞台、レ・プランシュは何度歩いても飽きない素敵な処。

220324-DSC_6251.jpg

いつも感心するドーヴィル市のゴミ箱。新しいデザインが設えてありました。
散歩をしながら道の看板や標識を見ても、美意識の高い街造りを感じます。

こんな景色と海辺のごはんの思い出を携えてパリへ戻ってきました。

おまけ

0330-neko-omake.jpg

宿泊先はペットのステイも可能。初の猫同伴の旅でしたが、着いた途端にリラックスしていました。

■Marché Deauville  マルシェ ドービル
Place du Marché 14800 DEAUVILLE
アクセス)SNCF Trouville-Deauville駅より徒歩10分
営)火・金・土 7時~13時
※2/25~11/11の間は日曜も開催。7・8月は毎日営業
Sachiyo Harada/料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。16年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。近著に『LE B.A.-BA DE LA CUISINE “Ramen”』(Edition Marabout Hachette社 刊)がある。
Instagram : @haradasachiyo

料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
近著に映画の料理を紹介した本『La cuisine japonaise à l'écran』(Gallimard社)と『Le Grand manuel de la cuisine Japonaise』(Hachette-Marabout社)がフランス全土と海外県、ヨーロッパ各地で発売。
Instagram : @haradasachiyo

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

清川あさみ、ベルナルドのクラフトマンシップに触れて。
フィガロワインクラブ
Business with Attitude
2024年春夏バッグ&シューズ
連載-鎌倉ウィークエンダー

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories