パリから農園へ「秋の実りを愉しむ丸ごとアップルパイ」

これほど暖かな秋は珍しい……ニュースには、毎日のように海水浴を楽しむ南仏や大西洋の海岸の映像が届いています。
パリも急に寒くなったかと思えば、突然インディアンサマーのような陽気に。

青空の広がる週末、急に思い立って昼過ぎから農園に出かけてきました。

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まずは到着早々腹ごしらえ。サンドウィッチをほお張りながら放牧されている牛たちを見ていると、ひたすらのどかな気分に。それにしても、なんと気持ちのよい青空だこと!

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週末の子どもたちを迎えるのは、ここのスタッフたちが毎年アイディアを出しあいながら作る楽しげなハロウィンのディスプレイ。

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そして、これも毎年恒例のカボチャのデフィレ。久々の好天になったこの日は、家族連れで大賑わいでした。

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入口にある“今週の野菜”のパネルをチェックしてから収穫スタート。

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真っ先に向かったのは、リンゴ畑……ですが、なんと出遅れました! この夏の猛暑のせいで、例年よりも早く収穫が始まったそうで、木には、ほとんどリンゴがない。

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残っていたのは、Canada grise(カナダ・グリーズ)という品種。この色と実が柔らかく、少し酸味があるのが特徴だとか。まあ、これも悪くないので、籠いっぱいに採ってきました。

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リンゴの後は野菜を。バター色のインゲンがたわわになって。これは、茹でてから、熱々をオリーブオイル、にんにくの薄切りと塩で和えるだけのシンプルな常備菜がうちの定番。

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立派なネギを何本か引き抜いて、ジャガイモと一緒にポタージュスープなんていいなあ、と今夜のメニューがひらめいた。

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まだ柔らかで若いニンジンも掘って……これは、皮付きのままスティックサラダもおいしそうだ。

夕方近くになってレジに行くと、会計待ちの長蛇の列ができているので、並びながら既に収穫されているものを物色。

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今年最後の露地栽培の茄子。ツヤっとして張りのあるおいしそうなものをいくつか。

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夏前に収穫されたジャガイモは、牛たちの堆肥でリッチになった土壌で育ったもの。

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巨大なカボチャは、まずハロウィンのディスプレイに、その後はスープに化けます。

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こちらは、Bleu de Hongrie(ブルー・ド・オングリー)という品種。スープのほか、ピュレやグラタンにして食卓に。

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観賞用の小さなカボチャも豊富です。

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早く収穫された紅いリンゴもいくつか籠に入れて帰りました。

さて、今日は収穫してきた“実が柔らか”というリンゴを入れたパイをご紹介します。“皮はサクサク、中身トロトロ”を狙って作ったら、おいしくできましたよ!

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■丸ごとアップルパイ
Pomme au four feuilletée

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<材料(4個分)>
リンゴ(小さめ) 4個
パイシート 1〜2枚(フランスで販売されている直径23cmくらいのものなら1枚)
小麦粉(打ち粉用) 少々
溶き卵 全卵1個分
シナモンスティック 4本

【A】
ドライフルーツ(レーズンなど) 40g
ラム酒 大さじ2
バター 30g
キビ砂糖 30g
シナモンパウダー 小さじ1/4

<作り方>
1. ドライフルーツとラム酒を混ぜてラップをかけてから1~2時間室温に置く。バターも冷蔵庫から出して室温に。
2. リンゴの皮をむいて、中心のヘタや芯を芯抜き器かナイフでくり抜く。
3. 小ボールにAの材料をすべて入れてよく混ぜて、リンゴの中心に詰める。残りは、上にのせてスプーンの背でよく押さえる。できたら冷蔵庫に入れておく。
4. パイシートを4等分して、打ち粉をしたまな板の上にのせて、薄く粉を振って麺棒で1.5倍くらいに伸ばしてリンゴを包む。パイシートの端で葉っぱを作り上にのせてから中心にシナモンスティックを差して、溶き卵を刷毛で塗る。
5. 180℃に温めておいたオーブンで30分ほど焼く。パイ生地が良い感じに色ついてきたら、焦げ防止の為にアルミホイルをかぶせて調節する。

☆ドライフルーツは、手元にあったアセロラを使いましたが、手に入る好みのものを使ってください。

焼きたての熱々にナイフを入れると、湯気と共に香り立つラム酒とバターがたまりません。サクサクのパイに、トロリとしたりんごを絡めて召し上がれ!

Ferme de Viltain
ヴィルタン牧場・農園
Instagram:@fermedeviltain
Sachiyo Harada/料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。16年春、ベジタリアン向けの料理本『LA CUISINE VEGETARIENNE』をフランス全土と海外県、ベルギー、スイス、イギリスなどのヨーロッパ各地で発売。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。近著に『LE B.A.-BA DE LA CUISINE “Ramen”』(Edition Marabout Hachette社 刊)がある。
Instagram : @haradasachiyo

料理クリエイター
長い間モードの仕事に携わった後、2003年に渡仏。料理学校でフランス料理のCAP(職業適性国家資格)を取得。 パリで日本料理教室やデモンストレーション、東京でフランス料理教室を開催。フランスの料理専門誌や料理本で、レシピ&スタイリングを担当。この連載をまとめた『パリのマルシェを歩く』(CCCメディアハウス刊)が発売中。
近著に映画の料理を紹介した本『La cuisine japonaise à l'écran』(Gallimard社)と『Le Grand manuel de la cuisine Japonaise』(Hachette-Marabout社)がフランス全土と海外県、ヨーロッパ各地で発売。
Instagram : @haradasachiyo

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